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~グランドフィナーレ~ もう一度、何度でも!
6章あとがき。全ての執筆を終えて
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最後の最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
『もちろん大傑作だったでしょう?』と語るつるちゃんのドヤ顔にドン引きしながら後書きを書いていますが、最後まで読んでくださったあなたには、きっといい事あるはずですよ。
それにしても、初期稿から数えて足かけ12年以上になる鶴ちゃんの大冒険……本当に長かった……!!
ナマケモノの作者が根性だけでラストまで書き上げたこの『新説・鶴姫伝! 日いづる国の守り神』が、今を生きる全ての人へのエールとなったら嬉しいです。
(『なるに決まってるわよ!』とドヤ顔連発のつるちゃんをご想像ください)
……なお話は変わりますが、最近とにかく「日本はオワコン」とか「この国はもう駄目だ」みたいな空気が蔓延していて、なんだか怖い感じです。
ほんとはまだ大丈夫なんじゃないでしょうか。みんなが力を合わせて絶望をうち払えば、幸せな未来を取り戻せるんじゃないでしょうか。
今では悪い事して当たり前、みたいに不祥事が続く世の中も、明治の開国期には(多少美化されているとしても)「俺たちが日本を復活させるんだ!」みたいなムードがあったはずですよね。
日本がピンチだったからこそ、その時代に生きるみんなに目的というか、真木柱があったはず。
じゃあ今はどうかといえば、明治に負けず劣らずの大ピンチです。
国家財務はズタボロ、政は大混乱。でも国だけじゃありません。
SNSは悪口やマウント合戦で埋め尽くされ、弱い人や貧しい人、見た目が優れていない人をしいたげて当然みたいになっています。
罪もない人にイタズラしたり、お店で迷惑行為する動画がバズれば勝ち。他人を挑発・論破して恥をかかせたら勝ち。
ふざけてお金をみせびらかす動画業ばかりがもてはやされ、日々社会を支えてくれている立派な仕事が「コスパ悪い」とバカにされる世の中。
(※動画業それ自体は悪い事ではありませんが、現実を支える多くの人が馬鹿らしくなったら、虚業の人にも危険な世の中になりますし)
人を言い負かしても勝ちでも何でもなく、恨みを買い続ければ最終的にマイナス面がまさって負け、と長い歴史で分かっているのに、何でその知恵をゼロに戻そうとしてるんでしょう
(四面楚歌で得をするのは、それを売りにできるカリスマだけですよね)
人より恵まれた暮らしをしていても、それをSNSで見せつければ不満を育て、やがて安心して暮らせない治安になると分かっているのに、何でそれを礼賛するんでしょう。
先祖代々の地主さんがお金をひけらかさないのは、嫉妬や恨みを買う恐さを知ってるからなのに……
どうして何も知らない子供達を、だまして破滅に向かわせてるんでしょう?
論破論破でいがみ合えば、全ての企業が機能不全になりますし、数十年後は最悪の経済破綻に陥ります。
人しか資源のない国において、『不和』はもっとも確実な国滅ぼしのおまじないであり、そんな地獄で嘆くのは、だまされた今の子供達です。
もう冗談抜きで末法の世ですし、国がまるごと沈没しそう。
その時は日本を捨てればいい、とそそのかす輩もいますが、後ろ盾の国が無くなった流民がどれだけ惨めで恐ろしい目にあうか、それも歴史が証明していますよね。
今みんなを煽り立てている人は、そのうちいなくなるはずです。
独身サイコー!と謳っていたカリスマ達がこっそり結婚し、表舞台から消えたように、気づいた時には怒りをぶつける相手すら姿を隠しているはず。
姿を隠せば、人間からは逃げられますからね。
……でも、でもですよ。これって逆に見せ場なのでは!?
確かに今はピンチですけど、ここからみんなで日本を立て直したら、それって歴史に残る偉業なのでは……!?
誰だって地獄みたいな未来になっていいと思う人はいないでしょうし、だったら今が引き返す最後のチャンスです。
あと少し経って、怖い価値観を持つ人が一定の割合を超えたり、その人たちが人を支配する世代になったらもう終わり。
とにかく何とかして今の絶望に進む流れを、この時代で終わらせる事が出来たら……未来の子供たちに「大丈夫だ、幸せな明日が待ってるぜ!」と言える道筋を残す事が出来たら……それってメチャクチャかっこいいですよ。
今ではホコリをかぶった正義ですが、
「あいつ汚職したのか! 金で魂売るとか、人として一番ださい!」
「世のため人のためになる事が一番カッコいいっしょ!」
「あの人は立派なリーダーね、自分の事だけじゃないわ!」
「弱い者虐めなんてダサ過ぎ! カッコ悪!」
「さすが横綱、気は優しくて力持ち! 本当に強い人は立派なのね!」
みたいな美学、ごくごく近世までありましたよね。
さすがにちょんまげ復活とまでは言いませんが、今の社会に合わせた『現代版・やわらか武士道』みたいな正義が戻ってきたら、きっと世の中良くなると思うんです。
だって国や社会の未来は、全部人の営みの結果なんですから!
作者自身はろくでもない人間ですが、それを全部棚上げした上で、出来る事からやっていきたいです。
いくら悪党の作者でも、さすがに未来の子たち全員を不幸にしようとは思いませんから。
↓なんか熱くなって変な感じになりましたが、ここからはいつものように補足ですよ!
※※なお、作中で女神姉妹が日本復活の呪文を唱えていますが、これは大和言葉や音読み・訓読みを気にせず単語を使っています。
本来なら神さまの言葉は大和言葉だけなのでしょうが、作中では普通に神様が現代語を駆使して若者と話しているので、そこで大和言葉オンリーにしても、逆に不自然だと思ったからです。
また、神様は本来「1柱」「2柱」と数えるのが普通ですが、作中ではケースバイケースで「お2人」とか「おふたかた」のようにお呼びする事もあります。
目の前に人と同じ姿の神様がいらっしゃるのに、杓子定規に「柱」というのはさすがにおかしいと思った次第ですの。
※※そういえば5章で、誠のお母さんがよく喫茶店でクリームソーダを食べるという設定がありました。
今時のスイーツを知らない芋っぽさを表現したかったのですが、最近は若者にレトロ喫茶やクリームソーダが人気らしく、特にダサくもない意味不明の設定になってしまいました。
若い子ってすごいですわね。
※※具体的な地名や町並みは出来るだけ書かないようにしている……とは以前のあとがきで書きましたが、同様に日付けも『某日』みたいにぼかす事が多いです。
これはその日が誕生日の人が嫌な気持ちになるかなと思ったためです。
(※絶対数字言わなきゃおかしいだろ、みたいなシーンでは書かないといけないと思いますが…)
また、敵役も出来るだけ現実にはいないような名前にしていますが、もしかぶってしまったらごめんなさい。
全部の人の名前を知っているわけではないので、こればっかりはどうしようもなく…
あなたを名付けた方の想像力が、作者のそれより凄かったという事ですので、悪しからずご容赦下さい。
ただ、特に天音は綺麗な名前なので、同じ名前の方が大勢いらっしゃるかもしれません。その場合はごめんなさい。
この子は皆に尊敬される本当に立派な聖女でしたし、悲しみが深すぎて壊れてしまっただけなので、「いかにも悪役」みたいな名を送りたくなかったのです。
鶴ちゃんと魂が合体してからの天音の人生は、きっと幸せいっぱいのものになったと思いますし、なってもらわなければ困ります。
本来はもっとお茶目な性格なので、幼い鶴と友達だったら、2人でいたずラッコーズを結成して岩凪姫を困らせてたりして。
※※仏教徒の方のために念のため。鬼神族の神である双角天は「天」が名前についていますが、梵天や帝釈天といった仏教天部とは全く関係ありません。
あの名前は「俺の2本の角が天を突くぜ!」みたいに威勢のいい意味で名乗っているだけです。
鶴や誠といった文字を名前に使っても、いい人もいれば悪い人もいるでしょうし、漢字が同じなのも偶然なのです。
また『権現』は神道と仏教が神仏習合した時の用語ですが、無明権現も仏様とは無関係です。
この神をあがめる獣人が、『権現』の響きがいいので勝手にそう呼び始め、神の方も「可愛いお前達が敬意を込めて呼ぶんだからそれでいいよ」と受け入れた形です。
鬼も獣人もとにかく派手好きですので、名前は音の響きがかっこいいかどうかを重視していて、あまり深く考えていないのです。
※※夜祖は結局最後まで自分の手で格闘戦をしませんでした。邪神の中では接近戦が強い方ではありませんが、決して戦えないわけではないです。
3章あとがきで書いた通り、夜祖は自ら戦うよりあの手この手の工作で勝つ事を是としていますし、子孫にもそう教えていますので、最後までそれを貫いた形です。
実際、夜祖自身が戦いに参加しなかった事で、戦況を見ながら2の手、3の手を打つことが出来ましたし、「夜祖がまた何かしてくるかも」という深層心理がイワナガヒメ様にあったからこそ、ある程度戦いが長引きました。
そうでなければあのラストバトルも圧倒的に女神有利で終わっていたでしょう。
熊襲御前もイワナガヒメ様が片手縛り+身のこなしでかわせない状況でなければ瞬殺でしたし、双角天だって本当に一対一であれば、最初の一撃を振りかぶった時点でカウンターで斬って捨てられています。そもそも無明権現が一太刀でやられたわけですから……
本気になった(※自分を憎まない事で全ての才能が開花した)ナギっぺはメチャクチャ強い、と鶴達が直感で恐れているのはこういうわけです。
無明権現を倒した時、一瞬女神の気がゆるんで夜祖の縄が当たりましたが、それまでは夜祖も女神にしかける隙がありませんでした。
(※神の体は霊気で出来ており、まして覚醒したイワナガヒメ様のパワーは半端ではないので、いくら夜祖の縄と言えど、霊気の多い胴体部分に巻きつけると一瞬で千切られてしまいます。
また例え手足の末端でも、ほんの数秒でも精神集中すれば、手足に霊気を送って縄を千切る事が可能ですし、もちろん神器の刀でも斬る事が出来ます。
だからあの油断した一瞬に腕の先端にドンピシャで縄を当て、しかも熊襲御前が迫っていたため縄を切る時間がない、というシチュエーションを作り出した夜祖は、ぶっちゃけ本当に恐ろしい敵だったと言えます)
陣営こそ違えど、夜祖は子孫を守るという一点においては立派な神ですし、知恵と勇気を愛する神です。
誠が笹鐘と気心が知れたように、もしかしたら夜祖も、日本の知恵の神様と仲良くなれたかもしれませんね。
※※戦いの話になったので余談ついでに。
ディアヌスが「自分が万全でもめんどくさい相手」のように話した邪神側の剣神と雷神を、諏訪大明神様は瞬殺しています。
これはもちろんお諏訪様が超強いのもありますし、自らの鎮座地である長野県が決戦地ですから、鎮座地ブーストで霊的強化がかかっていたのが大きいです。
ただそれ以前に、邪神達は高天原の光の気を大量に浴びて焼かれたため、少なからずダメージを受けて弱っていたのです。
そんな自分達のコンディションすら把握できずにいきがったので、お諏訪様は鼻で笑って叩き伏せたのです。
万全な状態ならお諏訪様やディアヌスほどではないにしろ、相当強い邪神2柱だったのは間違いありません。
なお「あの2人は鹿島大明神に匹敵する強さだぜ!」という評価は邪神達が勝手にしたもので、ほんとの鹿島様はもっともっと強いです。当たり前ですが日本最強の武神ですから。
お諏訪様と鹿島様の男のハイタッチはどうしても書きたかったシーンなので満足しています。ハイタッチというより叩きつけるような感じですけど、お互いを認め合う心は十分伝わったはずです。
※※1章あとがきで触れた、ハトではなくガンパチくんならではの見せ場とは、ラストバトルの千里眼との戦いの事です。
あの千里眼(※魂の本体のほう)が生きていたら、善なる神々が攻めあぐね、降臨時間がタイムアウトの可能性があったので、何がなんでも速攻で仕留めねばなりませんでした。
ただ、千里眼は見える相手に絶対に攻撃を当てるため、隠れる場所のない空から飛んでいくハトは相性が悪すぎます。
よって地上の障害物に隠れながら接近するガンパチくんでないとダメだったのです。
八幡様は『弓矢八幡』と呼ばれる弓道の神でもありますので、この神様こそ千里眼を倒すのに相応しいでしょう。
なお、八幡神社の本来の神使であるハト君は、続編で出そうと思っています。
※※あと作中にも書きましたが、神様は本来、直接名前を口にするのもおそれ多い存在です。
かけまくもかしこき、と神職さんが言うのはそういう意味ですし、行事で祝詞をお読みする際も、神さまの個人名ではなく「住吉の大神」「稲荷の大神」というふうにお名前を隠して唱えます。
それでもこの作品には、あえて神様の個人名を出しましたし、あえて神様を親しみやすく擬人化しました。
竜宮の女神様や厳島神社の女神様にも、恐れ多くもコンサートまがいの事をしていただきましたし、イワナガヒメ様にも百回ぶん殴られてもしょうがないぐらいの事を書いています。
けれど今の日本のピンチをかんがみた時、そうするのが正しいように思ったのです。
神さま自らが親しみやすいお姿となり、人々と一緒に泣いて笑って、この未曾有の危機を乗り越える物語にしたかったのです。
1章で岩凪姫が「この神器の鏡はよほどの非常事態にしか使ってはならないが、今がそのよっぽどなのだ」という趣旨の発言をしましたが、きっと今の現実もそうなんだと思います。
うまいこと言い訳をして誤魔化せたかどうかは分かりませんが、ダメだったら女神様のグーパンチでもくらいます。これはしゃーない…!
ただしこうした事情もあり、この物語は2部作となる予定です。
第1部はこの第1章~第6章まで……つまり、神様や聖者が大活躍し、人々と一緒に泣いて笑って日本を取り戻すまでの部分。
そして第2部は、そこから変わってしまった世界を舞台にします。
今まで神様の存在を信じていなかった人達が、実際にその姿・存在を見てしまった。知ってしまった。そうなると当然ただでは済みませんし、日本は大きく揺れ動くはずです。
第1部が神界の扉が開かれる物語とすれば、第2部は近すぎる存在となってしまった神と人がどういう未来を選ぶか、を描く物語だと思って下さい。
あくまで後日談のようなもので、お話のメインは第1部ですけども。
※※5章を読んでくれた知人から、夏木が犠牲になって可哀想という意見を聞きました。でも裏設定としては、ある意味夏木は生きています。
(ただでさえカオスなエンディングなので、本編で書く事でもないだろうと伏せました。外伝のような後日譚でいつか書きたいです)
岩凪姫が復活した時、お守りには夏木が女神を守ろうとした時の思いが(残留思念が)残っていました。分かりやすく言えば「大好き!」の思いです。
ごくごくわずかな思念ですが、岩凪姫(イワナガヒメ様)はそれを心の支えに最後の戦いを頑張れましたし、夏木の思いを身近に感じていたからこそ、熊襲御前に「出戻りの恥さらしめが」と煽られても、ひるまずに戦う事が出来たのです。
全身全霊で女神様を愛し、守ろうとした夏木の思いがあの戦いを勝利に導いたのですから、ラストバトルのMVPは、実は夏木だったのかも知れませんね。
ただ、そのままだとか弱い残留思念は消えてしまったのですが……
誠に明日馬の魂を合体させた時、こっそり夏木の思いも一緒に入れたのです。そうすれば消える事はありませんから。
これは完全に女神様の独断ですし、鶴ちゃんや他のみんなにも、口が裂けても言えません。言ったら恥ずかし過ぎますし。
世の人々を等しく扱わねばならない女神様ですが、命がけで自分を愛してくれた夏木の思念が目の前で消えていくのが、どうしても耐えられなかったのです。
だから誠が新しい日本で幸せになれば、夏木も幸せになれますし、女神様もそれを見守っていられます。
また、誠が今生を終えて神の使いの霊魂となったら、それこそ永久に一緒にいられるわけで、要するに女神様の可愛いワガママなのです。
その気持ちがつい漏れ出てしまったのが、6章の最後の「少し夏木に似てきたかな?」でした。
まったく女神様も乙女ですなあ、フフフ…
(おや、グーパンチの風圧が……)
なおトラウマを乗り越えて、毎日笑って過ごすようになった岩凪姫は本当に可愛いらしいというか、めっちゃ愛くるしいキャラクターになります。
ちょっと髪を揺らしながら鼻歌を歌い、機嫌よくお仕事したりして。
「お姉ちゃん、最近よく笑うわね」とサクヤ姫様に言われ、
「そ、それはだな。何千年も前の事でうじうじするのもあれだし、そろそろ私も笑おうと思ったのだ。でなければ、あいつに顔向け出来ないからな」
みたいな会話が浮かびます。
あと、夏木の思念を誠に入れたのがバレるシーンはこんな感じで。
思念が馴染んできた誠が、時々なぜか岩凪姫に見とれてしまって、
「まったく、女神に見とれるとはけしからん奴だ。まったく……」
と嬉しそうにしていると、サクヤ姫様が「おねえ……ちゃん……?」と笑顔で見ている。
ハッとして視線に気づいた岩凪姫が「ちち違うのだっ、これはその、違うのだっ!」と慌てるけど「お姉ちゃん?」と笑顔で問い詰められて。
最終的に「頼むぅっ、鶴達には言わないでくれぇええっっ!!!」と頼み込む感じでしょうか。
今は作者の脳内でしか動いていない女神様ですが、もし皆さんが彼女を見たら、きっと大好きになってくれると作者は思うのです!(超絶勝手な想像です)
※※めぐちゃんが作り慣れたはずの豚骨ラーメンを試作扱いしているのは、スープに猪の骨を使っているからです。
少数の豚は島に避難させて生き残っていますが、貴重過ぎてとても使えませんので、増えまくっている猪を使いました。
だからカノンが大三島で仕込んでいた猪チャーシューと相性ばっちりの味なのです。
なお、カノンが避難する時にもこのチャーシューを持っていたのは、4章で誠がピンチの時に干し飯ぐらいしか持ってなかった事を後悔したからですのよ。
※※また、北海道のタンチョウ鶴は一時期その数を減らしましたが、保護活動のおかげで少しずつ復活しています。
今では牛小屋に遠慮なく参上して牛のごはんをモリモリいただき、牛をおびえさせるぐらいのイタズラ者になったそうです。
実際のタンチョウがこんな感じですから、お伽話の鶴の恩返しも、「来たわ、私よ!」と強引にやってきて、適当にくつろいでいたのかもしれませんね。
※※未熟者の作者は、執筆中「こんな時どうすりゃいいんだ!」と思う事が多々ありました。
こんなメチャクチャなお話の手本なんてありませんでしたし、何もかもが手探りで分かりません。
そういう行き詰まった時は、天満宮さんにお参りしたり、お守りやグッズを買ってきてPCのキーボード周りに置いていました。
教えて下さいというのは図々しいので、参拝中はわりかし無心でしたが、それでも書き上げられたのは、天神様や神使のモウちゃんのおかげでしょう。
だから本当は天神様にもご登場いただきたかったのですが、その場合夜祖との知恵比べにも負けないので、あらゆる敵の罠が空振りになります。そうなるとお話として成り立たないので、どウシてもご登場いただけませんでした。
だから作者的には、天神様は知恵の神様として他の神々に頼られ、大事な役目を担っていて来られない、という事にしています。
もし作者の実力以上に、奇跡的に光る内容があればそれは天神様が(見かねて)加筆して下さったものでしょうが、至らない部分があれば、それは当然作者が書いた所ですよ!
また絵に関しても、全く何も描けない状態から練習し、それから人生初のキャラデザインをして、という有り様でしたので、やっぱり発狂寸前でした(してたかも……してたでしょうね)
こちらは芸術の神様である弁天様の、つまり厳島神社のお守りを買ってきて練習しました。
もちろん向き不向きがあり、やはり絵は描けないと分かりましたし、より絵描きさんや漫画家さんを尊敬(畏怖?)するようになりましたが……
それでもこんな作者が最低限のキャラデザインを出来たのは、やはり弁天様のおかげだと思います。こちらも感謝です!
なお、厳島の女神三姉妹の末っ子・湍津姫様はワイルドな感じで岩凪姫と少し似ていますが、中身は全然違って、湍津姫様はお父さんのスサノオ様の武勇にあこがれ、ご自身のそういうファッションも気に入っています。
逆に岩凪姫の場合、ぜんぜん・まったく強そうに見られたくないのに、有り余る武の素質で周囲から怖がられまくってしまう……という悲しい結果になっているのです。
あと厳島神社の女神様は、本来は九州の宗像大社が本拠地(総本社)とされていますが、作中では陸が餓霊に支配されているため、海上にある厳島の方をクローズアップしました。
3章の源氏方が鶴岡八幡宮、平家方が厳島神社、という図式もありますし、これで良かったと思います。
でも本家の宗像大社もメッチャいい感じで大好きです。九州はおいしいものが多いですし、何度でも行きとうございます。でも行くたびに太りますですわ。
でもうまいからそれでよし!
※※災害をテーマにした物語なので、あまり現実の地名を書くと地元の方が気を悪くされるかもしれませんが……このお話の第1章は、香川県の荘内半島付近から始まりました。誠達が最初の戦闘をした場所です。
(実在の道路や町並みは描写すると良くないので、未来に増設されたり区画整理された架空の町並みが壊れていると思ってください)
どうしてそこから始まったかと言いますと、この半島の西側にはイワナガヒメ様を祀る磐長姫神社が、そして東側には船越八幡さんの摂社であり、サクヤ姫様を祀る木村神社があります。
作中で誠達を見守る両女神が祀られた荘内半島から日本復活の物語がスタートし、追い詰められた人間達は、かつて八幡様を運ぶ船が着いたこの土地から船で脱出する。
更には500年を経て現代に復活した鶴姫と、この土地の浦島太郎伝説に時を駆ける類似点があるし、浦島太郎伝説には、ラストに鶴になって飛んでいくバリエーションもある。
なので、テーマ的にすごくおさまりがいい土地なんです。
だからこそこの物語は荘内半島の近くから始まりましたし、物語の最期には、時を越えて両岸の女神姉妹が手を取り合うかのように、向き合って日本再生の呪文を唱えました。
始まりと終わりを同じにする『往還』的な裏設定ですが、そうする事で日本の歴史の光と影の縮図のような女神姉妹が、お二方とも幸せになれるような気がしたのです。
特に悲しい思いをされたイワナガヒメ様がみんなの人気者になった事で、一度はどん底に沈んだ日本が復活する象徴となった次第です。
だから決して子供の頃に仁尾サンビーチで遊んで楽しかったからとか、泳いだ後のうどんがおいしかったからとかいう個人的な理由ではないのです!!
※※※また、当作品は皆様が普段お参りされている普通の神社、そして普通のお寺以外の宗教とは一切関係ありません!
神話を扱う以上、どうしても何かの新興宗教やセミナーなどと扱う単語や漢字、人名などがかぶる事もあると思いますが、それは全くの偶然ですのでご注意下さい!
取り越し苦労とは思いますが、もし万が一この作品をきっかけに危険な宗教やセミナーにはまり、不幸になる方が出るといけませんので、そこだけは念のためご注意下さいね。
普通の神社やお寺さんにおいで下さるなら作品的にも大歓迎ですし、神使達も大喜びですよ!
ただ最近は、海外の人が税金対策で神社仏閣を買い取って所有しているひどいケースもあるようで。
それは宗教法人制度の趣旨を外れていますし、日本の神様を人質にとられてるみたいで腹立つなあ。
※※できるだけ多くの方に楽しんでもらえるように、と思って書きましたが、文章をどのぐらいまで詳しくするのか非常に苦しみました。
最近は漫画やアニメでも、状況を全部セリフ等で説明するのが主流ですし……かといって書き過ぎても大人の読者さんが情報過多と感じるでしょうし。
書いても書いても「これじゃ伝わらないかな」「さすがに説明がくどい、やり過ぎ」と直す事の連続で、自分の文章が分からなくなりそうでした。
このあたり、他の作者さんはどう考えていらっしゃるんでしょうね。
※※なお、まさか海を隔てた読者がおられるとは思いませんが、この作品は海外の方がそのまま翻訳して読むには適しておりません。つるちゃんが日本語の微妙な言い回しをしたり、日本の歴史などの国内ネタを中心にギャグパートを構成していますので。
言葉の微妙な言い回しなんて、ネイティブの人以外面白いと思えないでしょうし、そもそも「弁慶」や「源平」といった歴史の基礎知識がないと楽しめないので、海外の方には辛いでしょう。特にヒカリのコシヒカリトークなんてもうね、翻訳どうするんだって話でね。
外国の方にも受けるのは、チャップリン映画とかネズミが猫に噛みつくアニメのように動作で笑わせる物、または人類普遍的な要素というのが定番ですし、そうでない作品が国境や文化を越えるには、それなりの修正パッチが必要でしょう。
例えばヒカリのコシヒカリトークみたいに訳せないものは、●ターウォーズのお姫様のセリフのようにコメディタッチで吹き替えるとか。
ヒカリが恋愛を匂わせる → 雪菜がくいつく → 適当に長ったらしい台詞をペラペラ喋って、雪菜が混乱してきたら「冗談だよ」とずっこけさせる。
(コメディ系の吹き替え洋画には、声優さんがアドリブのマシンガントークをガンガンいれた物があって面白いです)
また、弁慶とか源平みたいな日本固有の単語が出てきたら、コマが読者に説明する注釈を入れたり。映像の場合はコマが立て看板を持って補足説明するシーンをはさむのもいいかも。「宇宙●んちゃら●てつくん」で言えば「今日の●んちゃら雑学」みたいな感じです。
更にもっとはっちゃけて、いっそハリウッド版ゴジラみたいに「ゴジラと戦うぜ!」という物語のフレームだけ移植するとか。
これならその国の俳優さんとか文化背景がそのまま使えますですし。
「キャリフォルニア自治区」とか「フロリダ絶対要塞」みたいな土地をめぐりつつ、「ロッキー山脈を越えてアメリカ大陸を横断するディアヌスと、憧れのヌーヤークで対決するぅ!」みたいな熱いバトルが楽しめそうですね。
※※日本を守る物語として一生懸命作ってきましたが、本当に現代の神話をつむいでおられるのは、どんな苦難にも負けず立ち上がってきた皆様です。
『神代とは 遠き昔のことならず 今を神代と知る人ぞ神』と古い歌に詠まれたように、皆さん1人1人の勇気がきっと、日本神話の続きとして歴史に刻まれていくんでしょうね。
役立たずの作者ではありますが、少しでも皆さんの援護射撃になれたらいいなと思っています。
やだ、ガラにもなく真面目な事言おうとしてますわね……だがそれもまたよし!でしょう。
わけの分からない事ばかり書いていますが、とりあえず今思いつくのはこんな感じです。
あまり余計な事を言うと、女神様にグーで殴られるかも知れませんけど、ひとまず御礼申し上げます。
どうか皆さまとこの国の未来に、輝く幸せがありますように!!!
そしたら作者も、喜ぶ皆さんの隣でダブルピースしてますから!(女神様のグーパンチの気配を感じながら)
2022年12月 あさくらやたろう(BELL☆PLANET)(旧ペンネーム/アサクラ、くら太郎、しあわせの鐘etc)
『もちろん大傑作だったでしょう?』と語るつるちゃんのドヤ顔にドン引きしながら後書きを書いていますが、最後まで読んでくださったあなたには、きっといい事あるはずですよ。
それにしても、初期稿から数えて足かけ12年以上になる鶴ちゃんの大冒険……本当に長かった……!!
ナマケモノの作者が根性だけでラストまで書き上げたこの『新説・鶴姫伝! 日いづる国の守り神』が、今を生きる全ての人へのエールとなったら嬉しいです。
(『なるに決まってるわよ!』とドヤ顔連発のつるちゃんをご想像ください)
……なお話は変わりますが、最近とにかく「日本はオワコン」とか「この国はもう駄目だ」みたいな空気が蔓延していて、なんだか怖い感じです。
ほんとはまだ大丈夫なんじゃないでしょうか。みんなが力を合わせて絶望をうち払えば、幸せな未来を取り戻せるんじゃないでしょうか。
今では悪い事して当たり前、みたいに不祥事が続く世の中も、明治の開国期には(多少美化されているとしても)「俺たちが日本を復活させるんだ!」みたいなムードがあったはずですよね。
日本がピンチだったからこそ、その時代に生きるみんなに目的というか、真木柱があったはず。
じゃあ今はどうかといえば、明治に負けず劣らずの大ピンチです。
国家財務はズタボロ、政は大混乱。でも国だけじゃありません。
SNSは悪口やマウント合戦で埋め尽くされ、弱い人や貧しい人、見た目が優れていない人をしいたげて当然みたいになっています。
罪もない人にイタズラしたり、お店で迷惑行為する動画がバズれば勝ち。他人を挑発・論破して恥をかかせたら勝ち。
ふざけてお金をみせびらかす動画業ばかりがもてはやされ、日々社会を支えてくれている立派な仕事が「コスパ悪い」とバカにされる世の中。
(※動画業それ自体は悪い事ではありませんが、現実を支える多くの人が馬鹿らしくなったら、虚業の人にも危険な世の中になりますし)
人を言い負かしても勝ちでも何でもなく、恨みを買い続ければ最終的にマイナス面がまさって負け、と長い歴史で分かっているのに、何でその知恵をゼロに戻そうとしてるんでしょう
(四面楚歌で得をするのは、それを売りにできるカリスマだけですよね)
人より恵まれた暮らしをしていても、それをSNSで見せつければ不満を育て、やがて安心して暮らせない治安になると分かっているのに、何でそれを礼賛するんでしょう。
先祖代々の地主さんがお金をひけらかさないのは、嫉妬や恨みを買う恐さを知ってるからなのに……
どうして何も知らない子供達を、だまして破滅に向かわせてるんでしょう?
論破論破でいがみ合えば、全ての企業が機能不全になりますし、数十年後は最悪の経済破綻に陥ります。
人しか資源のない国において、『不和』はもっとも確実な国滅ぼしのおまじないであり、そんな地獄で嘆くのは、だまされた今の子供達です。
もう冗談抜きで末法の世ですし、国がまるごと沈没しそう。
その時は日本を捨てればいい、とそそのかす輩もいますが、後ろ盾の国が無くなった流民がどれだけ惨めで恐ろしい目にあうか、それも歴史が証明していますよね。
今みんなを煽り立てている人は、そのうちいなくなるはずです。
独身サイコー!と謳っていたカリスマ達がこっそり結婚し、表舞台から消えたように、気づいた時には怒りをぶつける相手すら姿を隠しているはず。
姿を隠せば、人間からは逃げられますからね。
……でも、でもですよ。これって逆に見せ場なのでは!?
確かに今はピンチですけど、ここからみんなで日本を立て直したら、それって歴史に残る偉業なのでは……!?
誰だって地獄みたいな未来になっていいと思う人はいないでしょうし、だったら今が引き返す最後のチャンスです。
あと少し経って、怖い価値観を持つ人が一定の割合を超えたり、その人たちが人を支配する世代になったらもう終わり。
とにかく何とかして今の絶望に進む流れを、この時代で終わらせる事が出来たら……未来の子供たちに「大丈夫だ、幸せな明日が待ってるぜ!」と言える道筋を残す事が出来たら……それってメチャクチャかっこいいですよ。
今ではホコリをかぶった正義ですが、
「あいつ汚職したのか! 金で魂売るとか、人として一番ださい!」
「世のため人のためになる事が一番カッコいいっしょ!」
「あの人は立派なリーダーね、自分の事だけじゃないわ!」
「弱い者虐めなんてダサ過ぎ! カッコ悪!」
「さすが横綱、気は優しくて力持ち! 本当に強い人は立派なのね!」
みたいな美学、ごくごく近世までありましたよね。
さすがにちょんまげ復活とまでは言いませんが、今の社会に合わせた『現代版・やわらか武士道』みたいな正義が戻ってきたら、きっと世の中良くなると思うんです。
だって国や社会の未来は、全部人の営みの結果なんですから!
作者自身はろくでもない人間ですが、それを全部棚上げした上で、出来る事からやっていきたいです。
いくら悪党の作者でも、さすがに未来の子たち全員を不幸にしようとは思いませんから。
↓なんか熱くなって変な感じになりましたが、ここからはいつものように補足ですよ!
※※なお、作中で女神姉妹が日本復活の呪文を唱えていますが、これは大和言葉や音読み・訓読みを気にせず単語を使っています。
本来なら神さまの言葉は大和言葉だけなのでしょうが、作中では普通に神様が現代語を駆使して若者と話しているので、そこで大和言葉オンリーにしても、逆に不自然だと思ったからです。
また、神様は本来「1柱」「2柱」と数えるのが普通ですが、作中ではケースバイケースで「お2人」とか「おふたかた」のようにお呼びする事もあります。
目の前に人と同じ姿の神様がいらっしゃるのに、杓子定規に「柱」というのはさすがにおかしいと思った次第ですの。
※※そういえば5章で、誠のお母さんがよく喫茶店でクリームソーダを食べるという設定がありました。
今時のスイーツを知らない芋っぽさを表現したかったのですが、最近は若者にレトロ喫茶やクリームソーダが人気らしく、特にダサくもない意味不明の設定になってしまいました。
若い子ってすごいですわね。
※※具体的な地名や町並みは出来るだけ書かないようにしている……とは以前のあとがきで書きましたが、同様に日付けも『某日』みたいにぼかす事が多いです。
これはその日が誕生日の人が嫌な気持ちになるかなと思ったためです。
(※絶対数字言わなきゃおかしいだろ、みたいなシーンでは書かないといけないと思いますが…)
また、敵役も出来るだけ現実にはいないような名前にしていますが、もしかぶってしまったらごめんなさい。
全部の人の名前を知っているわけではないので、こればっかりはどうしようもなく…
あなたを名付けた方の想像力が、作者のそれより凄かったという事ですので、悪しからずご容赦下さい。
ただ、特に天音は綺麗な名前なので、同じ名前の方が大勢いらっしゃるかもしれません。その場合はごめんなさい。
この子は皆に尊敬される本当に立派な聖女でしたし、悲しみが深すぎて壊れてしまっただけなので、「いかにも悪役」みたいな名を送りたくなかったのです。
鶴ちゃんと魂が合体してからの天音の人生は、きっと幸せいっぱいのものになったと思いますし、なってもらわなければ困ります。
本来はもっとお茶目な性格なので、幼い鶴と友達だったら、2人でいたずラッコーズを結成して岩凪姫を困らせてたりして。
※※仏教徒の方のために念のため。鬼神族の神である双角天は「天」が名前についていますが、梵天や帝釈天といった仏教天部とは全く関係ありません。
あの名前は「俺の2本の角が天を突くぜ!」みたいに威勢のいい意味で名乗っているだけです。
鶴や誠といった文字を名前に使っても、いい人もいれば悪い人もいるでしょうし、漢字が同じなのも偶然なのです。
また『権現』は神道と仏教が神仏習合した時の用語ですが、無明権現も仏様とは無関係です。
この神をあがめる獣人が、『権現』の響きがいいので勝手にそう呼び始め、神の方も「可愛いお前達が敬意を込めて呼ぶんだからそれでいいよ」と受け入れた形です。
鬼も獣人もとにかく派手好きですので、名前は音の響きがかっこいいかどうかを重視していて、あまり深く考えていないのです。
※※夜祖は結局最後まで自分の手で格闘戦をしませんでした。邪神の中では接近戦が強い方ではありませんが、決して戦えないわけではないです。
3章あとがきで書いた通り、夜祖は自ら戦うよりあの手この手の工作で勝つ事を是としていますし、子孫にもそう教えていますので、最後までそれを貫いた形です。
実際、夜祖自身が戦いに参加しなかった事で、戦況を見ながら2の手、3の手を打つことが出来ましたし、「夜祖がまた何かしてくるかも」という深層心理がイワナガヒメ様にあったからこそ、ある程度戦いが長引きました。
そうでなければあのラストバトルも圧倒的に女神有利で終わっていたでしょう。
熊襲御前もイワナガヒメ様が片手縛り+身のこなしでかわせない状況でなければ瞬殺でしたし、双角天だって本当に一対一であれば、最初の一撃を振りかぶった時点でカウンターで斬って捨てられています。そもそも無明権現が一太刀でやられたわけですから……
本気になった(※自分を憎まない事で全ての才能が開花した)ナギっぺはメチャクチャ強い、と鶴達が直感で恐れているのはこういうわけです。
無明権現を倒した時、一瞬女神の気がゆるんで夜祖の縄が当たりましたが、それまでは夜祖も女神にしかける隙がありませんでした。
(※神の体は霊気で出来ており、まして覚醒したイワナガヒメ様のパワーは半端ではないので、いくら夜祖の縄と言えど、霊気の多い胴体部分に巻きつけると一瞬で千切られてしまいます。
また例え手足の末端でも、ほんの数秒でも精神集中すれば、手足に霊気を送って縄を千切る事が可能ですし、もちろん神器の刀でも斬る事が出来ます。
だからあの油断した一瞬に腕の先端にドンピシャで縄を当て、しかも熊襲御前が迫っていたため縄を切る時間がない、というシチュエーションを作り出した夜祖は、ぶっちゃけ本当に恐ろしい敵だったと言えます)
陣営こそ違えど、夜祖は子孫を守るという一点においては立派な神ですし、知恵と勇気を愛する神です。
誠が笹鐘と気心が知れたように、もしかしたら夜祖も、日本の知恵の神様と仲良くなれたかもしれませんね。
※※戦いの話になったので余談ついでに。
ディアヌスが「自分が万全でもめんどくさい相手」のように話した邪神側の剣神と雷神を、諏訪大明神様は瞬殺しています。
これはもちろんお諏訪様が超強いのもありますし、自らの鎮座地である長野県が決戦地ですから、鎮座地ブーストで霊的強化がかかっていたのが大きいです。
ただそれ以前に、邪神達は高天原の光の気を大量に浴びて焼かれたため、少なからずダメージを受けて弱っていたのです。
そんな自分達のコンディションすら把握できずにいきがったので、お諏訪様は鼻で笑って叩き伏せたのです。
万全な状態ならお諏訪様やディアヌスほどではないにしろ、相当強い邪神2柱だったのは間違いありません。
なお「あの2人は鹿島大明神に匹敵する強さだぜ!」という評価は邪神達が勝手にしたもので、ほんとの鹿島様はもっともっと強いです。当たり前ですが日本最強の武神ですから。
お諏訪様と鹿島様の男のハイタッチはどうしても書きたかったシーンなので満足しています。ハイタッチというより叩きつけるような感じですけど、お互いを認め合う心は十分伝わったはずです。
※※1章あとがきで触れた、ハトではなくガンパチくんならではの見せ場とは、ラストバトルの千里眼との戦いの事です。
あの千里眼(※魂の本体のほう)が生きていたら、善なる神々が攻めあぐね、降臨時間がタイムアウトの可能性があったので、何がなんでも速攻で仕留めねばなりませんでした。
ただ、千里眼は見える相手に絶対に攻撃を当てるため、隠れる場所のない空から飛んでいくハトは相性が悪すぎます。
よって地上の障害物に隠れながら接近するガンパチくんでないとダメだったのです。
八幡様は『弓矢八幡』と呼ばれる弓道の神でもありますので、この神様こそ千里眼を倒すのに相応しいでしょう。
なお、八幡神社の本来の神使であるハト君は、続編で出そうと思っています。
※※あと作中にも書きましたが、神様は本来、直接名前を口にするのもおそれ多い存在です。
かけまくもかしこき、と神職さんが言うのはそういう意味ですし、行事で祝詞をお読みする際も、神さまの個人名ではなく「住吉の大神」「稲荷の大神」というふうにお名前を隠して唱えます。
それでもこの作品には、あえて神様の個人名を出しましたし、あえて神様を親しみやすく擬人化しました。
竜宮の女神様や厳島神社の女神様にも、恐れ多くもコンサートまがいの事をしていただきましたし、イワナガヒメ様にも百回ぶん殴られてもしょうがないぐらいの事を書いています。
けれど今の日本のピンチをかんがみた時、そうするのが正しいように思ったのです。
神さま自らが親しみやすいお姿となり、人々と一緒に泣いて笑って、この未曾有の危機を乗り越える物語にしたかったのです。
1章で岩凪姫が「この神器の鏡はよほどの非常事態にしか使ってはならないが、今がそのよっぽどなのだ」という趣旨の発言をしましたが、きっと今の現実もそうなんだと思います。
うまいこと言い訳をして誤魔化せたかどうかは分かりませんが、ダメだったら女神様のグーパンチでもくらいます。これはしゃーない…!
ただしこうした事情もあり、この物語は2部作となる予定です。
第1部はこの第1章~第6章まで……つまり、神様や聖者が大活躍し、人々と一緒に泣いて笑って日本を取り戻すまでの部分。
そして第2部は、そこから変わってしまった世界を舞台にします。
今まで神様の存在を信じていなかった人達が、実際にその姿・存在を見てしまった。知ってしまった。そうなると当然ただでは済みませんし、日本は大きく揺れ動くはずです。
第1部が神界の扉が開かれる物語とすれば、第2部は近すぎる存在となってしまった神と人がどういう未来を選ぶか、を描く物語だと思って下さい。
あくまで後日談のようなもので、お話のメインは第1部ですけども。
※※5章を読んでくれた知人から、夏木が犠牲になって可哀想という意見を聞きました。でも裏設定としては、ある意味夏木は生きています。
(ただでさえカオスなエンディングなので、本編で書く事でもないだろうと伏せました。外伝のような後日譚でいつか書きたいです)
岩凪姫が復活した時、お守りには夏木が女神を守ろうとした時の思いが(残留思念が)残っていました。分かりやすく言えば「大好き!」の思いです。
ごくごくわずかな思念ですが、岩凪姫(イワナガヒメ様)はそれを心の支えに最後の戦いを頑張れましたし、夏木の思いを身近に感じていたからこそ、熊襲御前に「出戻りの恥さらしめが」と煽られても、ひるまずに戦う事が出来たのです。
全身全霊で女神様を愛し、守ろうとした夏木の思いがあの戦いを勝利に導いたのですから、ラストバトルのMVPは、実は夏木だったのかも知れませんね。
ただ、そのままだとか弱い残留思念は消えてしまったのですが……
誠に明日馬の魂を合体させた時、こっそり夏木の思いも一緒に入れたのです。そうすれば消える事はありませんから。
これは完全に女神様の独断ですし、鶴ちゃんや他のみんなにも、口が裂けても言えません。言ったら恥ずかし過ぎますし。
世の人々を等しく扱わねばならない女神様ですが、命がけで自分を愛してくれた夏木の思念が目の前で消えていくのが、どうしても耐えられなかったのです。
だから誠が新しい日本で幸せになれば、夏木も幸せになれますし、女神様もそれを見守っていられます。
また、誠が今生を終えて神の使いの霊魂となったら、それこそ永久に一緒にいられるわけで、要するに女神様の可愛いワガママなのです。
その気持ちがつい漏れ出てしまったのが、6章の最後の「少し夏木に似てきたかな?」でした。
まったく女神様も乙女ですなあ、フフフ…
(おや、グーパンチの風圧が……)
なおトラウマを乗り越えて、毎日笑って過ごすようになった岩凪姫は本当に可愛いらしいというか、めっちゃ愛くるしいキャラクターになります。
ちょっと髪を揺らしながら鼻歌を歌い、機嫌よくお仕事したりして。
「お姉ちゃん、最近よく笑うわね」とサクヤ姫様に言われ、
「そ、それはだな。何千年も前の事でうじうじするのもあれだし、そろそろ私も笑おうと思ったのだ。でなければ、あいつに顔向け出来ないからな」
みたいな会話が浮かびます。
あと、夏木の思念を誠に入れたのがバレるシーンはこんな感じで。
思念が馴染んできた誠が、時々なぜか岩凪姫に見とれてしまって、
「まったく、女神に見とれるとはけしからん奴だ。まったく……」
と嬉しそうにしていると、サクヤ姫様が「おねえ……ちゃん……?」と笑顔で見ている。
ハッとして視線に気づいた岩凪姫が「ちち違うのだっ、これはその、違うのだっ!」と慌てるけど「お姉ちゃん?」と笑顔で問い詰められて。
最終的に「頼むぅっ、鶴達には言わないでくれぇええっっ!!!」と頼み込む感じでしょうか。
今は作者の脳内でしか動いていない女神様ですが、もし皆さんが彼女を見たら、きっと大好きになってくれると作者は思うのです!(超絶勝手な想像です)
※※めぐちゃんが作り慣れたはずの豚骨ラーメンを試作扱いしているのは、スープに猪の骨を使っているからです。
少数の豚は島に避難させて生き残っていますが、貴重過ぎてとても使えませんので、増えまくっている猪を使いました。
だからカノンが大三島で仕込んでいた猪チャーシューと相性ばっちりの味なのです。
なお、カノンが避難する時にもこのチャーシューを持っていたのは、4章で誠がピンチの時に干し飯ぐらいしか持ってなかった事を後悔したからですのよ。
※※また、北海道のタンチョウ鶴は一時期その数を減らしましたが、保護活動のおかげで少しずつ復活しています。
今では牛小屋に遠慮なく参上して牛のごはんをモリモリいただき、牛をおびえさせるぐらいのイタズラ者になったそうです。
実際のタンチョウがこんな感じですから、お伽話の鶴の恩返しも、「来たわ、私よ!」と強引にやってきて、適当にくつろいでいたのかもしれませんね。
※※未熟者の作者は、執筆中「こんな時どうすりゃいいんだ!」と思う事が多々ありました。
こんなメチャクチャなお話の手本なんてありませんでしたし、何もかもが手探りで分かりません。
そういう行き詰まった時は、天満宮さんにお参りしたり、お守りやグッズを買ってきてPCのキーボード周りに置いていました。
教えて下さいというのは図々しいので、参拝中はわりかし無心でしたが、それでも書き上げられたのは、天神様や神使のモウちゃんのおかげでしょう。
だから本当は天神様にもご登場いただきたかったのですが、その場合夜祖との知恵比べにも負けないので、あらゆる敵の罠が空振りになります。そうなるとお話として成り立たないので、どウシてもご登場いただけませんでした。
だから作者的には、天神様は知恵の神様として他の神々に頼られ、大事な役目を担っていて来られない、という事にしています。
もし作者の実力以上に、奇跡的に光る内容があればそれは天神様が(見かねて)加筆して下さったものでしょうが、至らない部分があれば、それは当然作者が書いた所ですよ!
また絵に関しても、全く何も描けない状態から練習し、それから人生初のキャラデザインをして、という有り様でしたので、やっぱり発狂寸前でした(してたかも……してたでしょうね)
こちらは芸術の神様である弁天様の、つまり厳島神社のお守りを買ってきて練習しました。
もちろん向き不向きがあり、やはり絵は描けないと分かりましたし、より絵描きさんや漫画家さんを尊敬(畏怖?)するようになりましたが……
それでもこんな作者が最低限のキャラデザインを出来たのは、やはり弁天様のおかげだと思います。こちらも感謝です!
なお、厳島の女神三姉妹の末っ子・湍津姫様はワイルドな感じで岩凪姫と少し似ていますが、中身は全然違って、湍津姫様はお父さんのスサノオ様の武勇にあこがれ、ご自身のそういうファッションも気に入っています。
逆に岩凪姫の場合、ぜんぜん・まったく強そうに見られたくないのに、有り余る武の素質で周囲から怖がられまくってしまう……という悲しい結果になっているのです。
あと厳島神社の女神様は、本来は九州の宗像大社が本拠地(総本社)とされていますが、作中では陸が餓霊に支配されているため、海上にある厳島の方をクローズアップしました。
3章の源氏方が鶴岡八幡宮、平家方が厳島神社、という図式もありますし、これで良かったと思います。
でも本家の宗像大社もメッチャいい感じで大好きです。九州はおいしいものが多いですし、何度でも行きとうございます。でも行くたびに太りますですわ。
でもうまいからそれでよし!
※※災害をテーマにした物語なので、あまり現実の地名を書くと地元の方が気を悪くされるかもしれませんが……このお話の第1章は、香川県の荘内半島付近から始まりました。誠達が最初の戦闘をした場所です。
(実在の道路や町並みは描写すると良くないので、未来に増設されたり区画整理された架空の町並みが壊れていると思ってください)
どうしてそこから始まったかと言いますと、この半島の西側にはイワナガヒメ様を祀る磐長姫神社が、そして東側には船越八幡さんの摂社であり、サクヤ姫様を祀る木村神社があります。
作中で誠達を見守る両女神が祀られた荘内半島から日本復活の物語がスタートし、追い詰められた人間達は、かつて八幡様を運ぶ船が着いたこの土地から船で脱出する。
更には500年を経て現代に復活した鶴姫と、この土地の浦島太郎伝説に時を駆ける類似点があるし、浦島太郎伝説には、ラストに鶴になって飛んでいくバリエーションもある。
なので、テーマ的にすごくおさまりがいい土地なんです。
だからこそこの物語は荘内半島の近くから始まりましたし、物語の最期には、時を越えて両岸の女神姉妹が手を取り合うかのように、向き合って日本再生の呪文を唱えました。
始まりと終わりを同じにする『往還』的な裏設定ですが、そうする事で日本の歴史の光と影の縮図のような女神姉妹が、お二方とも幸せになれるような気がしたのです。
特に悲しい思いをされたイワナガヒメ様がみんなの人気者になった事で、一度はどん底に沈んだ日本が復活する象徴となった次第です。
だから決して子供の頃に仁尾サンビーチで遊んで楽しかったからとか、泳いだ後のうどんがおいしかったからとかいう個人的な理由ではないのです!!
※※※また、当作品は皆様が普段お参りされている普通の神社、そして普通のお寺以外の宗教とは一切関係ありません!
神話を扱う以上、どうしても何かの新興宗教やセミナーなどと扱う単語や漢字、人名などがかぶる事もあると思いますが、それは全くの偶然ですのでご注意下さい!
取り越し苦労とは思いますが、もし万が一この作品をきっかけに危険な宗教やセミナーにはまり、不幸になる方が出るといけませんので、そこだけは念のためご注意下さいね。
普通の神社やお寺さんにおいで下さるなら作品的にも大歓迎ですし、神使達も大喜びですよ!
ただ最近は、海外の人が税金対策で神社仏閣を買い取って所有しているひどいケースもあるようで。
それは宗教法人制度の趣旨を外れていますし、日本の神様を人質にとられてるみたいで腹立つなあ。
※※できるだけ多くの方に楽しんでもらえるように、と思って書きましたが、文章をどのぐらいまで詳しくするのか非常に苦しみました。
最近は漫画やアニメでも、状況を全部セリフ等で説明するのが主流ですし……かといって書き過ぎても大人の読者さんが情報過多と感じるでしょうし。
書いても書いても「これじゃ伝わらないかな」「さすがに説明がくどい、やり過ぎ」と直す事の連続で、自分の文章が分からなくなりそうでした。
このあたり、他の作者さんはどう考えていらっしゃるんでしょうね。
※※なお、まさか海を隔てた読者がおられるとは思いませんが、この作品は海外の方がそのまま翻訳して読むには適しておりません。つるちゃんが日本語の微妙な言い回しをしたり、日本の歴史などの国内ネタを中心にギャグパートを構成していますので。
言葉の微妙な言い回しなんて、ネイティブの人以外面白いと思えないでしょうし、そもそも「弁慶」や「源平」といった歴史の基礎知識がないと楽しめないので、海外の方には辛いでしょう。特にヒカリのコシヒカリトークなんてもうね、翻訳どうするんだって話でね。
外国の方にも受けるのは、チャップリン映画とかネズミが猫に噛みつくアニメのように動作で笑わせる物、または人類普遍的な要素というのが定番ですし、そうでない作品が国境や文化を越えるには、それなりの修正パッチが必要でしょう。
例えばヒカリのコシヒカリトークみたいに訳せないものは、●ターウォーズのお姫様のセリフのようにコメディタッチで吹き替えるとか。
ヒカリが恋愛を匂わせる → 雪菜がくいつく → 適当に長ったらしい台詞をペラペラ喋って、雪菜が混乱してきたら「冗談だよ」とずっこけさせる。
(コメディ系の吹き替え洋画には、声優さんがアドリブのマシンガントークをガンガンいれた物があって面白いです)
また、弁慶とか源平みたいな日本固有の単語が出てきたら、コマが読者に説明する注釈を入れたり。映像の場合はコマが立て看板を持って補足説明するシーンをはさむのもいいかも。「宇宙●んちゃら●てつくん」で言えば「今日の●んちゃら雑学」みたいな感じです。
更にもっとはっちゃけて、いっそハリウッド版ゴジラみたいに「ゴジラと戦うぜ!」という物語のフレームだけ移植するとか。
これならその国の俳優さんとか文化背景がそのまま使えますですし。
「キャリフォルニア自治区」とか「フロリダ絶対要塞」みたいな土地をめぐりつつ、「ロッキー山脈を越えてアメリカ大陸を横断するディアヌスと、憧れのヌーヤークで対決するぅ!」みたいな熱いバトルが楽しめそうですね。
※※日本を守る物語として一生懸命作ってきましたが、本当に現代の神話をつむいでおられるのは、どんな苦難にも負けず立ち上がってきた皆様です。
『神代とは 遠き昔のことならず 今を神代と知る人ぞ神』と古い歌に詠まれたように、皆さん1人1人の勇気がきっと、日本神話の続きとして歴史に刻まれていくんでしょうね。
役立たずの作者ではありますが、少しでも皆さんの援護射撃になれたらいいなと思っています。
やだ、ガラにもなく真面目な事言おうとしてますわね……だがそれもまたよし!でしょう。
わけの分からない事ばかり書いていますが、とりあえず今思いつくのはこんな感じです。
あまり余計な事を言うと、女神様にグーで殴られるかも知れませんけど、ひとまず御礼申し上げます。
どうか皆さまとこの国の未来に、輝く幸せがありますように!!!
そしたら作者も、喜ぶ皆さんの隣でダブルピースしてますから!(女神様のグーパンチの気配を感じながら)
2022年12月 あさくらやたろう(BELL☆PLANET)(旧ペンネーム/アサクラ、くら太郎、しあわせの鐘etc)
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