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第1章 夢と現実
しおりを挟む「カキーン」金属音が鳴る。
放物線を描きながら青空に打ち上がる白球
炎天下の下、白球を追いかける球児たち
僕は幼い頃から野球に熱中していた。
プロ野球選手になって高級車に乗って高級マンションに住む。
僕の将来の夢はプロ野球だ。
幼い頃から運動神経は良い方で、僕はプロ野球選手になれるものだと思っていた。
しかし現実はそう甘くない。
僕は高校卒業と同時にプロ野球選手という夢を諦めた。
高校卒業後は大学進学を選んだが
人生のほとんどの時間を野球に費やしてきた為、勉強なんてものは苦手中の苦手だ。
そんな僕は呆気無く大学を中退した。
大学を中退して1人で就職活動を始めたが
今の時代は学歴がモノを言う世界だ。
どの会社も大卒者を対象として求人をしている。
それから僕は中小企業に就職した。
それからというものは
朝起きて会社に出勤し仕事を行い夜帰宅して就寝する。
そんな毎日だ。
僕が夢に見ていた「プロ野球になって高級車に乗って高級マンションに住む」
そんな夢とは真逆の生活
車は中古車、築30年のリフォーム済みのマンションの部屋を借りるので精一杯だ。
そんな平凡な日常を送っていたが
あの日、僕は運命の人と出会うことになるとは思いもしなかった。
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