29 / 203
生徒会勧誘編
推薦基準①
「結局神奈月先輩がいなかったから聞けなかった」
夜、夕飯を食べながら俺は梨音に話した。
今日はサバの味噌煮定食。
梨音が作ったものだが、相変わらず美味い。
どんどん料理が上手くなるなこいつ。
「ふーん。生徒会長も大変なのね」
「な。でも次期会計になるやつとなら話したぜ。俺達と同じ1年生で3組にいる前橋きいって奴」
「会計も埋まってるんだ。もしかしたら私が入れるような枠はもうないかもしれないね」
「他に空いてるのは書記ぐらいか? 他に役職があるのか分からん」
「その時は仕方ないね。修斗だけで生徒会に入りなよ。その会計の子とも知り合いになったんでしょ?」
「でもやっぱ梨音と一緒に入りてーじゃん」
「そ、そう……?」
「明日もう一回アタックしてみるかぁ」
一応、前橋にも伝えといてもらうようにお願いしたけど、その返答がいつくるか分からないしな。
「…………何でニヤケてんだよ」
「べっ、別にニヤけてないし!」
「いくら自分の作った飯が美味いからって、さすがにそれはないわ」
「だから違うって言ってるじゃん!」
───────────────────────
「お、生徒会長じゃん」
次の日、昼休みになると神奈月先輩の方から俺のクラスにやって来た。
放課後に行こうと思っていたのに申し訳ないな。
「キイから連絡をもらったよ。私に話があるみたいだね」
「わざわざすいません。後でこちらから伺おうかと思ってたんですが」
「別に気にすることはないよ。高坂君を誘っているのは私の方だからね。それで、話っていうのは公の場で話しても恥ずかしくないやつかい?」
「当たり前でしょうが」
何の話をすると思ってるんだ。
女子の先輩を呼びつけていきなり猥談でも話し始めたら頭ぶっ飛んでると思われるだろ。
ただでさえ色んな意味で目立ってるんだから、これ以上変なことできるか。
「とはいえここで話すのは嫌なんで廊下でもいいですか?」
「おい何でだよ。親友である俺様にも聞かせろ」
「親友になった覚えはないんだが」
「ニノだって聞きたいよな?」
「全然」
「ニノ!!」
あっさり裏切られてんじゃねーか。
もうちょっと打ち合わせしてから絡んでこいや。
俺は神奈月先輩を教室の外に連れ出し、落ち着いて話ができる環境に逃げた。
「話、というのは生徒会に入るか否かということだよね。何が聞きたいんだい? なんでも聞きたまえ!」
ドンと胸を張る生徒会長。
「一つは生徒会の活動について。学校行事の際に裏方として動くぐらいのことは知ってるんですけど、具体的にどんなことをやるんですか?」
「そうだね、主に生徒会の役割としては『生徒側と学校側を繋ぐ存在』だと思ってもらえればいい。例えば学校の備品を買い換えたいという意見がある場合、生徒会が代表として学校側に提案する形になる。一例だけど、中学生時代に目安箱なんてものを目にしたことはないかい?」
そういえば中学の時にそんなものが設置されていたような……?
でもアレ使ってる人なんているのか?
「あったような気もします」
「無ければ無いで構わないんだけど、生徒側の要望を学校側に伝えるのが生徒会。その他にも、有名な講師の人を学校に呼んで講演会を開いたりする企画を考えたり。要は学校を生徒にとってより良いものにするための存在が生徒会さ!」
なるほど。
本当に裏方って感じだな。
話を聞く限りでは割と面白そうだ。
っと、それともう一つ聞くことがあるんだった。
「もう一つお聞きしたいんですが」
「私のスリーサイズ?」
「生徒会に立候補できる役職って他に空いてます?」
「わぉ無視だ。大鳥君とは違うね」
無視する以外の選択肢ないでしょ。
触れたら負けだろその質問。
「空いてないこともないけど、庶務じゃ不満かい?」
「いや、俺じゃないんですけど、一緒に生徒会入りたいって言ってるやつがいるんですよ」
「本当かい? もちろん構わないけど、空いてる席というのが実は広報なんだ。しかしこれにはとても厳しい審査基準があってね…………!」
「難しいということですか?」
「いやいやいや。とりあえず呼んできてもらえないかい? 実際に私が判断したい」
そもそも生徒会って生徒会長の推薦で決まるんだっけ?
あまり詳しく分からないけど、この人に楯突いたりすると俺が消されそうになるほど権力持ってそうなので大人しく梨音を呼びに行った。
「梨音ー」
「あ、戻ってきた」
梨音は八幡とご飯を食べているところだった。
その反応からすると神奈月先輩がクラスに来たことを知っていたみたいだな。
話が早くて助かる。
「ちょっと神奈月先輩が呼んでるから来てくんね?」
「うん、いいよ」
「悪い八幡、ちょっと梨音借りてく」
「借りるどころか貰ってっていいよ」
「も、貰うってちょっと!」
「おう貰ってくわ」
「ちょっと!!」
俺は梨音を連れて神奈月先輩のところへと戻った。
果たして梨音が神奈月先輩のお眼鏡にかなうかどうかだな。
基準がどうなってるのか分からないが、俺を推薦するようなぶっ飛んだ基準だからなんとも言えない。
「先輩、若元梨音といって俺のクラスメイトなんですけど───」
「採用!!!!」
「「えええええええ!?」」
はええよ!!
出会って2秒で採用!?
どんな判断基準!?
「広報とはすなわち生徒会の顔! つまり容姿が整っている人こそ相応しい。それこそ私みたいな!」
やかましいわ。
「その点、若元さんは完璧!! 学校のパンフに載ってもおかしくない可愛らしい容姿! スタイル! 完璧だよ高坂君!」
「ほ、褒められたんだよね、私。やったー」
やっぱこの人の推薦基準ぶっ飛んでるよ絶対。
夜、夕飯を食べながら俺は梨音に話した。
今日はサバの味噌煮定食。
梨音が作ったものだが、相変わらず美味い。
どんどん料理が上手くなるなこいつ。
「ふーん。生徒会長も大変なのね」
「な。でも次期会計になるやつとなら話したぜ。俺達と同じ1年生で3組にいる前橋きいって奴」
「会計も埋まってるんだ。もしかしたら私が入れるような枠はもうないかもしれないね」
「他に空いてるのは書記ぐらいか? 他に役職があるのか分からん」
「その時は仕方ないね。修斗だけで生徒会に入りなよ。その会計の子とも知り合いになったんでしょ?」
「でもやっぱ梨音と一緒に入りてーじゃん」
「そ、そう……?」
「明日もう一回アタックしてみるかぁ」
一応、前橋にも伝えといてもらうようにお願いしたけど、その返答がいつくるか分からないしな。
「…………何でニヤケてんだよ」
「べっ、別にニヤけてないし!」
「いくら自分の作った飯が美味いからって、さすがにそれはないわ」
「だから違うって言ってるじゃん!」
───────────────────────
「お、生徒会長じゃん」
次の日、昼休みになると神奈月先輩の方から俺のクラスにやって来た。
放課後に行こうと思っていたのに申し訳ないな。
「キイから連絡をもらったよ。私に話があるみたいだね」
「わざわざすいません。後でこちらから伺おうかと思ってたんですが」
「別に気にすることはないよ。高坂君を誘っているのは私の方だからね。それで、話っていうのは公の場で話しても恥ずかしくないやつかい?」
「当たり前でしょうが」
何の話をすると思ってるんだ。
女子の先輩を呼びつけていきなり猥談でも話し始めたら頭ぶっ飛んでると思われるだろ。
ただでさえ色んな意味で目立ってるんだから、これ以上変なことできるか。
「とはいえここで話すのは嫌なんで廊下でもいいですか?」
「おい何でだよ。親友である俺様にも聞かせろ」
「親友になった覚えはないんだが」
「ニノだって聞きたいよな?」
「全然」
「ニノ!!」
あっさり裏切られてんじゃねーか。
もうちょっと打ち合わせしてから絡んでこいや。
俺は神奈月先輩を教室の外に連れ出し、落ち着いて話ができる環境に逃げた。
「話、というのは生徒会に入るか否かということだよね。何が聞きたいんだい? なんでも聞きたまえ!」
ドンと胸を張る生徒会長。
「一つは生徒会の活動について。学校行事の際に裏方として動くぐらいのことは知ってるんですけど、具体的にどんなことをやるんですか?」
「そうだね、主に生徒会の役割としては『生徒側と学校側を繋ぐ存在』だと思ってもらえればいい。例えば学校の備品を買い換えたいという意見がある場合、生徒会が代表として学校側に提案する形になる。一例だけど、中学生時代に目安箱なんてものを目にしたことはないかい?」
そういえば中学の時にそんなものが設置されていたような……?
でもアレ使ってる人なんているのか?
「あったような気もします」
「無ければ無いで構わないんだけど、生徒側の要望を学校側に伝えるのが生徒会。その他にも、有名な講師の人を学校に呼んで講演会を開いたりする企画を考えたり。要は学校を生徒にとってより良いものにするための存在が生徒会さ!」
なるほど。
本当に裏方って感じだな。
話を聞く限りでは割と面白そうだ。
っと、それともう一つ聞くことがあるんだった。
「もう一つお聞きしたいんですが」
「私のスリーサイズ?」
「生徒会に立候補できる役職って他に空いてます?」
「わぉ無視だ。大鳥君とは違うね」
無視する以外の選択肢ないでしょ。
触れたら負けだろその質問。
「空いてないこともないけど、庶務じゃ不満かい?」
「いや、俺じゃないんですけど、一緒に生徒会入りたいって言ってるやつがいるんですよ」
「本当かい? もちろん構わないけど、空いてる席というのが実は広報なんだ。しかしこれにはとても厳しい審査基準があってね…………!」
「難しいということですか?」
「いやいやいや。とりあえず呼んできてもらえないかい? 実際に私が判断したい」
そもそも生徒会って生徒会長の推薦で決まるんだっけ?
あまり詳しく分からないけど、この人に楯突いたりすると俺が消されそうになるほど権力持ってそうなので大人しく梨音を呼びに行った。
「梨音ー」
「あ、戻ってきた」
梨音は八幡とご飯を食べているところだった。
その反応からすると神奈月先輩がクラスに来たことを知っていたみたいだな。
話が早くて助かる。
「ちょっと神奈月先輩が呼んでるから来てくんね?」
「うん、いいよ」
「悪い八幡、ちょっと梨音借りてく」
「借りるどころか貰ってっていいよ」
「も、貰うってちょっと!」
「おう貰ってくわ」
「ちょっと!!」
俺は梨音を連れて神奈月先輩のところへと戻った。
果たして梨音が神奈月先輩のお眼鏡にかなうかどうかだな。
基準がどうなってるのか分からないが、俺を推薦するようなぶっ飛んだ基準だからなんとも言えない。
「先輩、若元梨音といって俺のクラスメイトなんですけど───」
「採用!!!!」
「「えええええええ!?」」
はええよ!!
出会って2秒で採用!?
どんな判断基準!?
「広報とはすなわち生徒会の顔! つまり容姿が整っている人こそ相応しい。それこそ私みたいな!」
やかましいわ。
「その点、若元さんは完璧!! 学校のパンフに載ってもおかしくない可愛らしい容姿! スタイル! 完璧だよ高坂君!」
「ほ、褒められたんだよね、私。やったー」
やっぱこの人の推薦基準ぶっ飛んでるよ絶対。
あなたにおすすめの小説
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。