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生徒会勧誘編
業務連絡①
次の日、俺は神奈月先輩から週末の土曜日にフットサルをやることが決定したと連絡を受けた。
時間は13時から1時間、場所はうちの高校と漆間高校のちょうど間くらいにある河川敷近くのフットサルコート。
人数が少ないので1時間だけ、という判断らしい。
「というわけで、俺はもう今から楽しみでしょうがない」
「良かったじゃねーか。こんな生き生きしてる修斗初めて見たな」
昼休み、俺は飯を食いながら新之助とニノにフットサルがあることを話した。
なんていうか、誰かに話したくてしょうがなかったんだ。
「いつもはもっと死んだ魚みたいな目してるよね」
「なんだニノ、今日の毒は一段と強力だな」
純粋では誤魔化しきれないほどの悪意、許さん。
「生徒会のメンバーでってことだよな。マジで生徒会入るんだな」
「まだ仮だっての。入ると決めたわけじゃねぇ」
「でもそこまでお膳立てしてもらったら入らないわけにはいかねーだろ」
「まぁ…………それはな」
実際、俺の中ではほとんど答えは出ている。
結局のところサッカー以外にやりたい選択肢が俺には無かった。
だとすれば暇な時間を作るよりも、何かに所属して高校生活を楽しむのはアリだと思う。
「ちなみにどこでやるんだ?」
「近くの河川敷だってよ。フットサルコートがあるみたいだ」
「なるほどな。何時から?」
「13時…………って何でそこまで聞くんだよ」
「別に深い理由はねーよ」
「…………お前まさか来るつもりじゃねーだろうな」
俺が訝しむように聞いた。
勢いで答えてしまったが、結局どの部活にも入らず帰宅部してる新之助のことだ、冷やかしがてら来るかもしれない。
「ばっか俺がそんな暇なわけねーだろ! わざわざ修斗の試合なんか見に行くかよサッカー詳しいわけでもねーのに!」
「言い方は気に食わないが、そうだよな」
流石に俺の考えすぎだったみたいだ。
休みの日にわざわざ知り合いのフットサルを見に来るような奇特な奴なんかいないよな。
「まぁ、他の人は知らんけど」
「は?」
その時、廊下をドタタタタタと慌ただしく走ってくる音がしたかと思えば、教室の扉が勢いよく開いた。
「高坂っち! ふ、フットサルの試合やるって、ホント!?」
桜川だった。
桜川が息を切らして額に若干の汗をかきながら教室に入ってきた。
周りのクラスメイト達は何事かと一瞬驚いていたが、桜川だと分かるやいなや「何だいつものか……」と気にすることなく会話を続けていた。
さすがに皆んな慣れ過ぎだろ……。
「ねぇ!? マジ中のマジ!?」
「マジ中のマジだけど……何で桜川が知ってんだよ」
「思ったより来るの早かったなー桜川」
「佐川っち、ナイス情報」
やっぱり犯人はお前か新之助……!
桜川もグッ、じゃねーよ!
「足は大丈夫なの!? 何でフットサルやることになったの!? サッカーは流石に無理!?」
「だー! 後でまとめて話すから落ち着けって!」
矢継ぎ早に質問を繰り返す桜川を一旦落ち着かせ、とりあえず近くの空いていた席を持ってきてニノの隣に座らせた。
「隣、ごめんねー」
「…………う、うん」
「おいおいニノよ、相変わらず人見知りする奴だなー。桜川は凄い良い奴で、修斗の大ファンってだけだから安心しろー。取って食ったりしないから」
女の子の紹介としてそれはどうなんだ。
「べ、別に人見知りしてないし」
と言ってるニノの顔は一度も桜川の方を向いていない。
強がりなのがバレバレ過ぎる。
「で、フットサルやるっていうのは?」
「生徒会の催し物みたいなもので、他校の生徒会のメンバーとフットサルやるってだけだよ」
「じゃあ週末土曜日の13時に河川敷近くのフットサルコート行けば、高坂っちがボール蹴ってるところが見れるわけだね!?」
「わざわざ見に来なくていいって。1時間しかやらないんだからよ」
「高坂っちの晴れ舞台じゃん! 見に行かないわけにはいかないでしょ!」
「オカンなの?」
「じゃあ俺も修斗の保護者として見に行こう!」
「お前はオトンか?」
「そうすると僕は『怪我してサッカーを出来なくなった幼馴染のリハビリに付き合いながらも、いつかサッカーできる日が来ることを信じていて、遂にフットサル程度ならすることができるようになった幼馴染の応援に来た女の子』をやるよ」
「設定が細けぇ!! お前なんか友人Aで十分じゃ!」
だいたいその設定に近い奴なら実際にいるっつーの!!
今はこの教室にいねーけど!!
「とりあえず私は行くから! なんならサンドイッチとか作っていくから!」
「もうピクニックじゃん」
「いや、やっぱり通い妻だろ」
「そんな佐川っち…………通い妻とか……!」
頬を押さえてないで否定しろ否定を。
浮かれて不用意に新之助達に話すんじゃなかったな。
ギャラリーが来るなんて、神奈月先輩達がどう思うか…………いや、あんまり気にしなさそうだなあの人は。
むしろ注目を浴びていきたいタイプの人にも見える。
時間は13時から1時間、場所はうちの高校と漆間高校のちょうど間くらいにある河川敷近くのフットサルコート。
人数が少ないので1時間だけ、という判断らしい。
「というわけで、俺はもう今から楽しみでしょうがない」
「良かったじゃねーか。こんな生き生きしてる修斗初めて見たな」
昼休み、俺は飯を食いながら新之助とニノにフットサルがあることを話した。
なんていうか、誰かに話したくてしょうがなかったんだ。
「いつもはもっと死んだ魚みたいな目してるよね」
「なんだニノ、今日の毒は一段と強力だな」
純粋では誤魔化しきれないほどの悪意、許さん。
「生徒会のメンバーでってことだよな。マジで生徒会入るんだな」
「まだ仮だっての。入ると決めたわけじゃねぇ」
「でもそこまでお膳立てしてもらったら入らないわけにはいかねーだろ」
「まぁ…………それはな」
実際、俺の中ではほとんど答えは出ている。
結局のところサッカー以外にやりたい選択肢が俺には無かった。
だとすれば暇な時間を作るよりも、何かに所属して高校生活を楽しむのはアリだと思う。
「ちなみにどこでやるんだ?」
「近くの河川敷だってよ。フットサルコートがあるみたいだ」
「なるほどな。何時から?」
「13時…………って何でそこまで聞くんだよ」
「別に深い理由はねーよ」
「…………お前まさか来るつもりじゃねーだろうな」
俺が訝しむように聞いた。
勢いで答えてしまったが、結局どの部活にも入らず帰宅部してる新之助のことだ、冷やかしがてら来るかもしれない。
「ばっか俺がそんな暇なわけねーだろ! わざわざ修斗の試合なんか見に行くかよサッカー詳しいわけでもねーのに!」
「言い方は気に食わないが、そうだよな」
流石に俺の考えすぎだったみたいだ。
休みの日にわざわざ知り合いのフットサルを見に来るような奇特な奴なんかいないよな。
「まぁ、他の人は知らんけど」
「は?」
その時、廊下をドタタタタタと慌ただしく走ってくる音がしたかと思えば、教室の扉が勢いよく開いた。
「高坂っち! ふ、フットサルの試合やるって、ホント!?」
桜川だった。
桜川が息を切らして額に若干の汗をかきながら教室に入ってきた。
周りのクラスメイト達は何事かと一瞬驚いていたが、桜川だと分かるやいなや「何だいつものか……」と気にすることなく会話を続けていた。
さすがに皆んな慣れ過ぎだろ……。
「ねぇ!? マジ中のマジ!?」
「マジ中のマジだけど……何で桜川が知ってんだよ」
「思ったより来るの早かったなー桜川」
「佐川っち、ナイス情報」
やっぱり犯人はお前か新之助……!
桜川もグッ、じゃねーよ!
「足は大丈夫なの!? 何でフットサルやることになったの!? サッカーは流石に無理!?」
「だー! 後でまとめて話すから落ち着けって!」
矢継ぎ早に質問を繰り返す桜川を一旦落ち着かせ、とりあえず近くの空いていた席を持ってきてニノの隣に座らせた。
「隣、ごめんねー」
「…………う、うん」
「おいおいニノよ、相変わらず人見知りする奴だなー。桜川は凄い良い奴で、修斗の大ファンってだけだから安心しろー。取って食ったりしないから」
女の子の紹介としてそれはどうなんだ。
「べ、別に人見知りしてないし」
と言ってるニノの顔は一度も桜川の方を向いていない。
強がりなのがバレバレ過ぎる。
「で、フットサルやるっていうのは?」
「生徒会の催し物みたいなもので、他校の生徒会のメンバーとフットサルやるってだけだよ」
「じゃあ週末土曜日の13時に河川敷近くのフットサルコート行けば、高坂っちがボール蹴ってるところが見れるわけだね!?」
「わざわざ見に来なくていいって。1時間しかやらないんだからよ」
「高坂っちの晴れ舞台じゃん! 見に行かないわけにはいかないでしょ!」
「オカンなの?」
「じゃあ俺も修斗の保護者として見に行こう!」
「お前はオトンか?」
「そうすると僕は『怪我してサッカーを出来なくなった幼馴染のリハビリに付き合いながらも、いつかサッカーできる日が来ることを信じていて、遂にフットサル程度ならすることができるようになった幼馴染の応援に来た女の子』をやるよ」
「設定が細けぇ!! お前なんか友人Aで十分じゃ!」
だいたいその設定に近い奴なら実際にいるっつーの!!
今はこの教室にいねーけど!!
「とりあえず私は行くから! なんならサンドイッチとか作っていくから!」
「もうピクニックじゃん」
「いや、やっぱり通い妻だろ」
「そんな佐川っち…………通い妻とか……!」
頬を押さえてないで否定しろ否定を。
浮かれて不用意に新之助達に話すんじゃなかったな。
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むしろ注目を浴びていきたいタイプの人にも見える。
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