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生徒会勧誘編
試合開始③
パス交換の練習を俺は同じサッカー経験者である前橋と行いながら、会話のパス交換も行っていた。
「前橋もサッカーやるのは久しぶりなんじゃないか?」
「2ヶ月ぶりぐらい……」
「やっぱ経験者だけあって止めて蹴る動作は完璧だな。でもちょっと体硬くね? 久しぶりの試合で緊張してんの?」
「ちがっ…………高坂とパス交換なんて…………できると思わなくてごにょごにょ…………」
「ん?」
「なんでもない」
まぁ試合が始まれば体の緊張もほぐれるだろう。
俺以外にボールをキープできる奴がいるのは非常に助かる。
相手の経験者とやらがどのレベルか分からないからな。
フットサル経験者というだけで、既に俺よりもアドバンテージはあるわけだし。
「足は……?」
「ダッシュは無理だな。でもこの小さいコートでダッシュなんてあまりしないだろうし、ボールも強く蹴る必要は無いはずだからいけるさ」
「ふーん…………カバーは私に任せて」
「おう。任せた」
俺が親指を立てて合図を送ると、前橋はほんのりと笑った。
「キイ、高坂君、そろそろミーティングをやるよ!」
「ミーティングって大袈裟な」
俺と前橋はパス交換をやめ、神奈月先輩のところへと集合した。
「まず、スターティングメンバーを発表する!」
「それ言いたかっただけでは?」
「6人しかいないのにね~」
「まずGKは大鳥君、きみだ!」
ビシッと大鳥先輩が指を差された。
意外そうな顔をしていないことから、なんとなく自分がGKをやるんじゃないかと予想していたみたいだ。
「一番強いボールが飛んできますもんね。それに僕はあまり運動が得意ではないですから」
「体を張って贄となってくれ」
「いや言い方」
大鳥先輩にボールが強打しているのを見たら、神奈月先輩が一番爆笑していそうだ。
不憫なり、大鳥先輩。
「そしてフィールドはダイヤモンド方式のポジション! 一番後ろに天才かつ絶対神こと私!」
「設定盛りすぎでは?」
大鳥先輩の指摘には触れずに、そのままポジション発表を続けた。
「左はニーナ!」
「は~い」
新波先輩が楽しそうに手を挙げた。
この人はどうなんだろう。
運動とかあまり得意そうには見えないが……。
「ニーナは見た目通り運動神経は鈍ちんだ」
「そんなことないですよ~」
「だがニーナには兵器と呼べるものがある!」
兵器?
「その無駄に成長した二つの脂肪を揺らして敵の注意を逸らしてくれ」
「え~?」
みんなの目が一斉に新波先輩の豊満な胸へと注がれた。
もちろん俺も。
「修斗!」
「いや不可抗力! ダイソン並みの吸引力だったんだ梨音!」
どんな言い訳してるんだ俺。
パニクってる場合じゃないぞ。
「みんなと変わらないですよ~」
と言いながらも揺れる胸。
その一言で多くの女子が心を貫かれ、沈黙を貫いた。
「とまあ、威力は証明できたわけで」
「悪魔かこの人」
「右はキイ、任せたよ」
「……はい」
あ、前橋はまだ胸の件でダメージ受けてるっぽい。
やっぱそういうのも気にするのな。
「そして一番前が高坂君、きみだ」
「はい」
「ハッキリ言ってウチは戦術高坂と言っても過言ではない。何も気にすることなく、一人で点を取ってきてくれ。キイが上手くサポートに入ってくれるはずだよ」
「了解です!」
「……任せて」
俺は力強く頷いた。
期待を背負うことには慣れている。
後は期待に応えられるように頑張るだけだ。
「若元さんは控えとしてもしもの時頼むね」
「はい!」
「桜川さん、精一杯の応援お願いするよ」
「まっかせてください!」
わざわざ桜川に対してまでも声を掛けてあげる辺り、さすがの生徒会長だな。
気配りの鬼だ。
「ちなみになんだけど、負けた時の罰ゲームはお互い既に裏で発表し合っているから、みんな頑張ってね」
…………忘れてた。
そういやそんなルールあったな。
フットサルがやれるってことばっかり頭がいってたわ。
「どんな罰ゲームなんですか?」
「それは終わってからのお楽しみだよ! まぁ一つ言えるとするなら……人によっては心に傷を負うかもね」
「マジでなんの罰だよ!」
絶対負けらんねーよこれ!
「さぁ行こうか!」
俺達はコートの中へと戻り、既に中央のサークルで待っている漆間高坂生徒会メンバーと対峙した。
「準備はできたのか神奈月」
「問題ないよ。お互い半分が初心者である以上、フットサルの細かいルールは無しでいいよね? キーパーへのバックパスだったりハーフラインを越えた場合とか」
「ああ構わないぜ。そんなの無くてもウチの山田が全員ぶち抜いてくれるからな」
堂大寺会長が目線を送った選手は確かにスポーツが得意そうな見た目だ。
服装からして明らかに経験者ですといった雰囲気が溢れ出ている。
これは手強そうだな……。
「どうしよう、やばいです会長……」
「なんだ岡田」
堂大寺会長の隣にいる人がヒソヒソと話し始めた。
凄い絶句したような表情だけど大丈夫か?
「向こうの女子…………全員可愛いです……!」
「岡田ぁ!!」
「いや副会長の言う通りですよ」
「何で今年の生徒会は男子しかいないんだぁ……!」
大きく嘆く相手チームの選手達。
なんか既に色んな意味で勝ってね? 俺ら。
「本当に戦術ニーナが効きそうな件について」
「瑞都高校で良かったわ俺」
「てめぇらぁ!! だからこそフットサルで勝つしか俺らはねーんだ!! 女が3人もいるチームに万が一にも負けるとかあり得ねぇからな!!」
「そうだ…………俺達はフットサルで勝てばいいんだ!」
「頼むぞ山田ぁ! 俺達のホープ!!」
「任せて下さいよ先輩方ぁ!」
なんか凄い士気上がってね?
変に気持ちが分かるだけに共感しかけたが、「男って……」という前橋のボソッとした一言が聞こえたので「くだらないよなぁ」と言って難を逃れた。危ねぇ。
「キックオフだオラァ!!」
喧嘩が始まりそうな勢いで、闘いの火蓋は切って落とされた。
「前橋もサッカーやるのは久しぶりなんじゃないか?」
「2ヶ月ぶりぐらい……」
「やっぱ経験者だけあって止めて蹴る動作は完璧だな。でもちょっと体硬くね? 久しぶりの試合で緊張してんの?」
「ちがっ…………高坂とパス交換なんて…………できると思わなくてごにょごにょ…………」
「ん?」
「なんでもない」
まぁ試合が始まれば体の緊張もほぐれるだろう。
俺以外にボールをキープできる奴がいるのは非常に助かる。
相手の経験者とやらがどのレベルか分からないからな。
フットサル経験者というだけで、既に俺よりもアドバンテージはあるわけだし。
「足は……?」
「ダッシュは無理だな。でもこの小さいコートでダッシュなんてあまりしないだろうし、ボールも強く蹴る必要は無いはずだからいけるさ」
「ふーん…………カバーは私に任せて」
「おう。任せた」
俺が親指を立てて合図を送ると、前橋はほんのりと笑った。
「キイ、高坂君、そろそろミーティングをやるよ!」
「ミーティングって大袈裟な」
俺と前橋はパス交換をやめ、神奈月先輩のところへと集合した。
「まず、スターティングメンバーを発表する!」
「それ言いたかっただけでは?」
「6人しかいないのにね~」
「まずGKは大鳥君、きみだ!」
ビシッと大鳥先輩が指を差された。
意外そうな顔をしていないことから、なんとなく自分がGKをやるんじゃないかと予想していたみたいだ。
「一番強いボールが飛んできますもんね。それに僕はあまり運動が得意ではないですから」
「体を張って贄となってくれ」
「いや言い方」
大鳥先輩にボールが強打しているのを見たら、神奈月先輩が一番爆笑していそうだ。
不憫なり、大鳥先輩。
「そしてフィールドはダイヤモンド方式のポジション! 一番後ろに天才かつ絶対神こと私!」
「設定盛りすぎでは?」
大鳥先輩の指摘には触れずに、そのままポジション発表を続けた。
「左はニーナ!」
「は~い」
新波先輩が楽しそうに手を挙げた。
この人はどうなんだろう。
運動とかあまり得意そうには見えないが……。
「ニーナは見た目通り運動神経は鈍ちんだ」
「そんなことないですよ~」
「だがニーナには兵器と呼べるものがある!」
兵器?
「その無駄に成長した二つの脂肪を揺らして敵の注意を逸らしてくれ」
「え~?」
みんなの目が一斉に新波先輩の豊満な胸へと注がれた。
もちろん俺も。
「修斗!」
「いや不可抗力! ダイソン並みの吸引力だったんだ梨音!」
どんな言い訳してるんだ俺。
パニクってる場合じゃないぞ。
「みんなと変わらないですよ~」
と言いながらも揺れる胸。
その一言で多くの女子が心を貫かれ、沈黙を貫いた。
「とまあ、威力は証明できたわけで」
「悪魔かこの人」
「右はキイ、任せたよ」
「……はい」
あ、前橋はまだ胸の件でダメージ受けてるっぽい。
やっぱそういうのも気にするのな。
「そして一番前が高坂君、きみだ」
「はい」
「ハッキリ言ってウチは戦術高坂と言っても過言ではない。何も気にすることなく、一人で点を取ってきてくれ。キイが上手くサポートに入ってくれるはずだよ」
「了解です!」
「……任せて」
俺は力強く頷いた。
期待を背負うことには慣れている。
後は期待に応えられるように頑張るだけだ。
「若元さんは控えとしてもしもの時頼むね」
「はい!」
「桜川さん、精一杯の応援お願いするよ」
「まっかせてください!」
わざわざ桜川に対してまでも声を掛けてあげる辺り、さすがの生徒会長だな。
気配りの鬼だ。
「ちなみになんだけど、負けた時の罰ゲームはお互い既に裏で発表し合っているから、みんな頑張ってね」
…………忘れてた。
そういやそんなルールあったな。
フットサルがやれるってことばっかり頭がいってたわ。
「どんな罰ゲームなんですか?」
「それは終わってからのお楽しみだよ! まぁ一つ言えるとするなら……人によっては心に傷を負うかもね」
「マジでなんの罰だよ!」
絶対負けらんねーよこれ!
「さぁ行こうか!」
俺達はコートの中へと戻り、既に中央のサークルで待っている漆間高坂生徒会メンバーと対峙した。
「準備はできたのか神奈月」
「問題ないよ。お互い半分が初心者である以上、フットサルの細かいルールは無しでいいよね? キーパーへのバックパスだったりハーフラインを越えた場合とか」
「ああ構わないぜ。そんなの無くてもウチの山田が全員ぶち抜いてくれるからな」
堂大寺会長が目線を送った選手は確かにスポーツが得意そうな見た目だ。
服装からして明らかに経験者ですといった雰囲気が溢れ出ている。
これは手強そうだな……。
「どうしよう、やばいです会長……」
「なんだ岡田」
堂大寺会長の隣にいる人がヒソヒソと話し始めた。
凄い絶句したような表情だけど大丈夫か?
「向こうの女子…………全員可愛いです……!」
「岡田ぁ!!」
「いや副会長の言う通りですよ」
「何で今年の生徒会は男子しかいないんだぁ……!」
大きく嘆く相手チームの選手達。
なんか既に色んな意味で勝ってね? 俺ら。
「本当に戦術ニーナが効きそうな件について」
「瑞都高校で良かったわ俺」
「てめぇらぁ!! だからこそフットサルで勝つしか俺らはねーんだ!! 女が3人もいるチームに万が一にも負けるとかあり得ねぇからな!!」
「そうだ…………俺達はフットサルで勝てばいいんだ!」
「頼むぞ山田ぁ! 俺達のホープ!!」
「任せて下さいよ先輩方ぁ!」
なんか凄い士気上がってね?
変に気持ちが分かるだけに共感しかけたが、「男って……」という前橋のボソッとした一言が聞こえたので「くだらないよなぁ」と言って難を逃れた。危ねぇ。
「キックオフだオラァ!!」
喧嘩が始まりそうな勢いで、闘いの火蓋は切って落とされた。
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