90 / 203
遅延新入生勧誘編
鷺宮=アーデルハイト=弥守④
ヴァリアブルの選手がアップを始めた。
瑞都高校の練習風景を見た限りでは、ヴァリアブルのBチームの方が圧倒的に戦力が上だった。
ドイツでパパの仕事を手伝わされて色んな選手を見てきたけど、今後の成長次第で化けると思わされたのはヴァリアブルの選手がダントツで多かった。
私の中のナンバー1はもちろん修斗だけど、それに僅差で次いでいるのは神上だった。
あの個人技には私でなくとも衝撃を受けさせられるし、なによりキャプテンシーがある。
クセのあるヴァリアブル世代を纏めてきたからか、責任感があり、試合外での監督やコーチ、取材陣からの評価が高い。
修斗に唯一足りていないものとも言える。
そして城ヶ崎。
既に同世代でトップとも言えるフィジカルの持ち主。
強靭な体と同時にブレることのない体幹から繰り出されるシュートはまるでスウェーデン代表のイブラヒモビッチを彷彿とさせる。
この反則的な二人がFWに存在している時点で瑞都高校の勝ち目はほぼ0に近いと言っても過言じゃない。
プロではそんなことはないが、高校サッカーではそれほどワンマンチームが強いと見ている。
その二人に加えて荒井、台徳丸、友ノ瀬、狭間、大門と他のクラブチームでは間違いなく注目株となる選手がこの世代には揃っている。
だから瑞都高校が勝つ可能性は0に近いのではなく、0ね。
それが分かっていながら大会前の大事な時期に練習試合を組ませてもらって。
申し訳ないけど修斗のために瑞都高校のサッカー部には犠牲になってもらう。
恨むならワンチャンあると思って許可した監督さんを恨んでね。
試合が始まり、1点目が決まるとその後は瑞都高校の守備がガタガタになってしまった。
結果、前半だけで6ー0。
ベンチへと引き上げる瑞都高校の選手の大半が心を折られた表情をしていた。
きっと狩野隼人が入って今年こそは全国大会に行けると思ってたのね。
実際行けたと思うよ、レギュラーメンバーは悪くない素質を持ってると思う。
でもごめんね、貴方達が相手したのはユース高校の全てを含めたチームのトップだから。
「こんなのってあんまりだよ……先輩達が築き上げてきたものが全部、まるで無かったことのように叩き壊されて……! それほどまでに実力差があるの……?」
「瑞都高校は決して弱くない。だけど、今のヴァリアブルとはレベルが違いすぎる。試合を組むにはあまりも早計で、練習にもならなかったな」
修斗も同じ感想だったみたいだ。
「修斗、今の試合を見て何か思うところはあった? 例えばもう一度ヴァリアブルに入りたいとか……」
私はこのタイミングで一歩踏み込んだ質問をしてみた。
当時よりもレベルアップをした選手達を見て、修斗の中で何かが変わってくれているのではないかと。
「刺激は受けたよ。でもヴァリアブルが俺を取るわけがないだろう。一度放出した手前、格好がつかないしそもそも足の問題が何も解決してないからな」
「医者には何て言われてるの?」
「完治には時間が必要……だとよ。それがいつになるかは分からないみたいだ。一生治らないかもしれないし、1年……2年で治るかもしれない」
やる気はない、とは答えなかった。
それはつまり。
「ふ~ん…………。じゃあ気持ちの上ではサッカーを続けたいってことよね……」
それが聞けただけでも私にとっては充分だった。
私が調べた中ではサッカーを続ける気がそもそも無いという話だったのが、今では怪我さえどうにかできればやりたいという気持ちになってる。
いける。
これはいけるわね。
怪我の部分はリハビリを続ければ可能性は全然あるわけだし、ヴァリアブルの出戻りに関しては入団テストを受ければ修斗なら間違いなく受かるし問題ない。
後一押し。
本人が自主的にサッカーを続けると言う一押しが必要。
とすれば…………やっぱりあの人が適任な気がする。
私は修斗の恩師とも呼べる人物、赤坂蓮監督に接触してそれとなく修斗が練習している公園を教えた。
この人ならきっと修斗にとって良い刺激になるだろう。
瑞都高校の練習風景を見た限りでは、ヴァリアブルのBチームの方が圧倒的に戦力が上だった。
ドイツでパパの仕事を手伝わされて色んな選手を見てきたけど、今後の成長次第で化けると思わされたのはヴァリアブルの選手がダントツで多かった。
私の中のナンバー1はもちろん修斗だけど、それに僅差で次いでいるのは神上だった。
あの個人技には私でなくとも衝撃を受けさせられるし、なによりキャプテンシーがある。
クセのあるヴァリアブル世代を纏めてきたからか、責任感があり、試合外での監督やコーチ、取材陣からの評価が高い。
修斗に唯一足りていないものとも言える。
そして城ヶ崎。
既に同世代でトップとも言えるフィジカルの持ち主。
強靭な体と同時にブレることのない体幹から繰り出されるシュートはまるでスウェーデン代表のイブラヒモビッチを彷彿とさせる。
この反則的な二人がFWに存在している時点で瑞都高校の勝ち目はほぼ0に近いと言っても過言じゃない。
プロではそんなことはないが、高校サッカーではそれほどワンマンチームが強いと見ている。
その二人に加えて荒井、台徳丸、友ノ瀬、狭間、大門と他のクラブチームでは間違いなく注目株となる選手がこの世代には揃っている。
だから瑞都高校が勝つ可能性は0に近いのではなく、0ね。
それが分かっていながら大会前の大事な時期に練習試合を組ませてもらって。
申し訳ないけど修斗のために瑞都高校のサッカー部には犠牲になってもらう。
恨むならワンチャンあると思って許可した監督さんを恨んでね。
試合が始まり、1点目が決まるとその後は瑞都高校の守備がガタガタになってしまった。
結果、前半だけで6ー0。
ベンチへと引き上げる瑞都高校の選手の大半が心を折られた表情をしていた。
きっと狩野隼人が入って今年こそは全国大会に行けると思ってたのね。
実際行けたと思うよ、レギュラーメンバーは悪くない素質を持ってると思う。
でもごめんね、貴方達が相手したのはユース高校の全てを含めたチームのトップだから。
「こんなのってあんまりだよ……先輩達が築き上げてきたものが全部、まるで無かったことのように叩き壊されて……! それほどまでに実力差があるの……?」
「瑞都高校は決して弱くない。だけど、今のヴァリアブルとはレベルが違いすぎる。試合を組むにはあまりも早計で、練習にもならなかったな」
修斗も同じ感想だったみたいだ。
「修斗、今の試合を見て何か思うところはあった? 例えばもう一度ヴァリアブルに入りたいとか……」
私はこのタイミングで一歩踏み込んだ質問をしてみた。
当時よりもレベルアップをした選手達を見て、修斗の中で何かが変わってくれているのではないかと。
「刺激は受けたよ。でもヴァリアブルが俺を取るわけがないだろう。一度放出した手前、格好がつかないしそもそも足の問題が何も解決してないからな」
「医者には何て言われてるの?」
「完治には時間が必要……だとよ。それがいつになるかは分からないみたいだ。一生治らないかもしれないし、1年……2年で治るかもしれない」
やる気はない、とは答えなかった。
それはつまり。
「ふ~ん…………。じゃあ気持ちの上ではサッカーを続けたいってことよね……」
それが聞けただけでも私にとっては充分だった。
私が調べた中ではサッカーを続ける気がそもそも無いという話だったのが、今では怪我さえどうにかできればやりたいという気持ちになってる。
いける。
これはいけるわね。
怪我の部分はリハビリを続ければ可能性は全然あるわけだし、ヴァリアブルの出戻りに関しては入団テストを受ければ修斗なら間違いなく受かるし問題ない。
後一押し。
本人が自主的にサッカーを続けると言う一押しが必要。
とすれば…………やっぱりあの人が適任な気がする。
私は修斗の恩師とも呼べる人物、赤坂蓮監督に接触してそれとなく修斗が練習している公園を教えた。
この人ならきっと修斗にとって良い刺激になるだろう。
あなたにおすすめの小説
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。