153 / 203
文化祭勧誘編
プロローグ
とある中学生の双子が動画を見ていた。
つい最近上がったばかりの動画らしく、ヴァリアブル世代として有名な川崎アルカンテラの熊埜御堂将太朗が参加しているイベントのものだった。
「やっぱこの人異常だわ」
「どうやって蹴ったらこんなドンピシャで球が飛ぶんだよ」
1stステージをパーフェクトで突破した熊埜御堂を見て二人は半分呆れたように呟いた。
火ノ川大空と火ノ川利空。
二人はテオダール神戸ジュニアユースに所属しているが、将来的にはプロ確実とも噂されている優秀なサイドプレーヤーだった。
実際、今年の日本クラブユースサッカー選手権(Uー15)では、3年連続優勝していた東京Vジュニアユースを下し、テオダール神戸が優勝した。
一つ上の世代が注目ばかりされているが、当の本人達も実力の面でそれは認めており、一つ上の世代がいかにハイレベルなのかを理解していた。
故に、ヴァリアブルの選手達とは違って、メディア露出があまり少ない熊埜御堂の試合以外のプレー動画は彼らにとって貴重な栄養源であった。
「やっぱ今アチィのは関東のクラブじゃね?」
「ヴァリアブル世代って呼ばれてる人もみんなアッチだしな」
「やっちまうか、セレクション」
「いやいや、さすがにそれだけのために東京行けないだろ。それに俺達、本物のヴァリアブルには勝ててないわけだし、負けっぱなしは悔しいじゃん」
「そうだよなぁ」
その後の挑戦者達を早送りで流していた兄だったが、13番の選手のところですぐさま映像を止めた。
「───んん!?」
「あれ、この人って確か……」
『続いては高坂修斗選手です! 手元の資料では現在高校1年生で中学時代に……東京Vユースに在籍していたみたいですね。とういうことはヴァリアブル世代として活躍中の選手達と一緒にプレーしていたということでしょうか』
そしてテロップには私立瑞都高校1年生と字幕が流れていた。
「うっわマジ!? この人怪我から復帰したの!?」
「凄くねこれ! めっちゃアチィじゃん!」
そして熊埜御堂と同じくパーフェクトを成し遂げた高坂を見て、二人のテンションは有頂天になった。
「瑞都高校って東京の高校だってよ!」
「行くっきゃねぇよなぁ、東京遠征!」
「母さーん! 金ちょうだい金!」
「急になんなのよあんた達!」
────────────
「ね、姉ちゃん!」
「なーんだべ、そんな大声出して」
「この人、姉ちゃんと同じ学校!?」
少年は携帯の画面を姉に見せた。
そこにはキックターゲットを行う高坂の姿が映し出されていた。
「おーん? …………ああ、確か1年生にこんな人おったすけなぁ、話したことはねぇけんども。確か生徒会やってるすけ知っとるじゃ」
「本当じゃったんか………………決めた! おら……じゃなかった、俺! 姉ちゃんと同じ学校受ける!」
「急にどうしたんだべ義助、サッカーのクラブチームが提携してるとこさ行く言ってただっきゃ」
「やめた!」
「やめたって…………勉強はどうするんだべ。提携校に入るからって何もしてなかったのに」
「これから頑張るから姉ちゃん教えて!」
「オラは構わんけども…………」
「あ、でも待てよ…………高坂さんのことだから東京ヴァリアブルに復帰してるかもしれないし……ヴァリアブルのセレクション受けるべきか……?」
「どうするんだっきゃ?」
「いいや、高校はそこにするべ! 姉ちゃん頼む!」
「はいはい」
大石義助、中学3年生。
AFC東京グレイブジュニアユースに所属するDMF。
彼もまた当時の高坂を知る人物の一人。
高坂と直接戦い、そして圧倒的なプレイスキルの前に完封された思い出がある。
高坂が出演した、たった数十分の動画。
この僅かな1本の動画は、高坂本人を含め、多くのサッカープレイヤーの運命を大きく変えることとなる。
つい最近上がったばかりの動画らしく、ヴァリアブル世代として有名な川崎アルカンテラの熊埜御堂将太朗が参加しているイベントのものだった。
「やっぱこの人異常だわ」
「どうやって蹴ったらこんなドンピシャで球が飛ぶんだよ」
1stステージをパーフェクトで突破した熊埜御堂を見て二人は半分呆れたように呟いた。
火ノ川大空と火ノ川利空。
二人はテオダール神戸ジュニアユースに所属しているが、将来的にはプロ確実とも噂されている優秀なサイドプレーヤーだった。
実際、今年の日本クラブユースサッカー選手権(Uー15)では、3年連続優勝していた東京Vジュニアユースを下し、テオダール神戸が優勝した。
一つ上の世代が注目ばかりされているが、当の本人達も実力の面でそれは認めており、一つ上の世代がいかにハイレベルなのかを理解していた。
故に、ヴァリアブルの選手達とは違って、メディア露出があまり少ない熊埜御堂の試合以外のプレー動画は彼らにとって貴重な栄養源であった。
「やっぱ今アチィのは関東のクラブじゃね?」
「ヴァリアブル世代って呼ばれてる人もみんなアッチだしな」
「やっちまうか、セレクション」
「いやいや、さすがにそれだけのために東京行けないだろ。それに俺達、本物のヴァリアブルには勝ててないわけだし、負けっぱなしは悔しいじゃん」
「そうだよなぁ」
その後の挑戦者達を早送りで流していた兄だったが、13番の選手のところですぐさま映像を止めた。
「───んん!?」
「あれ、この人って確か……」
『続いては高坂修斗選手です! 手元の資料では現在高校1年生で中学時代に……東京Vユースに在籍していたみたいですね。とういうことはヴァリアブル世代として活躍中の選手達と一緒にプレーしていたということでしょうか』
そしてテロップには私立瑞都高校1年生と字幕が流れていた。
「うっわマジ!? この人怪我から復帰したの!?」
「凄くねこれ! めっちゃアチィじゃん!」
そして熊埜御堂と同じくパーフェクトを成し遂げた高坂を見て、二人のテンションは有頂天になった。
「瑞都高校って東京の高校だってよ!」
「行くっきゃねぇよなぁ、東京遠征!」
「母さーん! 金ちょうだい金!」
「急になんなのよあんた達!」
────────────
「ね、姉ちゃん!」
「なーんだべ、そんな大声出して」
「この人、姉ちゃんと同じ学校!?」
少年は携帯の画面を姉に見せた。
そこにはキックターゲットを行う高坂の姿が映し出されていた。
「おーん? …………ああ、確か1年生にこんな人おったすけなぁ、話したことはねぇけんども。確か生徒会やってるすけ知っとるじゃ」
「本当じゃったんか………………決めた! おら……じゃなかった、俺! 姉ちゃんと同じ学校受ける!」
「急にどうしたんだべ義助、サッカーのクラブチームが提携してるとこさ行く言ってただっきゃ」
「やめた!」
「やめたって…………勉強はどうするんだべ。提携校に入るからって何もしてなかったのに」
「これから頑張るから姉ちゃん教えて!」
「オラは構わんけども…………」
「あ、でも待てよ…………高坂さんのことだから東京ヴァリアブルに復帰してるかもしれないし……ヴァリアブルのセレクション受けるべきか……?」
「どうするんだっきゃ?」
「いいや、高校はそこにするべ! 姉ちゃん頼む!」
「はいはい」
大石義助、中学3年生。
AFC東京グレイブジュニアユースに所属するDMF。
彼もまた当時の高坂を知る人物の一人。
高坂と直接戦い、そして圧倒的なプレイスキルの前に完封された思い出がある。
高坂が出演した、たった数十分の動画。
この僅かな1本の動画は、高坂本人を含め、多くのサッカープレイヤーの運命を大きく変えることとなる。
あなたにおすすめの小説
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。