双子と龍の冒険

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番外編エルネア王国

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今日はメルたちのエルネア王国での最後の祭りの

                 「エルネア感謝祭」

の日である。この日は、国中の人々が

ここ大聖広場に集まり、演劇や屋台、期間限定の

イベントを楽しむエルネア王国最大の祭りである。

メルたちも、もちろん祭りに来ていた。

「もぐもぐ、もぐもぐ。わたあめあんまぁ~い!

ほっぺが落ちそ~たこ焼きホカホカ~!

どれもおんいし~!」

と、エルがこれでもかというほどたくさん食べてい

る。横からメルが

「エル~!食べてばっかいないでイベントも行こう

よ~!」

今回のイベントは、季節が春ということで

卵探し(イースター)である。メルは四季の

イベントの中でこれが一番好きなのだ。

「んも~ちょっと待ってよ~!」

「待てない!なにせ今年は、当たりの卵にイーラビ

(イースターラビットの略)のライブCDとチケット

がもらえるんだよ!」

メルは、アイドルユニットのイースターラビットの

大ファンなのである。メルは、もう待ちきれないと

いうほどソワソワとしている。何かにぶつかった。

するとそばにいた人が倒れる。それはイーラビの

センターのキョウヤだった。びっくりしたメルは、

思わず「ごめんなさい!お怪我はありましぇんか」

と、間違えてしまった。あっと気がつくと、照れて

何も言えなくなってしまった。すると、

「ハハハ。君面白いねー」

と、キョウヤが笑った。

「そうだ、ねーねー、この辺りに僕の赤のバンドの

片方知らない?」

といわれた。

「あー見てませんね~。良かったら探します?」

「いいの~!?ありがとう~!!」

と言うと、両手を握られていた。

「んじゃあ、どこら辺に落としたか心当たりありま

すか?」

「えっと~、今日はヤーノ湖に行っただけだよ。」

ヤーノ湖に着くと、彼の予測をヒントに周りを探す

が、それらしきものも全然見つからない。

「困ったなぁ。あれないと今日のライブができない

んだよなあ。」

非常に困った様子だ。すると湖に怪しげな色の

物体がある。なんだろうと探ってみると、それは彼

の赤いバンドだった。

「もしかしてこれですか?」

と聞くと、

「あ~!!これだよこれ~!!見つけてくれてありがと

うと言いたいところだけど濡れてるや。」

「じゃあこれを使って!」

と、メルが渡したのは、イースターラビットの参加

記念の赤いリング。

「これ、記念の赤いリングじゃん。いいの?」

「はい!もちろん。」

「ありがとう!今日のライブの後にまたここにきて

くれない?」

というと、さっさとどこかへ行ってしまった。

ライブが始まる。今日のライブは新曲を初披露で、

観客はとても盛り上がった。

ライブが終わり、約束の場所で待っていると、

「やあ待った?実はこれを渡したくてね。目を瞑っ

てもらえる?」

と言われるがままに目を瞑ると、何かを手のひらに

乗った感触がわかる。

「目を開けて。」

と言われ見ると、キョウヤのネックレスと色違いの

もので、白いパールのネックレスだった。

「えっ!こんな高価な物!」

「いいんだよ。さっきのバンドのお礼だよ。」

と、言われた。メルは、これが現実なのかと、

まごまごしていた。キョウヤはありがとうとだけ言

うと、さっさとまた行ってしまった。

メルにとってとてもいい1日になった。






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