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第2話
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「無料講座やってます。どうですかー。」
校門の前でティッシュを配っている女の人の声が聞こえる。
「どうですかー」
目の前に出されたので仕方なく受け取る。塾の広告のようだ。渡す手がきれいだったので、目を上げてみると、驚いた。きれいな金髪に少しふっくらとしたほっぺた、くりくりした目、プリッとしたかわいい唇。ドタイプだった。
「あ、ありがとうございます。」
内心のどきどきを抑えて校門をくぐり、そのまま校舎へ向かう。あーかわいかったなあ。
その日の授業は1ミリも集中できなかった。朝あんなかわいい子にあったのだから当然だ。僕は部活にも入っていない帰宅部なので、授業が終わるとそのまま帰宅する。
「今日校門で超かわいい人からティッシュもらった」
SNSに投稿する。今思い出してもドキドキするなあ。そういえばあのティッシュどこにやったっけ。バッグをごそごそと探ると教科書の間からしわくちゃになったティッシュが出てくる。んー?今村個別塾?ここに行けばあの人に会えるのかな。行ってみるか。
ティッシュから住所を辛うじて読み取り、その場所に向かった。塾があるのはビルの6階であった。少し道に迷って遅くなってしまったが、まだ18時だしさすがに大丈夫だろう。エレベーターに乗り、6階を押す。
「すみません、乗ります。」
閉まりかけているドアの隙間から、女の人が乗ろうとしているのが見える。そんなに急いでいるわけではないので、開くを押す。
「ありがとうございます。」
そういいながら入ってきた顔を見て、声を上げそうになる。金髪にぷくっとしたほっぺた。そう、間違いなく朝のティッシュ配りの人だ。エレベーターが6階につく。
「先どうぞ。」
こんなかわいいビジュを持っている上に性格までいいのかよ。
「ありがとうございます。」
そういって降りてみたがどこに行けばいいのかわからない。
「もしかして体験ですか」
「いや、今日ティッシュをもらって、初めて来たんですけど。」
「あ、そうですか。こちらへどうぞ。」
そう言って奥に案内される。通路は狭い。教室をもう少し小さくして通路を広げればいいのに、と思う。
「こちらに座って待っていてください。」
言われたとおりに椅子に座る。そこは1席1席仕切られた飲食店のカウンターのようになっており、生徒、教師が面談する場所のようであった。
「お待たせしました。」
なんだよ。さっきの女の子じゃないのかよ。現れたのはいかにも塾講師らしい風貌の40代ぐらいのおじさんであった。
「ティッシュを見てきてくれたんだってね。じゃあまず名前と学校、学年を教えてくれるかな。」
「深瀬一郎、四宮高校2年です。」
「四宮高校か、うちの生徒にもいっぱいいるよ。ところで君、頭に何かついてない?」
まずい。頭のてっぺんあたりに手を伸ばすと、硬くてとがったものに触れた。たのむ。小さくなれ。小さくなれ。集中して祈ると、そのものは小さく見えなくなった。
「ゴミが付いていたみたいです。」
「そっか。それではうちの塾の説明を始めていくよ。うちは100人ぐらいの生徒を抱える集団授業の塾でね。・・・・・」
危ない。ツノを見られるところだった。普段は出ないのになんでだろう。
校門の前でティッシュを配っている女の人の声が聞こえる。
「どうですかー」
目の前に出されたので仕方なく受け取る。塾の広告のようだ。渡す手がきれいだったので、目を上げてみると、驚いた。きれいな金髪に少しふっくらとしたほっぺた、くりくりした目、プリッとしたかわいい唇。ドタイプだった。
「あ、ありがとうございます。」
内心のどきどきを抑えて校門をくぐり、そのまま校舎へ向かう。あーかわいかったなあ。
その日の授業は1ミリも集中できなかった。朝あんなかわいい子にあったのだから当然だ。僕は部活にも入っていない帰宅部なので、授業が終わるとそのまま帰宅する。
「今日校門で超かわいい人からティッシュもらった」
SNSに投稿する。今思い出してもドキドキするなあ。そういえばあのティッシュどこにやったっけ。バッグをごそごそと探ると教科書の間からしわくちゃになったティッシュが出てくる。んー?今村個別塾?ここに行けばあの人に会えるのかな。行ってみるか。
ティッシュから住所を辛うじて読み取り、その場所に向かった。塾があるのはビルの6階であった。少し道に迷って遅くなってしまったが、まだ18時だしさすがに大丈夫だろう。エレベーターに乗り、6階を押す。
「すみません、乗ります。」
閉まりかけているドアの隙間から、女の人が乗ろうとしているのが見える。そんなに急いでいるわけではないので、開くを押す。
「ありがとうございます。」
そういいながら入ってきた顔を見て、声を上げそうになる。金髪にぷくっとしたほっぺた。そう、間違いなく朝のティッシュ配りの人だ。エレベーターが6階につく。
「先どうぞ。」
こんなかわいいビジュを持っている上に性格までいいのかよ。
「ありがとうございます。」
そういって降りてみたがどこに行けばいいのかわからない。
「もしかして体験ですか」
「いや、今日ティッシュをもらって、初めて来たんですけど。」
「あ、そうですか。こちらへどうぞ。」
そう言って奥に案内される。通路は狭い。教室をもう少し小さくして通路を広げればいいのに、と思う。
「こちらに座って待っていてください。」
言われたとおりに椅子に座る。そこは1席1席仕切られた飲食店のカウンターのようになっており、生徒、教師が面談する場所のようであった。
「お待たせしました。」
なんだよ。さっきの女の子じゃないのかよ。現れたのはいかにも塾講師らしい風貌の40代ぐらいのおじさんであった。
「ティッシュを見てきてくれたんだってね。じゃあまず名前と学校、学年を教えてくれるかな。」
「深瀬一郎、四宮高校2年です。」
「四宮高校か、うちの生徒にもいっぱいいるよ。ところで君、頭に何かついてない?」
まずい。頭のてっぺんあたりに手を伸ばすと、硬くてとがったものに触れた。たのむ。小さくなれ。小さくなれ。集中して祈ると、そのものは小さく見えなくなった。
「ゴミが付いていたみたいです。」
「そっか。それではうちの塾の説明を始めていくよ。うちは100人ぐらいの生徒を抱える集団授業の塾でね。・・・・・」
危ない。ツノを見られるところだった。普段は出ないのになんでだろう。
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