1 / 1
夢
しおりを挟む
夢を見る。
いつも同じ場所。
いつも同じ場面。
あと少しで届くとき目が覚める
そして現実に返される。
この世界はいつも私を置いていく。周りは関係ない。私だけを先に連れて行って欲しい。
夢の中で会う女性。
会うが話せない。
顔もわからない。
一つわかるのは声。
季節も温度も感触も何もわからない。
ただ一つ。
声で夢を作り上げている彼女を、気にしている。
興味を持ってしまった。現実では目で見て耳で聴いて、いらない情報まで会得できてしまう。
なんてつまらない世界だろうか。
私は夢の中で声だけで恋愛している。
彼女の声は落ち着いている。
私の声はどう聞こえているのか。
彼女の手はどんな手をしているのか。
私の手は君にどう見えているのか。
わからない
ただわからないことが愛おしい
次の夢を見れる日を楽しみにしている。
そんな毎日である。
現実の私は普通の容姿、普通の人生である。
労働基準に沿って働き、伴った賃金、伴った部屋で暮らしている。
何も面白くない。
衣食住に全く興味が湧かない。
今日1日を生きていければそれで満足してしまっている。
周りの人たちは熱に帯びていて、苦しい。もっと冷たい空気を纏っていて欲しい。
こころをもっと抑えて欲しい。
こんなことを考えている時点で私の人生は終わっているのかもしれない。
中高生の頃はもっと夢があったはず。
お金をたくさん持って不自由なく、自由な生活をする。
いい車に乗る。
いい家に住む。
夢を持って生活していた気がする。
でも私は気付いてしまったのだ。夢を持たなくても、人は死なない、普通に生きていけることに。
周りを見て行動することは一番疲れるし非合理的であることに。
同僚と食事などもめんどう。
関わりを絶っている。
人の輝かしい色を魅せられると吐き気がする
私は灰色の人生で十分なのだ。
でも彼女を愛おしく思ってしまった私は、灰色の人生で後悔していた。
もし私が輝いていたら、あなたの目を見れたかもしれない。手をつなげたかもしれない。
彼女はまるで私を殺しに来ているかのようなそんな気がする。
いつも同じ場面。
あなたの名前を聞く瞬間。
そして、声を発する瞬間。
全て私の愛おしさを、一瞬にして消し去っていく君を私は、、
どうしても許すことができない。
少しの期待ぐらい、少しの願いぐらい叶えて欲しい。
君の声が聞きたい。温かいのか冷たいのか。手を繋いでみたい。
そうか、私は欲が溢れているのか。
現実では得ることのできない感情を私は君で得ようとしている。
流れる月日でひとつも変わらない君を永遠と愛し続けていく。
これが私の恋愛なのかもしれない。
いつも同じ場所。
いつも同じ場面。
あと少しで届くとき目が覚める
そして現実に返される。
この世界はいつも私を置いていく。周りは関係ない。私だけを先に連れて行って欲しい。
夢の中で会う女性。
会うが話せない。
顔もわからない。
一つわかるのは声。
季節も温度も感触も何もわからない。
ただ一つ。
声で夢を作り上げている彼女を、気にしている。
興味を持ってしまった。現実では目で見て耳で聴いて、いらない情報まで会得できてしまう。
なんてつまらない世界だろうか。
私は夢の中で声だけで恋愛している。
彼女の声は落ち着いている。
私の声はどう聞こえているのか。
彼女の手はどんな手をしているのか。
私の手は君にどう見えているのか。
わからない
ただわからないことが愛おしい
次の夢を見れる日を楽しみにしている。
そんな毎日である。
現実の私は普通の容姿、普通の人生である。
労働基準に沿って働き、伴った賃金、伴った部屋で暮らしている。
何も面白くない。
衣食住に全く興味が湧かない。
今日1日を生きていければそれで満足してしまっている。
周りの人たちは熱に帯びていて、苦しい。もっと冷たい空気を纏っていて欲しい。
こころをもっと抑えて欲しい。
こんなことを考えている時点で私の人生は終わっているのかもしれない。
中高生の頃はもっと夢があったはず。
お金をたくさん持って不自由なく、自由な生活をする。
いい車に乗る。
いい家に住む。
夢を持って生活していた気がする。
でも私は気付いてしまったのだ。夢を持たなくても、人は死なない、普通に生きていけることに。
周りを見て行動することは一番疲れるし非合理的であることに。
同僚と食事などもめんどう。
関わりを絶っている。
人の輝かしい色を魅せられると吐き気がする
私は灰色の人生で十分なのだ。
でも彼女を愛おしく思ってしまった私は、灰色の人生で後悔していた。
もし私が輝いていたら、あなたの目を見れたかもしれない。手をつなげたかもしれない。
彼女はまるで私を殺しに来ているかのようなそんな気がする。
いつも同じ場面。
あなたの名前を聞く瞬間。
そして、声を発する瞬間。
全て私の愛おしさを、一瞬にして消し去っていく君を私は、、
どうしても許すことができない。
少しの期待ぐらい、少しの願いぐらい叶えて欲しい。
君の声が聞きたい。温かいのか冷たいのか。手を繋いでみたい。
そうか、私は欲が溢れているのか。
現実では得ることのできない感情を私は君で得ようとしている。
流れる月日でひとつも変わらない君を永遠と愛し続けていく。
これが私の恋愛なのかもしれない。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる