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プロローグ

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俺の名前は猫目瑠衣、13歳のバリバリぴっちぴちの中学生だ。今日は学校でテストがある。だから登校時間ギリギリまで勉強して、この弱い頭に限界まで突っ込んでいる最中…

そう、つまり俺は今勉強をしていた。いつぶりだろう…ん?

シュバ

「ニャア~」

飼ってる猫が突如俺の机に飛び乗り、勉強道具をそんなもの知るかと言わんばかりの香箱座(こうばこずわ)りで押しつぶす。


!?

こ、こいつぅ!
それだと勉強が!!あ、ちょっそれ暗記用の紙ぃぃぃ!!

何とか荒ぶる猫を沈め退かすと、紙はグシャグシャになっている。一応課題の紙でもあるからその被害は侮れない。

「ふっ、やはり貴様とは敵対する運命にあるようだな」
「なぁん…」

不機嫌そうな顔でこっちを見る猫、名前はルイだ。見て分かると思うが、俺の下の名前から取った。

「ウォッハァ!!?」

と、そんな感じで戯れていたところ、足元に転がっていた空のペットボトルに、俺は足をすくわれ盛大に転んでしまう。

ガン! 椅子の足に頭をぶつける音

「っ…誰だよ。こんな所にペットボトル放置したやつ…」

と、悪態をつきながらも立ち上がろうとするが、何故か、体が動かない。衝撃で脳でもやられたのだろうか。そう思っていると、強い眠気に襲われていく。感覚もなく、不思議な、今まで味わったことのない感覚だ。

あ、これ寝たら遅刻しちゃう…

徐々に思考がぼんやりしてくる。そんな俺の横で、猫がニャンニャンと鳴いている。

「可愛い」

それが、死に際の彼が放った、最後の呟きなのであった。
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