ハーレムエンドイベント最中に前世を思い出してしまったのだけど

七地潮

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テンプレ連発

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「不敬罪で処罰しますか?
無罪な女性に冤罪をかけ、契約であるはずの政略結婚を壊しておいて、図星をさされて下級貴族を処しますか?」
「うぐっ……」

おー、リアルで『うぐっ』なんて初めて聞いた。
いやいや、それどころじゃないか。
まぁ、罰せられるなら罰すればいいさ。

男性を誘惑して侍らせて貢がせて、口答えしたからって言って死刑とかは無いだろうし、国外追放とか、貴族から抜かれるとか、修道院行きとかだろうけど、この世界で目覚めて30分も経ってないから、別に貴族生活とかに未練ないし、逆に平民生活の方が性に合ってるだろうし、修道院でもなんとかなるっしょ。

乙女ゲームをやってた人間としては、【北の修道院】ってのは少々気になるし、色々なゲームなんかでもやっとした事を曝け出してスッキリしたし。
『我がヒロイン生活に悔いはなし』って感じかな。

さあどうぞ、とばかりに腰に手を当て踏ん反り返ってみる。

「よし、そこまで言うのなら」
王子が何か言おうとしたのを遮ったのは、アイリス様だった。

「そこまでになさってはいかがですか?
これ以上の醜態は殿下のこの先に携わってきますよ」
扇で隠してため息をつくアイリス様。

「何を言っておる」
「殿下、あなたにも次期王子妃候補だった私にも影がついている事をお忘れですか?」

 出た!影!

「きっと今回のこの騒動も、すでに陛下に伝わっていると思われますよ」
「なにぃ……!」

 出た!リアル『なにぃ』

「マリアーナ様から皆様に近づいたのかもしれませんが、それに応じたのはあなた方自身でしょう?
冤罪を着せようとしたのもあなた方でしょう?
それを暴かれたからとマリアーナ様を責めるのは間違いではないのですか」

だよねー、自業自得ってやつだよね。

「それに彼女の仰っていたことは間違っていませんわ。
もし彼女が他国の工作員だとしたら、国の危機だったでしょうね。
異性の方から心地よい言葉を贈られたからと、簡単に乗ってしまうのは貴族として、上に立つ者としての気概が足りないのではないでしょうか」

おー、アイリス様が言う言う。
思わず「かっこいー」って口から漏れてしまったよ。
呟きが聞こえたのか、赤くなるアイリス、カワユイっス。
ほんとチョロメンと婚約破棄できてよかったね。
浮気する男は何度でも繰り返すから。


「アイリス嬢の言う通りである」


キターーー!
乙女ゲームのお約束、国王陛下のおな~り~~、である。

卒業式の後、理事長室で理事達と話をしていた陛下に、影からの報告があり、パーティー会場に来たらしい。

その後はゲームでよくある、王位継承権剥奪、一月の謹慎コース。
まあ、婚約者を蔑ろにした事と、勝手に婚約破棄したくらいだから、このくらいの処分が妥当なのか?
王命である婚約を勝手に破棄したのが一番の罪だから、廃嫡とか、平民落ちはないようだ。

他の攻略者もさして重くはないけど罰は受けるようだ。

そしてあるあるの展開で、アイリスは一つ年下の第二王子と新たに婚約、他の皆も婚約は白紙撤回で、新たな婚約を結ぶそうだ。

そして私は………





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