5 / 8
Aパート
テンプレ連発
しおりを挟む「不敬罪で処罰しますか?
無罪な女性に冤罪をかけ、契約であるはずの政略結婚を壊しておいて、図星をさされて下級貴族を処しますか?」
「うぐっ……」
おー、リアルで『うぐっ』なんて初めて聞いた。
いやいや、それどころじゃないか。
まぁ、罰せられるなら罰すればいいさ。
男性を誘惑して侍らせて貢がせて、口答えしたからって言って死刑とかは無いだろうし、国外追放とか、貴族から抜かれるとか、修道院行きとかだろうけど、この世界で目覚めて30分も経ってないから、別に貴族生活とかに未練ないし、逆に平民生活の方が性に合ってるだろうし、修道院でもなんとかなるっしょ。
乙女ゲームをやってた人間としては、【北の修道院】ってのは少々気になるし、色々なゲームなんかでもやっとした事を曝け出してスッキリしたし。
『我がヒロイン生活に悔いはなし』って感じかな。
さあどうぞ、とばかりに腰に手を当て踏ん反り返ってみる。
「よし、そこまで言うのなら」
王子が何か言おうとしたのを遮ったのは、アイリス様だった。
「そこまでになさってはいかがですか?
これ以上の醜態は殿下のこの先に携わってきますよ」
扇で隠してため息をつくアイリス様。
「何を言っておる」
「殿下、あなたにも次期王子妃候補だった私にも影がついている事をお忘れですか?」
出た!影!
「きっと今回のこの騒動も、すでに陛下に伝わっていると思われますよ」
「なにぃ……!」
出た!リアル『なにぃ』
「マリアーナ様から皆様に近づいたのかもしれませんが、それに応じたのはあなた方自身でしょう?
冤罪を着せようとしたのもあなた方でしょう?
それを暴かれたからとマリアーナ様を責めるのは間違いではないのですか」
だよねー、自業自得ってやつだよね。
「それに彼女の仰っていたことは間違っていませんわ。
もし彼女が他国の工作員だとしたら、国の危機だったでしょうね。
異性の方から心地よい言葉を贈られたからと、簡単に乗ってしまうのは貴族として、上に立つ者としての気概が足りないのではないでしょうか」
おー、アイリス様が言う言う。
思わず「かっこいー」って口から漏れてしまったよ。
呟きが聞こえたのか、赤くなるアイリス、カワユイっス。
ほんとチョロメンと婚約破棄できてよかったね。
浮気する男は何度でも繰り返すから。
「アイリス嬢の言う通りである」
キターーー!
乙女ゲームのお約束、国王陛下のおな~り~~、である。
卒業式の後、理事長室で理事達と話をしていた陛下に、影からの報告があり、パーティー会場に来たらしい。
その後はゲームでよくある、王位継承権剥奪、一月の謹慎コース。
まあ、婚約者を蔑ろにした事と、勝手に婚約破棄したくらいだから、このくらいの処分が妥当なのか?
王命である婚約を勝手に破棄したのが一番の罪だから、廃嫡とか、平民落ちはないようだ。
他の攻略者もさして重くはないけど罰は受けるようだ。
そしてあるあるの展開で、アイリスは一つ年下の第二王子と新たに婚約、他の皆も婚約は白紙撤回で、新たな婚約を結ぶそうだ。
そして私は………
3
あなたにおすすめの小説
やり直しの王太子、全力で逃げる
雨野千潤
恋愛
婚約者が男爵令嬢を酷く苛めたという理由で婚約破棄宣言の途中だった。
僕は、気が付けば十歳に戻っていた。
婚約前に全力で逃げるアルフレッドと全力で追いかけるグレン嬢。
果たしてその結末は…
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる