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第二章 旅は道連れ
21 名前の由来
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毛布を持って戻って来たアインは…二人になっていました。
「分裂しましたからね」
一人はシナトラに毛布をかけてくれています。
もう一人は持って来たお茶を配ってくれています。
分裂したから当たり前なのですけれど、そっくりですよ。
ただ、先程までより背が縮んでいる様な気がします。
私が不思議そうに見ていたからでしょうか、
「分裂しましたから、多少小さくなっていますけど、すぐに元の大きさに戻りますよ」
あれ?子供の姿になるとか聞いた気がするのですが……。
これも魔力量が多いから、なのでしょうね。
「コイツは我の事を規格外だとか言っておったが、コイツも充分規格外だからな」
私からすれば二人とも……いえ、
「他に無い能力を持っていて、お二人とも凄いと思いますよ」
そう言うと、二人とも少し面映い笑顔を返してくれました。
「そう言えばコイツの名前は天才からだと言っておったな」
「そうですね、私が知る歴史上でベストスリーに入る天才ですね。
アインはとても頭の良さそうな方ですから」
二人並んだアインが「ふふふ」と笑っています。
「なら我の名前はどうなのだ?」
身を乗り出してブルースが尋ねてきました。
「元居た世界でブルースの姿は【ドラゴン】と言う最強の想像上の生き物なんです」
「想像上?」
「伝説や神話やゲームなどに出て来ます。
西と東の地域で姿の差が有るのですが、どちらも偉大で最強。
誰も見たことがない筈なのに、多少の個性は有ったとしても【ドラゴンと言えばこの姿】と言う形が有るのですよ。
そのドラゴンに因んだ(?)方の名前で、私の知る中で、肉体で戦う最強の漢(の俳優)です」
私の答えに満足したのか、ワハハと笑っています。
私はチャックと視線を合わせました。
「なんだよ、オレの名前はお前の元家族の名前なんだろ?」
「そうですね、家族の名前からですけど、元になったのは、ロック界…音楽界の伝説と呼ばれたミュージシャン…音楽家の名前から付けたのですよ」
私の仲間内では【ロックの神様】とも呼んでいましたね。
「天才に最強に伝説ですか……随分と凄い名前ばかりですね」
「ではそこの子供は?」
頷くアインと、シナトラを指さすブルース。
「ブルースと同じ様な感じなのですが、元の世界に【虎】と言う動物が居まして。
【トラ】と言えば…で思い浮かんだ歌手の名前です」
「………………」
「………………………………」
「……………」
おや?なぜか皆さん無言ですね。
その無言を破って、呆れた様にチャックが言いました。
「あのさぁ、この名前の話はシナトラにしない様にしなよ」
ブルースとアインが頷いています。
「なぜでしょう?」
「………そこは自分で考えろ」
「はい…」
三人が同じ意見なのなら、そうした方がいいと言う事ですね。
シナトラ本人には言わないでおきましょう。
「お腹すいた!」
机にうつ伏せていたシナトラが、頭を起こすと同時に叫びました。
私達はと言いますと、チャックは庭へ出ています。
ブルースは寝椅子に横になり寝ている様ですね。
私はアインにこの世界の文字ほの書き方を教わっています。
「そう言えば我もすいたかな」
あ、ブルースは目をつぶっていただけの様ですね。
彼も起き上がりこちらを見ています。
「そう言えば結局お昼は食べていませんでしたね」
食事をしようとしていたところ、ブルースが飛来しましたから。
「すみませんアイン、何か食べる物はありますか?」
何か分けてもらえればありがたいと尋ねたのですが、
「私達魔族は食事をしませんから、飲み物以外は無いんですよ。
来客がある時には食材を準備しますけど、今回は急な事でしたから……」
すまなさそうに言われました。
そう言えば魔族の方は食事を必要としないのでしたね。
いつもの様にチャックが木の実やハーブなどを採りに、シナトラが狩に行こうとしていると、ブルースが
「狩なら我に任せるが良い」
と、連れ立って出て行きました。
残ったのは私とアインが二人です。
そのまま文字を教わりながら、アインと話をして待つことにしました。
「分裂した一方はここに残り、魔王としての仕事を続けます。
そしてもう一方があなた方に同行します。
そこで、この世界の知識をお教えするとしても、まずは今現在の情報のすり合わせからだと思うのですが、色々細かい事を教えて下さいますか」
一旦ペンを置いて、聞かれたことに答えましょう。
言われて隠すことでも無いですので、今までの出来事と、これからの目標、最終的な目標や、自分の能力などを伝えました。
ポイントの説明が厄介でしたけど、なんとか理解してもらいました。
やっぱり異世界と言えども、ポイントで能力と交換するなどと言うものは無いそうです。
経験を積んだ事により、できることが増えて行くと言うのですが、それはどの世界でも共通ですよね。
幸せを感じる事で能力を…と言うのは非常識だと言われてしまいました。
私もそう思いますけど、これはこう言うものと開き直るしか無いと思います。
鑑定は色々便利ですが、許可無く他人を鑑定しない様にと言われました。
それはそうですよね、個人情報は保護しないといけません。
タブレットに関しては、説明しようがありませんでした。
パソコンの様なもの、と言っても、パソコンの無い世界ですし、パソコンを詳しく説明する事は、年寄りには難し過ぎて……。
「色々教えてくれる見えない案内人の様なもの…ですかねえ」
何とか説明しようとしましたけれど、アインに
「知識を司る妖精みたいなモノですか?」
と言われて、少し面倒になったので、
「そう、それです」
と言ってしまいました。
因みに、鑑定もポイントの事も、タブレットも、別の世界から来たと言う事も、本名も全て秘密にしておく様にと言われました。
秘密だらけでミステリアスですね、私。
「分裂しましたからね」
一人はシナトラに毛布をかけてくれています。
もう一人は持って来たお茶を配ってくれています。
分裂したから当たり前なのですけれど、そっくりですよ。
ただ、先程までより背が縮んでいる様な気がします。
私が不思議そうに見ていたからでしょうか、
「分裂しましたから、多少小さくなっていますけど、すぐに元の大きさに戻りますよ」
あれ?子供の姿になるとか聞いた気がするのですが……。
これも魔力量が多いから、なのでしょうね。
「コイツは我の事を規格外だとか言っておったが、コイツも充分規格外だからな」
私からすれば二人とも……いえ、
「他に無い能力を持っていて、お二人とも凄いと思いますよ」
そう言うと、二人とも少し面映い笑顔を返してくれました。
「そう言えばコイツの名前は天才からだと言っておったな」
「そうですね、私が知る歴史上でベストスリーに入る天才ですね。
アインはとても頭の良さそうな方ですから」
二人並んだアインが「ふふふ」と笑っています。
「なら我の名前はどうなのだ?」
身を乗り出してブルースが尋ねてきました。
「元居た世界でブルースの姿は【ドラゴン】と言う最強の想像上の生き物なんです」
「想像上?」
「伝説や神話やゲームなどに出て来ます。
西と東の地域で姿の差が有るのですが、どちらも偉大で最強。
誰も見たことがない筈なのに、多少の個性は有ったとしても【ドラゴンと言えばこの姿】と言う形が有るのですよ。
そのドラゴンに因んだ(?)方の名前で、私の知る中で、肉体で戦う最強の漢(の俳優)です」
私の答えに満足したのか、ワハハと笑っています。
私はチャックと視線を合わせました。
「なんだよ、オレの名前はお前の元家族の名前なんだろ?」
「そうですね、家族の名前からですけど、元になったのは、ロック界…音楽界の伝説と呼ばれたミュージシャン…音楽家の名前から付けたのですよ」
私の仲間内では【ロックの神様】とも呼んでいましたね。
「天才に最強に伝説ですか……随分と凄い名前ばかりですね」
「ではそこの子供は?」
頷くアインと、シナトラを指さすブルース。
「ブルースと同じ様な感じなのですが、元の世界に【虎】と言う動物が居まして。
【トラ】と言えば…で思い浮かんだ歌手の名前です」
「………………」
「………………………………」
「……………」
おや?なぜか皆さん無言ですね。
その無言を破って、呆れた様にチャックが言いました。
「あのさぁ、この名前の話はシナトラにしない様にしなよ」
ブルースとアインが頷いています。
「なぜでしょう?」
「………そこは自分で考えろ」
「はい…」
三人が同じ意見なのなら、そうした方がいいと言う事ですね。
シナトラ本人には言わないでおきましょう。
「お腹すいた!」
机にうつ伏せていたシナトラが、頭を起こすと同時に叫びました。
私達はと言いますと、チャックは庭へ出ています。
ブルースは寝椅子に横になり寝ている様ですね。
私はアインにこの世界の文字ほの書き方を教わっています。
「そう言えば我もすいたかな」
あ、ブルースは目をつぶっていただけの様ですね。
彼も起き上がりこちらを見ています。
「そう言えば結局お昼は食べていませんでしたね」
食事をしようとしていたところ、ブルースが飛来しましたから。
「すみませんアイン、何か食べる物はありますか?」
何か分けてもらえればありがたいと尋ねたのですが、
「私達魔族は食事をしませんから、飲み物以外は無いんですよ。
来客がある時には食材を準備しますけど、今回は急な事でしたから……」
すまなさそうに言われました。
そう言えば魔族の方は食事を必要としないのでしたね。
いつもの様にチャックが木の実やハーブなどを採りに、シナトラが狩に行こうとしていると、ブルースが
「狩なら我に任せるが良い」
と、連れ立って出て行きました。
残ったのは私とアインが二人です。
そのまま文字を教わりながら、アインと話をして待つことにしました。
「分裂した一方はここに残り、魔王としての仕事を続けます。
そしてもう一方があなた方に同行します。
そこで、この世界の知識をお教えするとしても、まずは今現在の情報のすり合わせからだと思うのですが、色々細かい事を教えて下さいますか」
一旦ペンを置いて、聞かれたことに答えましょう。
言われて隠すことでも無いですので、今までの出来事と、これからの目標、最終的な目標や、自分の能力などを伝えました。
ポイントの説明が厄介でしたけど、なんとか理解してもらいました。
やっぱり異世界と言えども、ポイントで能力と交換するなどと言うものは無いそうです。
経験を積んだ事により、できることが増えて行くと言うのですが、それはどの世界でも共通ですよね。
幸せを感じる事で能力を…と言うのは非常識だと言われてしまいました。
私もそう思いますけど、これはこう言うものと開き直るしか無いと思います。
鑑定は色々便利ですが、許可無く他人を鑑定しない様にと言われました。
それはそうですよね、個人情報は保護しないといけません。
タブレットに関しては、説明しようがありませんでした。
パソコンの様なもの、と言っても、パソコンの無い世界ですし、パソコンを詳しく説明する事は、年寄りには難し過ぎて……。
「色々教えてくれる見えない案内人の様なもの…ですかねえ」
何とか説明しようとしましたけれど、アインに
「知識を司る妖精みたいなモノですか?」
と言われて、少し面倒になったので、
「そう、それです」
と言ってしまいました。
因みに、鑑定もポイントの事も、タブレットも、別の世界から来たと言う事も、本名も全て秘密にしておく様にと言われました。
秘密だらけでミステリアスですね、私。
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