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第一章 Legend Idoru Notes
覚醒
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「ギイイイイイイアアアアアアアア!」
飛び掛かるバグズを龍二は片っ端から銃で迎撃する。だがバグズの勢いを抑えることは出来ず徐々に三人は追い詰められてしまう。泣くことしか出来ないお松を抱えながらアリスも龍二に借りた銃を撃って抵抗を試みる。
「ジリ貧だな……アリス、俺が突破口を開く! お松連れて逃げろ!」
「龍二さん、なにを!?」
龍二は懐から手榴弾を取り出しジャケットを脱ぐ。身体中に括り付けられた大量の手榴弾を見たバグズ達は少しだけ距離を取った。龍二の意図を理解したアリスは首を横に振りダメだと言いながら立ち上がる。
「そいつは……お松は内弁慶でヘタレ野郎だがな、俺の唯一無二の相棒なんだ。頼んだぜ、アリス」
「龍二はん!」
「ダメです、龍二さん!」
二人の静止を振り切りバグズに向かって龍二が駆け出した直後、建物を倒壊させるほどの突風が吹き荒れた。衝撃でバグズ達は吹き飛ばされ、辺りは一瞬で更地に変わり砂埃が視界を覆った。
「くっ、今度はなんだってんだ!」
急死に一生を得た龍二が木霊する。だんだんと視界が鮮明になっていくと、瓦礫の山に倒れ込む全身血塗れの花音の姿が見えた。ギリギリで意識を保っているのか、か細い呻き声を上げながら必死に立ちあがろうともがいている。
「花音ちゃん……花音ちゃん!」
「アリス……早く……逃げて」
限界をとっくに超えている花音は、尚も駆け寄るアリスを庇うため立ち上がるがすぐに倒れ込んでしまう。
突風が発生した先からゆっくりと歩み寄るグランが現れ、底無しに冷たい視線をアリスに向けた。
「ふむ、こんなものだろうな。思いのほか時間がかかったのは想定外だったが」
「てめえか、お嬢をこんなにしたのは」
「他にも生き残りがいたのか。全く、その生命力と適応力には驚かされるな」
「女を傷つける男が舐めたこと言ってんじゃねえぞ!」
怒りのまま銃を撃ち駆け出す龍二を、グランは闇の斬撃を放ち簡単に吹き飛ばした。眉一つ動かすことなく、グランは退屈な表情のまま歩み寄る。
「大人しくウイルス共に喰われていれば苦しまずに済んだものを。呆れた連中だ……ん?」
お松を下ろし、アリスは震えながらグランの前に立った。恐怖で涙が溢れ、視界も虚に歪むのも構わずアリスは盾となるように立ち尽くす。
「みんなは……みんなは殺させません」
「お前に何が出来る? 戦うことも出来ない今のお前に、そこの虫ケラ共を守れるとでも思っているのか?」
必死の状況の最中、アリスの脳裏には今までの記憶が走馬灯のように流れる。命懸けで窮地を救ってくれた龍二、不安に押し潰されそうな自分を励ましてくれたお松。ボロボロになりながら、自分の傷を厭わず守ってくれた花音を置いて逃げるという選択をアリスは拒絶した。
「アリスはん……いいんや、アリスはんだけでも逃げえ!」
「逃げません! みんなが私を守ってくれたんです。私を庇って傷ついたんです! 今度は私が……」
立ち尽くすアリスの息の根を止めるため、グランは無慈悲に剣を構え闇の斬撃を放った。
その瞬間、首元のペンダントからピンク色の光が溢れ出しアリスの身体を包み込む。
「私がみんなを守る番だから!」
光が一層輝きを増すと放たれた斬撃を打ち消し、目の前のグランを弾き飛ばした。素早く体勢を立て直したグランの目に映ったのは、花音と瓜二つの衣装に身を包んだアリスの姿だった。
飛び掛かるバグズを龍二は片っ端から銃で迎撃する。だがバグズの勢いを抑えることは出来ず徐々に三人は追い詰められてしまう。泣くことしか出来ないお松を抱えながらアリスも龍二に借りた銃を撃って抵抗を試みる。
「ジリ貧だな……アリス、俺が突破口を開く! お松連れて逃げろ!」
「龍二さん、なにを!?」
龍二は懐から手榴弾を取り出しジャケットを脱ぐ。身体中に括り付けられた大量の手榴弾を見たバグズ達は少しだけ距離を取った。龍二の意図を理解したアリスは首を横に振りダメだと言いながら立ち上がる。
「そいつは……お松は内弁慶でヘタレ野郎だがな、俺の唯一無二の相棒なんだ。頼んだぜ、アリス」
「龍二はん!」
「ダメです、龍二さん!」
二人の静止を振り切りバグズに向かって龍二が駆け出した直後、建物を倒壊させるほどの突風が吹き荒れた。衝撃でバグズ達は吹き飛ばされ、辺りは一瞬で更地に変わり砂埃が視界を覆った。
「くっ、今度はなんだってんだ!」
急死に一生を得た龍二が木霊する。だんだんと視界が鮮明になっていくと、瓦礫の山に倒れ込む全身血塗れの花音の姿が見えた。ギリギリで意識を保っているのか、か細い呻き声を上げながら必死に立ちあがろうともがいている。
「花音ちゃん……花音ちゃん!」
「アリス……早く……逃げて」
限界をとっくに超えている花音は、尚も駆け寄るアリスを庇うため立ち上がるがすぐに倒れ込んでしまう。
突風が発生した先からゆっくりと歩み寄るグランが現れ、底無しに冷たい視線をアリスに向けた。
「ふむ、こんなものだろうな。思いのほか時間がかかったのは想定外だったが」
「てめえか、お嬢をこんなにしたのは」
「他にも生き残りがいたのか。全く、その生命力と適応力には驚かされるな」
「女を傷つける男が舐めたこと言ってんじゃねえぞ!」
怒りのまま銃を撃ち駆け出す龍二を、グランは闇の斬撃を放ち簡単に吹き飛ばした。眉一つ動かすことなく、グランは退屈な表情のまま歩み寄る。
「大人しくウイルス共に喰われていれば苦しまずに済んだものを。呆れた連中だ……ん?」
お松を下ろし、アリスは震えながらグランの前に立った。恐怖で涙が溢れ、視界も虚に歪むのも構わずアリスは盾となるように立ち尽くす。
「みんなは……みんなは殺させません」
「お前に何が出来る? 戦うことも出来ない今のお前に、そこの虫ケラ共を守れるとでも思っているのか?」
必死の状況の最中、アリスの脳裏には今までの記憶が走馬灯のように流れる。命懸けで窮地を救ってくれた龍二、不安に押し潰されそうな自分を励ましてくれたお松。ボロボロになりながら、自分の傷を厭わず守ってくれた花音を置いて逃げるという選択をアリスは拒絶した。
「アリスはん……いいんや、アリスはんだけでも逃げえ!」
「逃げません! みんなが私を守ってくれたんです。私を庇って傷ついたんです! 今度は私が……」
立ち尽くすアリスの息の根を止めるため、グランは無慈悲に剣を構え闇の斬撃を放った。
その瞬間、首元のペンダントからピンク色の光が溢れ出しアリスの身体を包み込む。
「私がみんなを守る番だから!」
光が一層輝きを増すと放たれた斬撃を打ち消し、目の前のグランを弾き飛ばした。素早く体勢を立て直したグランの目に映ったのは、花音と瓜二つの衣装に身を包んだアリスの姿だった。
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