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第一章 後半
第103話:王都への帰還
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オレたちはまずはセツナを回収してから、妖精の通り道で王都近くの森の中にまで戻ってきた。
ちなみに何がとは言わないが、リリーがギリギリの所で思い出した。
ルルーは……きっと口に出さなかっただけだ。そういうことにしておいてあげて。守護神獣とはいったい……。
「これから王都に入ったら冒険者ギルドに向かうけど、ゼクトたちは今のうちにパーティー名を考えておいてくれ」
妖精界を出る前にゼクトたちはこれからどうするのかを話し合ったのだが、基本みんなオレに任せるという話だった。丸投げとも言う。
「わかった。何か良いパーティー名を考えておく」
ゼクトたちが案を出し合っているのを横目に、オレはあらためて周りに視線をやる。
なんか一気に増えたな~。
「ほんと、これからどうしようか」
そんなことを呟きながら、王都に向けて歩き出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
歩きながら、さっき話した内容を頭の中で整理する。
まずゼクトたちだが、彼らには冒険者登録をしてパーティーを結成して貰うことになった。
当面は普通の人族の暮らしに慣れてもらいつつ、依頼をこなしてA級冒険者を目指す。
まぁ、おそらく彼らの実力ならA級冒険者までならすぐにたどり着けるだろう。
本当はヴィーヴルも引き取って……じゃなくて、同じパーティでA級冒険者を目指してもらいたかったのだが、パーティーは五名を超えると経験値効率が極端に悪くなる。
魔物などを倒した時、その身に宿る魔力を吸収して強くなることがわかっているが、なぜか六名以上でパーティーを組むと、ほとんど魔力が吸収されない。そのため、冒険者ギルドでも六名以上のパーティー申請は基本認められていないのだ。
だから結局ヴィーヴルは『恒久の転生竜』に入ってもらうことになった。
いろいろ心配事もあるが、問題にならないように祈るばかりだ……。
あと、テトラはオレに仕え、お世話が出来れば他はどうでも良いらしい。
ジルに頼んで角にだけは隠蔽の魔法をかけてもらって魔族とわからないようにして貰っているが、何が何でも元魔王とだけはバレないようにしなければならない。
近いうちに屋敷を購入する予定なので、連れ歩くのではなく、そこの管理でも任せようかと思っている。
史上初の元魔王のメイドが誕生する事になりそうだ。
それと、セツナもオレたちに付いてきてしまっている。
当分リリーとルルーの守護神獣として行動を共にするらしい。
とりあえず「ほにゃららキャット」とか適当な名前を付けて、レアな従魔として申請してみようと思う。申請通るだろうか……。
最後に元々の『恒久の転生竜』のメンバーだが、こちらは今まで通りだ。
主にリリーとルルーのご機嫌取りに努めるぐらい?
ジルの千里眼によると、リルラの方は依頼をあっさり達成し、今は精霊獣で王都に向かっているそうだ。
早ければ明日にでも合流できるかもしれない。
リルラなら大丈夫だろうと心配はしていなかったが、それでも無事を知ってちょっとほっとした。
しかし……この状況をどうやって説明したものか。
リルラなら怒ったりはしないで、オレが決めたことならとあっさりと受け入れてくれそうなのが救いだ。
ほどなくして王都に着いたオレたちは、その足でそのまま冒険者ギルドに向かった。
街に入るときにヴィーヴルたちやテトラが身分を証明するものを何一つ持っていなくてひと悶着起きるかと思ったが、オレたちが『月下の騎士』の称号を受けた名誉子爵だとわかるとあっさりと通してくれた。
さすが貴族特権。
まぁテトラに関しては、たとえ彼女が身分を証明するものを持っていたとしても、絶対にそんなものは使えないのだが。
あと、セツナはジルのような隠蔽は使えなかったが、普段のジルのように身体を小さくすることができたので、今は白い子猫のような姿をしており問題にはならなかった。
ちなみに小さくなると猫のような不思議な白い獣の姿をしている。
オレには見方によっては子犬のようにも見えたのだが、リリーとルルー曰く、絶対に猫っぽい獣だそうだ。圧がすごかったので猫ということになった。
まぁ確かに白い獣の獣人である二人の耳は猫耳っぽいし、尻尾も細身で猫っぽいけれど……。
その後、お上りさん全開ですぐにどこかへ走り出すゼクトたち五人に苦労させられながらも、一時間ほどでなんとか冒険者ギルドに着いた。
しかし、意外にもゼクトが目を輝かせて先頭きって走り出すのが可笑しく、ヴィーヴルと二人で笑ってしまった。
ギルドの扉をくぐったオレたちは、そのまま受付に向かうとS級試験の依頼報告をするためにグランドギルドマスターへの取り次ぎをお願いした。
ただ、結果報告もするが、半分は面倒なごとにならないように、色々と融通を利かせて貰えないか相談するのが一番の目的だったりする。
案内してくれたギルド職員が部屋の扉を開けると、グランドギルドマスターのネギさんが机の上の書類を前に頭を抱えていた。
珍しくちゃんと起きて仕事をしていたようだ。
「コウガよ……それで……なんでこんな大人数なんじゃ?」
執務室に入ったオレたちを見て怪訝な顔をしている。
「ネギさん、えっと……ちょ~っと話すと長くなるんですけど、今 時間は大丈夫でしょうか?」
オレはそう言うと、この短い間に起きた嘘のようなほんとな出来事を淡々と話し始めたのだった。
************************
第一章完結まで毎日更新予定です!
お楽しみに!
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ちなみに何がとは言わないが、リリーがギリギリの所で思い出した。
ルルーは……きっと口に出さなかっただけだ。そういうことにしておいてあげて。守護神獣とはいったい……。
「これから王都に入ったら冒険者ギルドに向かうけど、ゼクトたちは今のうちにパーティー名を考えておいてくれ」
妖精界を出る前にゼクトたちはこれからどうするのかを話し合ったのだが、基本みんなオレに任せるという話だった。丸投げとも言う。
「わかった。何か良いパーティー名を考えておく」
ゼクトたちが案を出し合っているのを横目に、オレはあらためて周りに視線をやる。
なんか一気に増えたな~。
「ほんと、これからどうしようか」
そんなことを呟きながら、王都に向けて歩き出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
歩きながら、さっき話した内容を頭の中で整理する。
まずゼクトたちだが、彼らには冒険者登録をしてパーティーを結成して貰うことになった。
当面は普通の人族の暮らしに慣れてもらいつつ、依頼をこなしてA級冒険者を目指す。
まぁ、おそらく彼らの実力ならA級冒険者までならすぐにたどり着けるだろう。
本当はヴィーヴルも引き取って……じゃなくて、同じパーティでA級冒険者を目指してもらいたかったのだが、パーティーは五名を超えると経験値効率が極端に悪くなる。
魔物などを倒した時、その身に宿る魔力を吸収して強くなることがわかっているが、なぜか六名以上でパーティーを組むと、ほとんど魔力が吸収されない。そのため、冒険者ギルドでも六名以上のパーティー申請は基本認められていないのだ。
だから結局ヴィーヴルは『恒久の転生竜』に入ってもらうことになった。
いろいろ心配事もあるが、問題にならないように祈るばかりだ……。
あと、テトラはオレに仕え、お世話が出来れば他はどうでも良いらしい。
ジルに頼んで角にだけは隠蔽の魔法をかけてもらって魔族とわからないようにして貰っているが、何が何でも元魔王とだけはバレないようにしなければならない。
近いうちに屋敷を購入する予定なので、連れ歩くのではなく、そこの管理でも任せようかと思っている。
史上初の元魔王のメイドが誕生する事になりそうだ。
それと、セツナもオレたちに付いてきてしまっている。
当分リリーとルルーの守護神獣として行動を共にするらしい。
とりあえず「ほにゃららキャット」とか適当な名前を付けて、レアな従魔として申請してみようと思う。申請通るだろうか……。
最後に元々の『恒久の転生竜』のメンバーだが、こちらは今まで通りだ。
主にリリーとルルーのご機嫌取りに努めるぐらい?
ジルの千里眼によると、リルラの方は依頼をあっさり達成し、今は精霊獣で王都に向かっているそうだ。
早ければ明日にでも合流できるかもしれない。
リルラなら大丈夫だろうと心配はしていなかったが、それでも無事を知ってちょっとほっとした。
しかし……この状況をどうやって説明したものか。
リルラなら怒ったりはしないで、オレが決めたことならとあっさりと受け入れてくれそうなのが救いだ。
ほどなくして王都に着いたオレたちは、その足でそのまま冒険者ギルドに向かった。
街に入るときにヴィーヴルたちやテトラが身分を証明するものを何一つ持っていなくてひと悶着起きるかと思ったが、オレたちが『月下の騎士』の称号を受けた名誉子爵だとわかるとあっさりと通してくれた。
さすが貴族特権。
まぁテトラに関しては、たとえ彼女が身分を証明するものを持っていたとしても、絶対にそんなものは使えないのだが。
あと、セツナはジルのような隠蔽は使えなかったが、普段のジルのように身体を小さくすることができたので、今は白い子猫のような姿をしており問題にはならなかった。
ちなみに小さくなると猫のような不思議な白い獣の姿をしている。
オレには見方によっては子犬のようにも見えたのだが、リリーとルルー曰く、絶対に猫っぽい獣だそうだ。圧がすごかったので猫ということになった。
まぁ確かに白い獣の獣人である二人の耳は猫耳っぽいし、尻尾も細身で猫っぽいけれど……。
その後、お上りさん全開ですぐにどこかへ走り出すゼクトたち五人に苦労させられながらも、一時間ほどでなんとか冒険者ギルドに着いた。
しかし、意外にもゼクトが目を輝かせて先頭きって走り出すのが可笑しく、ヴィーヴルと二人で笑ってしまった。
ギルドの扉をくぐったオレたちは、そのまま受付に向かうとS級試験の依頼報告をするためにグランドギルドマスターへの取り次ぎをお願いした。
ただ、結果報告もするが、半分は面倒なごとにならないように、色々と融通を利かせて貰えないか相談するのが一番の目的だったりする。
案内してくれたギルド職員が部屋の扉を開けると、グランドギルドマスターのネギさんが机の上の書類を前に頭を抱えていた。
珍しくちゃんと起きて仕事をしていたようだ。
「コウガよ……それで……なんでこんな大人数なんじゃ?」
執務室に入ったオレたちを見て怪訝な顔をしている。
「ネギさん、えっと……ちょ~っと話すと長くなるんですけど、今 時間は大丈夫でしょうか?」
オレはそう言うと、この短い間に起きた嘘のようなほんとな出来事を淡々と話し始めたのだった。
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第一章完結まで毎日更新予定です!
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今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
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