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第一章 中盤
第52話:カリンちゃんの憂鬱 その3
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◆◇◆◇ カリン視点 ◆◇◆◇
「お母さん、ただいま~。お腹空いたよ~」
私が冒険者ギルドでの仕事を終えて妖精の呼子亭に帰ってくると、お母さんはいつものセリフを口にします。
「おかえり~今日は早かったんだね。でもカリン……もう子供じゃないんだから、すこしは女の子らしくしなさい」
最近お母さんは、口を開けば「女の子らしくしなさい」って言うけど、私はかなり女の子らしい方だと思うのにな~。
オシャレだって結構頑張ってるからね。
ただ、料理は壊滅的なのは認めるわ……最近はお母さんまで諦めて手伝いすらさせてくれなくなったし……。
「そんなことより、お母さんお母さん。今日もまだコウガさんは帰って来てない?」
「そんなことよりってあなたねぇ……。ふぅ……コウガさんは帰ってないわよ。あなたも依頼の内容知ってるんでしょ? それならいつ帰ってくるのかわかってるんじゃないの?」
もちろんそれはわかっているけど、もしかしたら大きくなったジルさんに乗って飛んで戻って来たり、転移魔法で帰って来てるかもしれないのです。
だから、ちゃんと確認しておかないとね。
あ、でも転移魔法はないかな~? ジルさん、大嫌いみたいだし?
「戻ってないのならそれでいいの。ちょっと気になったから聞いただけじゃない」
「あらあら。それなら、いいけどね~」
お母さんがなにか含みをもった言い方で笑っていますがかまっている暇はありません!
帰ってきていないなら一刻も早く部屋に戻って報告を聞かないといけませんから。
「なによ……。お母さん、それじゃご飯出来たら取りに来るから呼んでよね!」
私はそう言って自分の部屋へと急いだのでした。
部屋に入ると、待ってましたとばかりにたくさんの妖精さんが私の周りに集まって来ました。
「みんなただいま~! 今日も疲れたよぉ~」
「「「リリリリ~~♪」」」
妖精さんは五人全員元気みたいですね!
「ありがと~! 今日もお仕事疲れたけど、もう妖精さんのお陰で元気になっちゃった♪ みんなも元気だったかな?」
妖精さんたちが毎日こうして癒してくれますから、ギルドでどんなに失敗しても私はいつも元気を取り戻すことが出来ています。だから失敗なんてぜんぜん怖くないですね!
「「「リリリリ~~♪」」」
うん。妖精さんたちも元気そうで私も嬉しい♪
今日も妖精さんのお陰でもう復活です! 元気があり余って困るぐらい!
いつも妖精さんが光を発しながら何か私に呟いているのですが、それが気持ちいいんですよね~♪ ぽわぽわ~ってして!
今日もC級冒険者パーティーにゴブリンの生息地までの資料を渡すつもりが、間違ってオークの集落への資料を渡しちゃったけど、瀕死になりつつも何とか意地で殲滅して帰ってきたから結果オーライよね! ちょっとぼろぼろだったけど評価あがったしね!
いつも同じ冒険者ランクの『恒久の転生竜』さんにもっと強い敵の討伐依頼を斡旋してるから、つい臨時で担当したC級パーティーにも同じように斡旋しちゃった。
うっかり間違えないようにしないと!
あっ、そんな些細な事より、今日も妖精さんたちからの報告を聞かなきゃ!
「それじゃぁ順番に報告お願いしま~す!」
私のその言葉で、最初に友達になった妖精さんから順番に報告を始めてくれました。
「え? 叡智の塔でそんな事があったんですねぇ。やっぱり前に下見をお願いした時に怪しい奴がいたからルルーさんにそれとなく自然におススメしておいて良かったです!」
ふふふふ。狙い通りです!
やはりコウガさんに向かって貰って良かった~。
またこれでコウガさんが活躍して、ギルドからの評価を上げることができるでしょう♪
そして報告は続きます。
「え!? リルラちゃんって、そんな大精霊呼べるんだ~!」
さすがに神代の兵器が出て来るのは予想していませんでしたが、リルラちゃんがそんなに強いのもまた予想外でした。
「リルラちゃんまでそんな強いのなら、次からはもっと……♪」
これは今後コウガさんたちにまわす依頼は、もっともっとも~っと難易度の高いものをまわさなければいけませんね!
そしてまだまだ報告は続きます。
「へ~王女様か~。コウガさんたちの後ろ盾にいいかも?」
リスクもあるけど、なんかいい感じに仲良くなってそうですし、後ろ盾になってくれないかな?
うん、またちょっと策略を考えておこ♪
「報告ありがと~。じゃぁ次で最後かな?」
四人目までの報告が終わり、次で最後、五人目の報告です。
魔族が街の中に魔界門をいくつも設置しようとしていたのには驚かされましたが、さすが私の担当する『恒久の転生竜』の人たちです。
その魔界門も、もう既に制圧がほぼ終わろうとしているようです。
しかし、五人目の報告が始まって、私はちょっと動揺してしまいました。
「妖精さん、それは本当なのですか?」
「リリリリ~~♪」
ほんとにほんとに本当のようですね。
これはこうしてはいられません。
私は部屋着を脱ぐと、一度脱いだ仕事着にまた着替え、軽くメイクをし直します。
さっき帰ってすぐに落とさなければ良かったのですが、落としてしまったものは仕方ありません。
でも、ギルドに出向くのにノーメークなんてありえませんからね。
どんな緊急事態でもちゃんと身だしなみは整えないと!
「よし! これでメイク完了です! こうしてはいられません! 急ぎましょう!」
私は両拳をぎゅっと握りしめて気合いを入れなおすと、部屋を飛び出て階段を駆け下ります。
「お母さん、ちょっと出掛けてくるね!」
「え? ちょっとカリン~! 晩御飯は~!!」
ご飯という言葉に後ろ髪をひかれますが、家を飛び出て冒険者ギルドへと急ぐのでした。
********************
影の暴走ヒロイン、カリンちゃんの覚醒イベント(?)回でしたw
善性の女の子なので見守ってあげてくださいね
********************
「お母さん、ただいま~。お腹空いたよ~」
私が冒険者ギルドでの仕事を終えて妖精の呼子亭に帰ってくると、お母さんはいつものセリフを口にします。
「おかえり~今日は早かったんだね。でもカリン……もう子供じゃないんだから、すこしは女の子らしくしなさい」
最近お母さんは、口を開けば「女の子らしくしなさい」って言うけど、私はかなり女の子らしい方だと思うのにな~。
オシャレだって結構頑張ってるからね。
ただ、料理は壊滅的なのは認めるわ……最近はお母さんまで諦めて手伝いすらさせてくれなくなったし……。
「そんなことより、お母さんお母さん。今日もまだコウガさんは帰って来てない?」
「そんなことよりってあなたねぇ……。ふぅ……コウガさんは帰ってないわよ。あなたも依頼の内容知ってるんでしょ? それならいつ帰ってくるのかわかってるんじゃないの?」
もちろんそれはわかっているけど、もしかしたら大きくなったジルさんに乗って飛んで戻って来たり、転移魔法で帰って来てるかもしれないのです。
だから、ちゃんと確認しておかないとね。
あ、でも転移魔法はないかな~? ジルさん、大嫌いみたいだし?
「戻ってないのならそれでいいの。ちょっと気になったから聞いただけじゃない」
「あらあら。それなら、いいけどね~」
お母さんがなにか含みをもった言い方で笑っていますがかまっている暇はありません!
帰ってきていないなら一刻も早く部屋に戻って報告を聞かないといけませんから。
「なによ……。お母さん、それじゃご飯出来たら取りに来るから呼んでよね!」
私はそう言って自分の部屋へと急いだのでした。
部屋に入ると、待ってましたとばかりにたくさんの妖精さんが私の周りに集まって来ました。
「みんなただいま~! 今日も疲れたよぉ~」
「「「リリリリ~~♪」」」
妖精さんは五人全員元気みたいですね!
「ありがと~! 今日もお仕事疲れたけど、もう妖精さんのお陰で元気になっちゃった♪ みんなも元気だったかな?」
妖精さんたちが毎日こうして癒してくれますから、ギルドでどんなに失敗しても私はいつも元気を取り戻すことが出来ています。だから失敗なんてぜんぜん怖くないですね!
「「「リリリリ~~♪」」」
うん。妖精さんたちも元気そうで私も嬉しい♪
今日も妖精さんのお陰でもう復活です! 元気があり余って困るぐらい!
いつも妖精さんが光を発しながら何か私に呟いているのですが、それが気持ちいいんですよね~♪ ぽわぽわ~ってして!
今日もC級冒険者パーティーにゴブリンの生息地までの資料を渡すつもりが、間違ってオークの集落への資料を渡しちゃったけど、瀕死になりつつも何とか意地で殲滅して帰ってきたから結果オーライよね! ちょっとぼろぼろだったけど評価あがったしね!
いつも同じ冒険者ランクの『恒久の転生竜』さんにもっと強い敵の討伐依頼を斡旋してるから、つい臨時で担当したC級パーティーにも同じように斡旋しちゃった。
うっかり間違えないようにしないと!
あっ、そんな些細な事より、今日も妖精さんたちからの報告を聞かなきゃ!
「それじゃぁ順番に報告お願いしま~す!」
私のその言葉で、最初に友達になった妖精さんから順番に報告を始めてくれました。
「え? 叡智の塔でそんな事があったんですねぇ。やっぱり前に下見をお願いした時に怪しい奴がいたからルルーさんにそれとなく自然におススメしておいて良かったです!」
ふふふふ。狙い通りです!
やはりコウガさんに向かって貰って良かった~。
またこれでコウガさんが活躍して、ギルドからの評価を上げることができるでしょう♪
そして報告は続きます。
「え!? リルラちゃんって、そんな大精霊呼べるんだ~!」
さすがに神代の兵器が出て来るのは予想していませんでしたが、リルラちゃんがそんなに強いのもまた予想外でした。
「リルラちゃんまでそんな強いのなら、次からはもっと……♪」
これは今後コウガさんたちにまわす依頼は、もっともっとも~っと難易度の高いものをまわさなければいけませんね!
そしてまだまだ報告は続きます。
「へ~王女様か~。コウガさんたちの後ろ盾にいいかも?」
リスクもあるけど、なんかいい感じに仲良くなってそうですし、後ろ盾になってくれないかな?
うん、またちょっと策略を考えておこ♪
「報告ありがと~。じゃぁ次で最後かな?」
四人目までの報告が終わり、次で最後、五人目の報告です。
魔族が街の中に魔界門をいくつも設置しようとしていたのには驚かされましたが、さすが私の担当する『恒久の転生竜』の人たちです。
その魔界門も、もう既に制圧がほぼ終わろうとしているようです。
しかし、五人目の報告が始まって、私はちょっと動揺してしまいました。
「妖精さん、それは本当なのですか?」
「リリリリ~~♪」
ほんとにほんとに本当のようですね。
これはこうしてはいられません。
私は部屋着を脱ぐと、一度脱いだ仕事着にまた着替え、軽くメイクをし直します。
さっき帰ってすぐに落とさなければ良かったのですが、落としてしまったものは仕方ありません。
でも、ギルドに出向くのにノーメークなんてありえませんからね。
どんな緊急事態でもちゃんと身だしなみは整えないと!
「よし! これでメイク完了です! こうしてはいられません! 急ぎましょう!」
私は両拳をぎゅっと握りしめて気合いを入れなおすと、部屋を飛び出て階段を駆け下ります。
「お母さん、ちょっと出掛けてくるね!」
「え? ちょっとカリン~! 晩御飯は~!!」
ご飯という言葉に後ろ髪をひかれますが、家を飛び出て冒険者ギルドへと急ぐのでした。
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影の暴走ヒロイン、カリンちゃんの覚醒イベント(?)回でしたw
善性の女の子なので見守ってあげてくださいね
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
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