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大恋愛からの破局、そして新しい恋へ

Uとの付き合い、そして破局

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それからはお金を貸してなどと言ってくることは一度もなかった。
パチンコに行っていないか時々聞くが、私と遊んで連絡を取って、そんな時間もないような様子だったため、そのうちそんなことも忘れて楽しく過ごした。

そしてRもPと付き合い始めたため、4人でダブルデートを何度もした。
カラオケ、ボーリング、複合スポーツ施設、花火大会にみんなで行って、夜の山に行き、誰もいないスキー場の駐車場で4人で花火をした。Uはテンションがぶち上がって上裸になり、花火を持って走り回っていた笑
冬にはロッジを借りて4人でお泊まり。Rの家に4人で泊まって、たこ焼きパーティーをした後、シングルベッドに4人で寝転んでぎゅうぎゅうになって寝た。
本当に楽しくて良い思い出だ。
今でもRとあの時の話をする。

面白くて優しいUのことは本当に大好きだった。
いつの間にか私が隣の市まで車を走らせUの実家に泊まることが多くなった。
当時、震災の煽りを受け、私の園が潰れることが決まり、Uのいる市にある姉妹園に応援に行くことが増えていたため、私もUの家から通った方が便利だった。

なんとなくこのまま結婚するような雰囲気だったため、自分の園が大好きだった私は、応援に行っている園からの誘いを断り、Uの住む市にある幼稚園に転職することを決めた。
転職先はどこでも良かったが、1番の理由はその時に探した中では1番給料が高かったことだったが、確かにUの家が近いと通うのも楽だというのもあった。

私は本当に浅はかだった。

1年半ほど付き合った頃から少しずつ喧嘩することが増えてきた。
私が幼稚園に勤め始めるとUの家に行く頻度が増えてきた。
Uも言うように半同棲のような状態になり、Uといる時間が増えてきた。
そうすると少しのことでも苛立つことが増えた。

喧嘩ばかりしていたが寝たらすぐ忘れて仲直りした。
それを繰り返していたある日、誕生日にUにあげたスノーボードが無くなっていることに気付いた。
あれは2人で選びに行き、12月が誕生日だったので買ってあげた思い出の品だ。

スノーボードどこに置いたの??
と聞くと、
え?売ったよ?
なんの悪気もなさそうに言われた。
とてもショックだった。と同時に嫌な予感がしてきた。
なんで売ったの?
えーと、、、お金無くて。パチンコで負けたから。
え?(呆然)

問い詰めるとパチンコ通いはずっと続けていたらしい。嫌われたくないがためにバレないようにしていたと言った。それで、負けた時はおばあちゃんに金を貸してもらっていたが、とうとうおばあちゃんにも貸してもらえなくなったらしく、泣く泣くスノーボードを売ったらしい。パチンコで勝てば同じものを買ってきてバレないようにしようと思っていたと言われた。
聞けば、お金も全然返していなかったようだ。約束は全くもって、なにも果たされていなかった。
私との約束を破り続けていたことにショックを受け、軽んじられているように感じた。
愛がなかったんだと。
しかし、その一方でこれは異常だと感じた。
検索した所、パチンコ依存症だと思った。
金がなくなるまでやり続ける時点で異常だ。
それをUに言った。
依存症だから、カウンセリングに行こうと。
Uは拒否した。俺は依存症ではない。病気ではない。パチンコなんてすぐに辞められる。もうやらないと言った。
2人でおばあちゃんに謝りに行った。
月にいくらずつ返すと約束させた。
それからはパチンコに行っていないか、おばあちゃんにお金を返しているか短いスパンで確認するようにした。
私は別れなかった。
好きだったからだ。
そして、楽しい思い出がありすぎた。
思い出に縋っていた。
もう、そこにいるUは以前のUではなかった。
口うるさく聞いてくる女に成り下がってしまった私を疎ましく感じていたのだろう。
あんなに優しかったUが冷たくなった。
程なくしておばあちゃんに返済していないことがわかり、怒ったところ、別れを切り出された。

別れたくないと言った。

別れるしかなかった。

私は同じ轍を2度踏んだのだ。

Uと付き合って3度目の桜の時期だった。
春の到来を喜ぶ鳥の鳴き声が私の胸をちくちくと刺した。
春なんて嫌いだ。
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