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12.膝、痛めてたんですか?
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「レイ様…!申し訳ありません!イザベラ様が、攫われました!」
「何…!?」
「すぐ通りを出た所で待ち伏せされていました。応戦しましたが、相手の人数が多く……」
俺はカインに駆け寄って、体を支える。腹の傷を見ると、致命傷という程ではないようで、少しだけ安心した。
「私の魔法は攻撃特化で治癒ができない…。カミラ!カインを騎士団まで連れて行って手当と、こちらに応援を呼んでくれ!」
「は、はいっ!あの、レイ様は…?!」
俺は、カインの剣を取り、腰に差した。駆け寄って来たカミラにカインを預ける。
「私はイザベラ様を追う」
「レ、レイ様…!いけません、そんな細腕で!」
カインは驚き、青ざめているが…、大丈夫だ。
俺は顔が美しいだけじゃなく、腕も立つ。
王立魔法学校の競技会では、うっかり隙をつかれて負けてしまっただけで、本当は強い!
あの時は相手のズボンを誤って切ってしまい、下着姿になった対戦相手の股間が思ったよりも膨らんでいて、目が釘付けになってしまったのだ。そう言った幸運…、いや不運が無ければ俺は負けない!
「大丈夫だ。行ってくる!」
俺は店を出て、走り出した。
カインの血の匂いを辿って俺は走った。馬車を使って移動されたらまずい…。
犯人は複数いたと言っていたが、どんな奴らだろう?店で宝石を買ったから、街のゴロつきに目をつけられたのかもしれない。又は、側妃の存在が面白くない王妃一派の犯行…?後者なら俺の手に負えない。ゴロつき希望…!
通りを出て馬車を止めていた裏路地へ入ると、血の匂いが途切れてしまった。どうやら、ここで攫われたようだ。
「これは…」
側妃が抵抗したためか、宝石が一粒、落ちていた。それを拾い上げ、探知魔法を唱える。
「所有者の道を示せ…!」
……天才。
俺はやはり、顔が美しいだけではなかった。イザベラの落としたものを元に、その行方を魔法で探知してしまったのだ…!コレ、上級魔法である!
魔法が指し示したのは、街の奥、貧困街だった。
という事は、犯人はゴロつき…?いや、油断しない方がいい。それに俺の姿はとにかく目立つ。なんとかしなければ…。
俺は取り急ぎ、麻袋を購入した。目と口のところに穴を開けて被ったが、店のおじさんは「え、なにそれ、かわいい…」って顔をした…。俺は目と口だけでも可愛くて目立ってしまうのだが…、これで行くしかない!
貧困街の、更に奥に怪しげな男達が出入りする家を見つけた。これが犯人達の塒だろう。
一般市民に魔法を使える者は少ないが、魔法使いがいる場合、戦い方が異なるので、出来れば確認したい…。そっと、建物の側に寄ってみると、結界などの気配はなかった。やはり、魔法を使えるものは居ないようだ。
コレで王妃の線はなくなった。しかしゴロつきだとすると、人買いに売られる可能性がある…。
もしそんなことになったら、アレンは悲しむだろう。想像すると、胸が痛んだ。
騎士団の到着を待ちたかったが、人の出入りに紛れて連れ出されると困る。俺は単独で突入する事にした。
慎重に、扉を開けてこっそり侵入するはずが、扉が脆く、少し押しただけで、ばぁーんと、思いっきり開いてしまった…!
家の中は昼間だというのに窓がなく非常に薄暗い。そこには想像の何倍も人がいて、一斉にこちらを振り返った。
「な、なんだお前は…っ!」
一番手前の男が俺を見て叫んだ。麻袋越しにも可愛い俺が現れたから、驚いたようだ。
しかし、俺も驚いた…!カインが『大勢』と言ったのは本当だった。めちゃくちゃ人がいる!この人数を相手にしたから、魔法騎士といえど、カインは負傷してしまったのだ…!
「お前達が攫った女を返してもらおう!」
俺がカッコよく告げると、部屋の隅の大きな麻袋が、ジタバタと動いた。アレがイザベラだ。良かった。無事で…!
「何だお前!麻袋なんか被って、怪しい奴…!」
それ、こっちのセリフなんだけど…!
と、言う暇もなく、ゴロつき達が一斉に襲いかかって来た…!俺は直ぐに、魔法を唱える。
「白銀の雪よ、吹き荒れろ!」
「ぐぁ……っ!」
……天才。
たちまち、家の中を吹雪が襲い、男達は悲鳴をあげて床に伏せる。
部屋の中央で、首領と思われる男は吹雪を恐れもせず、俺を真っ直ぐに睨んでいた。しかし圧倒的な力の差を見せつけたからか、反撃しようとはしない。
「ちょっとレイっ!早く助けなさい!」
イザベラの金切り声を聞いた俺は、少し苛立った。
圧倒的な天才の俺だが、流石にちょっと、ゴロつきの家に突入するのは怖かった。しかも、ゴロつきを束ねる首領と睨み合うのも、こんな大勢を相手にするのも生まれて初めて…。それを、ありがとうでも無くいきなり文句を言うなんて!
危険を省みず助けに来たのは、イザベラのためじゃない。イザベラが、アレンの母親だからだ…!
「仲間を捕えるというなら、この女の命はない」
一瞬の隙に、首領の男が麻袋を持ち、それに剣をあてた。俺を脅すつもりのようだ。
「……おい、これ以上、罪を重ねるな!」
「お前達、貴族だろう?お前ら貴族が死んだ方が、国のためだ!」
確かに。こんな貧困街をそのままにして、夜会なんて呑気に開いているのだから…貴族が悪い、政治が悪いと思われても仕方ない。
「では取引いたしましょう。その女を解放すれば、この貧困街の現状に免じて、貴方の罪には情状酌量を加える…」
「レイ…っ!ふざけないで!私を攫ったのよ?、厳罰に処しますっ!」
さっきの話、聞いていたのか…?!全く、なんて女だ。しかし、イザベラはアレンの母親。助けなければならない。絶対に…!
「イザベラ様を助けるためです。ご辛抱を!」
男は、まだ剣を握ったままだったが、震える声で俺に尋ねる。
「お前を信じろと…?」
「ええ。私は見た目だけの男ではありませんから」
数秒、睨み合ったのち、男は剣を手から落とした。ガラン、と大きな音を立てて剣が転がった音を聞き、俺は麻袋の方へ、近付く。
被せられている麻袋を取ろうと手をかけた瞬間…。
「かかったな…!」
首領の側に控えていた数名の男達が一斉に飛びかかって来た!
「く…、凍てつけっ!」
俺は思いっきり魔法を放った。
自分も悴むほどの、猛吹雪が襲う…!
襲いかかって来た男達は凍りつき、俺とイザベラに向かって倒れて来た。
咄嗟に体当たりで麻袋を突き飛ばし、下敷きを免れたが、俺は自分の雪を大量に被って床に倒れ込んでしまった。
その時、大きな馬の嘶きと、蹄の音が響いた。扉が開き、一斎に人がなだれ込んでくる。騎士団だ…!
「レイ…!レイっ!どこだ!?レイっ!」
やって来たのは、アレンと騎士達だ。
「アレン…!」
「レイ…っ!」
アレンを、呼んだが、アレンは一目散に麻袋に抱きついた。
アレン…!
そうだよな、母が攫われたとなったら、心配だったよな…。アレンが麻袋をギュッと抱きしめる姿を見て、俺はやはり、イザベラを助けに入って良かったと、心から思った。
アレンの悲しむ顔は見たく無かった。アレンが、好きだから…。
やっぱり俺、カミラが言った通りだった。アレンを好きになってしまっていた…。
俺は雪の中を立ち上がり、イザベラを抱きしめているアレンの背後から声をかける。
「アレン、イザベラ様は無事…?」
さっき突き飛ばした上に、猛吹雪喰らわせちゃったから…。まさか凍ってないよね?
問いかけた俺を、アレンはイザベラを抱きしめたまま、振り返った。
「…レイ…?」
振り返った、アレンの顔色は無かった。
あ、俺、麻袋被ったままだった。目が出てるから、多分俺だって分かるとは思うけど…。念の為、麻袋を取り、アレンに微笑んだ。
「アレン、イザベラ様は無事だった?!凄い雪を降らせちゃったし、さっき突き飛ばしちゃって…」
アレンは視線を戻すと、一部凍っていた麻袋を力任せに剥ぎ取る。
麻袋の中から現れたイザベラは、顔を赤くし涙を流していた。感動の、親子再会である…。
アレンはもう一度、俺を振り返り、青かった顔色が、みるみるうちに赤くなっていく。
そしてアレンは雪の中へ、がっくりと膝から崩れ落ちた…。
「アレン…っ?!」
アレンお前まさか、古傷か何かで、膝が悪かったのか…?!この雪の寒さで、痛みが出てしまったんだな、すまない!
「レイ様……」
いつの間にか、俺の隣にカインとカミラがやって来ていた。カインとカミラは薄っすら微笑んでいる。
「…アレン殿下は、暫くそっとしておいた方がよろしいかと」
「しかし…」
そうは言っても放っておけない。俺は取り敢えず、膝が悪いらしいアレンに肩を貸した。
「恋人だと思って抱きしめた人が、もしも、母親だったとしたら…。私なら恥ずかし過ぎて、穴に深く潜って出て来ませんね」
カインがそんなことを言ったような気がしたのだが…。
アレンは俺の名前を呼んでいたから、『恋人』と言うのは聞き間違いだろう。
アレンは力無く「レイが麻袋を被っていたと聞いて…」と呟いた。
「何…!?」
「すぐ通りを出た所で待ち伏せされていました。応戦しましたが、相手の人数が多く……」
俺はカインに駆け寄って、体を支える。腹の傷を見ると、致命傷という程ではないようで、少しだけ安心した。
「私の魔法は攻撃特化で治癒ができない…。カミラ!カインを騎士団まで連れて行って手当と、こちらに応援を呼んでくれ!」
「は、はいっ!あの、レイ様は…?!」
俺は、カインの剣を取り、腰に差した。駆け寄って来たカミラにカインを預ける。
「私はイザベラ様を追う」
「レ、レイ様…!いけません、そんな細腕で!」
カインは驚き、青ざめているが…、大丈夫だ。
俺は顔が美しいだけじゃなく、腕も立つ。
王立魔法学校の競技会では、うっかり隙をつかれて負けてしまっただけで、本当は強い!
あの時は相手のズボンを誤って切ってしまい、下着姿になった対戦相手の股間が思ったよりも膨らんでいて、目が釘付けになってしまったのだ。そう言った幸運…、いや不運が無ければ俺は負けない!
「大丈夫だ。行ってくる!」
俺は店を出て、走り出した。
カインの血の匂いを辿って俺は走った。馬車を使って移動されたらまずい…。
犯人は複数いたと言っていたが、どんな奴らだろう?店で宝石を買ったから、街のゴロつきに目をつけられたのかもしれない。又は、側妃の存在が面白くない王妃一派の犯行…?後者なら俺の手に負えない。ゴロつき希望…!
通りを出て馬車を止めていた裏路地へ入ると、血の匂いが途切れてしまった。どうやら、ここで攫われたようだ。
「これは…」
側妃が抵抗したためか、宝石が一粒、落ちていた。それを拾い上げ、探知魔法を唱える。
「所有者の道を示せ…!」
……天才。
俺はやはり、顔が美しいだけではなかった。イザベラの落としたものを元に、その行方を魔法で探知してしまったのだ…!コレ、上級魔法である!
魔法が指し示したのは、街の奥、貧困街だった。
という事は、犯人はゴロつき…?いや、油断しない方がいい。それに俺の姿はとにかく目立つ。なんとかしなければ…。
俺は取り急ぎ、麻袋を購入した。目と口のところに穴を開けて被ったが、店のおじさんは「え、なにそれ、かわいい…」って顔をした…。俺は目と口だけでも可愛くて目立ってしまうのだが…、これで行くしかない!
貧困街の、更に奥に怪しげな男達が出入りする家を見つけた。これが犯人達の塒だろう。
一般市民に魔法を使える者は少ないが、魔法使いがいる場合、戦い方が異なるので、出来れば確認したい…。そっと、建物の側に寄ってみると、結界などの気配はなかった。やはり、魔法を使えるものは居ないようだ。
コレで王妃の線はなくなった。しかしゴロつきだとすると、人買いに売られる可能性がある…。
もしそんなことになったら、アレンは悲しむだろう。想像すると、胸が痛んだ。
騎士団の到着を待ちたかったが、人の出入りに紛れて連れ出されると困る。俺は単独で突入する事にした。
慎重に、扉を開けてこっそり侵入するはずが、扉が脆く、少し押しただけで、ばぁーんと、思いっきり開いてしまった…!
家の中は昼間だというのに窓がなく非常に薄暗い。そこには想像の何倍も人がいて、一斉にこちらを振り返った。
「な、なんだお前は…っ!」
一番手前の男が俺を見て叫んだ。麻袋越しにも可愛い俺が現れたから、驚いたようだ。
しかし、俺も驚いた…!カインが『大勢』と言ったのは本当だった。めちゃくちゃ人がいる!この人数を相手にしたから、魔法騎士といえど、カインは負傷してしまったのだ…!
「お前達が攫った女を返してもらおう!」
俺がカッコよく告げると、部屋の隅の大きな麻袋が、ジタバタと動いた。アレがイザベラだ。良かった。無事で…!
「何だお前!麻袋なんか被って、怪しい奴…!」
それ、こっちのセリフなんだけど…!
と、言う暇もなく、ゴロつき達が一斉に襲いかかって来た…!俺は直ぐに、魔法を唱える。
「白銀の雪よ、吹き荒れろ!」
「ぐぁ……っ!」
……天才。
たちまち、家の中を吹雪が襲い、男達は悲鳴をあげて床に伏せる。
部屋の中央で、首領と思われる男は吹雪を恐れもせず、俺を真っ直ぐに睨んでいた。しかし圧倒的な力の差を見せつけたからか、反撃しようとはしない。
「ちょっとレイっ!早く助けなさい!」
イザベラの金切り声を聞いた俺は、少し苛立った。
圧倒的な天才の俺だが、流石にちょっと、ゴロつきの家に突入するのは怖かった。しかも、ゴロつきを束ねる首領と睨み合うのも、こんな大勢を相手にするのも生まれて初めて…。それを、ありがとうでも無くいきなり文句を言うなんて!
危険を省みず助けに来たのは、イザベラのためじゃない。イザベラが、アレンの母親だからだ…!
「仲間を捕えるというなら、この女の命はない」
一瞬の隙に、首領の男が麻袋を持ち、それに剣をあてた。俺を脅すつもりのようだ。
「……おい、これ以上、罪を重ねるな!」
「お前達、貴族だろう?お前ら貴族が死んだ方が、国のためだ!」
確かに。こんな貧困街をそのままにして、夜会なんて呑気に開いているのだから…貴族が悪い、政治が悪いと思われても仕方ない。
「では取引いたしましょう。その女を解放すれば、この貧困街の現状に免じて、貴方の罪には情状酌量を加える…」
「レイ…っ!ふざけないで!私を攫ったのよ?、厳罰に処しますっ!」
さっきの話、聞いていたのか…?!全く、なんて女だ。しかし、イザベラはアレンの母親。助けなければならない。絶対に…!
「イザベラ様を助けるためです。ご辛抱を!」
男は、まだ剣を握ったままだったが、震える声で俺に尋ねる。
「お前を信じろと…?」
「ええ。私は見た目だけの男ではありませんから」
数秒、睨み合ったのち、男は剣を手から落とした。ガラン、と大きな音を立てて剣が転がった音を聞き、俺は麻袋の方へ、近付く。
被せられている麻袋を取ろうと手をかけた瞬間…。
「かかったな…!」
首領の側に控えていた数名の男達が一斉に飛びかかって来た!
「く…、凍てつけっ!」
俺は思いっきり魔法を放った。
自分も悴むほどの、猛吹雪が襲う…!
襲いかかって来た男達は凍りつき、俺とイザベラに向かって倒れて来た。
咄嗟に体当たりで麻袋を突き飛ばし、下敷きを免れたが、俺は自分の雪を大量に被って床に倒れ込んでしまった。
その時、大きな馬の嘶きと、蹄の音が響いた。扉が開き、一斎に人がなだれ込んでくる。騎士団だ…!
「レイ…!レイっ!どこだ!?レイっ!」
やって来たのは、アレンと騎士達だ。
「アレン…!」
「レイ…っ!」
アレンを、呼んだが、アレンは一目散に麻袋に抱きついた。
アレン…!
そうだよな、母が攫われたとなったら、心配だったよな…。アレンが麻袋をギュッと抱きしめる姿を見て、俺はやはり、イザベラを助けに入って良かったと、心から思った。
アレンの悲しむ顔は見たく無かった。アレンが、好きだから…。
やっぱり俺、カミラが言った通りだった。アレンを好きになってしまっていた…。
俺は雪の中を立ち上がり、イザベラを抱きしめているアレンの背後から声をかける。
「アレン、イザベラ様は無事…?」
さっき突き飛ばした上に、猛吹雪喰らわせちゃったから…。まさか凍ってないよね?
問いかけた俺を、アレンはイザベラを抱きしめたまま、振り返った。
「…レイ…?」
振り返った、アレンの顔色は無かった。
あ、俺、麻袋被ったままだった。目が出てるから、多分俺だって分かるとは思うけど…。念の為、麻袋を取り、アレンに微笑んだ。
「アレン、イザベラ様は無事だった?!凄い雪を降らせちゃったし、さっき突き飛ばしちゃって…」
アレンは視線を戻すと、一部凍っていた麻袋を力任せに剥ぎ取る。
麻袋の中から現れたイザベラは、顔を赤くし涙を流していた。感動の、親子再会である…。
アレンはもう一度、俺を振り返り、青かった顔色が、みるみるうちに赤くなっていく。
そしてアレンは雪の中へ、がっくりと膝から崩れ落ちた…。
「アレン…っ?!」
アレンお前まさか、古傷か何かで、膝が悪かったのか…?!この雪の寒さで、痛みが出てしまったんだな、すまない!
「レイ様……」
いつの間にか、俺の隣にカインとカミラがやって来ていた。カインとカミラは薄っすら微笑んでいる。
「…アレン殿下は、暫くそっとしておいた方がよろしいかと」
「しかし…」
そうは言っても放っておけない。俺は取り敢えず、膝が悪いらしいアレンに肩を貸した。
「恋人だと思って抱きしめた人が、もしも、母親だったとしたら…。私なら恥ずかし過ぎて、穴に深く潜って出て来ませんね」
カインがそんなことを言ったような気がしたのだが…。
アレンは俺の名前を呼んでいたから、『恋人』と言うのは聞き間違いだろう。
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