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第一章 「この世界、ミキサリウマ」

3話 「謎の男、ただの…」

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 旅に出たノムキネは早速スライムを倒した。
———————チート級の技、プロミネンス・ファイヤーを使って。

 プロミネンス・ファイヤーの火力である5000℃というのはどのくらい熱いのかというと、マグマの温度は大体1000℃なので、その5倍くらいである。人間がくらったら骨まで溶けてしまう温度だ。しかし、ノムキネは人を殺したいわけではない。なのでプロミネンス・ファイヤーの火力は調整できるようになっていて、5000℃から50℃まで調整できる。そして、ノムキネはこのプロミネンス・ファイヤーと同じくらい壊れている技を何個も思いついているのだ。天才的な発想力のノムキネと「創造」の力の相性は————


 めっちゃいい


—————————————————————
 ノムキネは電動キックボードを使い、住んでいた山の森をこえ、街に着こうとしていた。
その時—————

「お前、見ねぇ顔だなぁ」

 と、謎の男が話しかけてきた。

「今日から冒険をするために山から出てきたんですよ」

 ノムキネが答える。

「山から来たのになんで電動キックボードに乗ってるんだぁ?」

「ああ、僕が創ったんですよ」

「創った?どういうことだぁ?」

 謎の男は当然のことを言う。何故なら、物を創るというのはノムキネのように「創造」の力を持つものか、それと同じ系統の能力を持っているものにしかできない——————
古代の権能である「創造」の力を越えて物を創ることが出来る能力はないだろうが。

「僕の能力、「創造」の力で作ったんです」

「へぇ、お前の能力は「創造」って言うのか」

「そうです」

「じゃあその電動キックボードは何個も創れるのか?」

「創れますけど」

「じゃあ何個か俺にくれないか?」

 謎の男はノムキネに問いかける。

「なんでですか?」

「電動キックボードってのはな、高く売れるんだ。だからお前に創ってもらって、そして売る。そうしたら俺は金持ちになれるってわけ」

 物を創って売るというなんとも卑怯な方法で金を稼ごうとしている男。こんなやつは謎の男という名前からチンピラのチン・ピラと言う名前に変えてやろう。

「あなた最低なダメ人間ですね。他人の能力を使ってお金を稼ごうとするなんて...」

 ノムキネは正論を言う。

「ごちゃごちゃうるせぇ!俺にも能力があるんだ。俺の能力は「封印」っていうんだけどよぉ、触れた相手の能力を使えないようにすることが出来るんだ」

「それは厄介そうな能力ですね」

「お前も俺に能力を封印されたくなかったら、
俺に電動キックボード...いや、金になりそうな物をよこしやがれ!」

 チン・ピラはノムキネを脅す。しかし———

「僕の能力を封印したら、金になりそうな物を渡すどころか、電動キックボードを創ることもできなくなりますよ」

 ノムキネが当たり前のことを言う。すると、チン・ピラは———

「ほんまや」

 そう言葉をこぼした。チン・ピラ。男はバカであった。

「こんなことしてないで真面目に仕事でもしたらどうですか?「封印」の力があるなら戦いの役にたてそうなので、魔王討伐部隊にでも入ったらいいじゃないですか」

 ノムキネはダメ元で言ってみる。すると——

「それもいいな。じゃあちょっと今から魔王討伐部隊の入隊試験受けてくる」

 チン・ピラはバカであり、単純であった。何故このような人間がいままでチンピラをしていたのかが分からない。チン・ピラは走って街の奥へ走って去っていった。

「頑張ってくださーい」

 ノムキネは走って去っていくチン・ピラに大きな声でそう言った。

「おーう」

 チン・ピラも大きな声で返してくれた。

「本当に行ってしまいました。ダメ元で言っただけなのに。本当にあの人なんで今までチンピラやってたんでしょうか?」

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 魔王について話しておこう。魔王は世界の30分の1を支配している。30分の1だ。あえてもう一度言おう。世界の30分の1を支配している。戦力は大きい。だが、あえて支配をしないのだ。その理由は分からない。そして、魔王について詳しく知る者もいない。しかし、一つだけ分かっていることがある。魔王は古代の権能の一つを所有している。だが、魔王の持っている能力を“今”知る者はいない。魔王のしもべの最高戦力である「ギャラクシーズ」と呼ばれる軍団の誰も知らない。魔王は謎の存在なのだ————
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