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第2章 スローライフよ、今いずこ(9000字)
第16話 泣くな上司よ。
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銀行で引き出した額を見て、わたしは目を大きく見開いた。
「なにこれ」
通帳に並ぶ甘美な5桁の文字、¥60000に目が眩む。上司、こないだまでこんなに稼いでたのか。
でも、これをやり続けてたら年収200万円くらいはいくんじゃない? 暗算しても大体そのくらいだ。
なるほどだから上司テレビで野球観戦していてもよかったのか。
頭の中でいろんなペースがどんどんハマっていく。
すごい。
こんなひらめきが、あったんだ。
大学生の時以来の、新鮮なときめきが。
大学生——。
大学生か。そうだよな。
大学を卒業した途端、こんな会社に入社してしまった。
もしかしたら悪夢の連鎖は大学の時から続いていたのかもしれない。
どんな時から?
思い当たることが、一つだけ、ある。
それじゃあ早速退社っと——ってあれ?
上司だ。
「やめてくれ。俺たちは妻子二人を養ってるんだ。年収80万円じゃ足りないんですよォ!」あ、神から降格した途端に泣き落としを始めてるが、人事部長がそれを許すはずもない。「きみまともに仕事してなかったからクビね」とりあえずわたしも退職願を出し、颯爽とあの会社から脱出した。
——泣くな上司よ。
そう、言い残して。
「なにこれ」
通帳に並ぶ甘美な5桁の文字、¥60000に目が眩む。上司、こないだまでこんなに稼いでたのか。
でも、これをやり続けてたら年収200万円くらいはいくんじゃない? 暗算しても大体そのくらいだ。
なるほどだから上司テレビで野球観戦していてもよかったのか。
頭の中でいろんなペースがどんどんハマっていく。
すごい。
こんなひらめきが、あったんだ。
大学生の時以来の、新鮮なときめきが。
大学生——。
大学生か。そうだよな。
大学を卒業した途端、こんな会社に入社してしまった。
もしかしたら悪夢の連鎖は大学の時から続いていたのかもしれない。
どんな時から?
思い当たることが、一つだけ、ある。
それじゃあ早速退社っと——ってあれ?
上司だ。
「やめてくれ。俺たちは妻子二人を養ってるんだ。年収80万円じゃ足りないんですよォ!」あ、神から降格した途端に泣き落としを始めてるが、人事部長がそれを許すはずもない。「きみまともに仕事してなかったからクビね」とりあえずわたしも退職願を出し、颯爽とあの会社から脱出した。
——泣くな上司よ。
そう、言い残して。
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