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 フッと蹴った足は軽い。間もなくドンと音がする。自殺シュミレーター。プログラミング好きの僕が唯一作れたものだった。幼馴染の聖子は、そんな僕の趣味を気味悪がっていた。ある時から、僕は自殺シュミレーターを使わなくなった。そして、ゲームをするようになった。

 定期テストの期間が近づいて来た。前回の学年偏差値は56だったが、結果を見ると52だった。聖子は、59から57に落ちていた。
 
 その日から、僕たちの特訓がはじまった。聖子と僕で問題集を解き続ける日々だ。
 そして、次の定期テスト。僕は偏差値55、ちょっと淡いもやもやを抱えて聖子の元へ向かうと、聖子は58らしかった。

 やっぱり1回きりじゃ成績なんて上がらないのかな――

 発表があった次の日、聖子から呼び出され、僕は放課後の教室に向かった。
 
「また、特訓する?」

 僕は、答えに詰まった。あの日々の味気無さと言ったら! ゲームをしたい。いや、ゲームだけじゃ足りない、なにかが足りない。

――それが何なのかは、また、それをどうやって実行するのかは、偏差値を上げるよりかんたんで、ゲームをするより難しいことなのかもしれなかった。
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