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第24話:女王の帰還と、空っぽの玉座
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イザベラとの通話を一方的に切り捨てた雫は、一度、天を仰いだ。昨夜、蓮が、あの女に抱かれた。その事実は、研ぎ澄まされた刃のように、雫の心の最も柔らかい部分を突き刺し、抉った。だが、涙はもう、出なかった。こぼれ落ちたのは、血の代わりに、燃え盛るような“怒り”と、そして、夫(蓮)へのどうしようもないほどの“憐れみ”だった。
(……あの人は、わたくしがいないと、何もできない、大きな子供なのだから)
わたくしが、守らなくては。あの女の毒牙から。そして、彼自身の弱さから。
雫は、ヒールの音も高らかに、タクシーを拾った。行き先は、ただ一つ。『ネオ・フロンティア』――二人が築いた、天空の城。
オフィスのエントランスを抜けた瞬間、雫は息を呑んだ。そこは、かつての活気と希望に満ちた場所ではなく、まるで葬儀場のように、重く、淀んだ空気に満ちていた。スタッフたちは覇気がなく、モニターに向かう目も虚ろだ。王(蓮)と女王(雫)を同時に失い、コンペにも敗北した城は、内側から崩壊寸前だった。
「……雫、さん……?」
最初に気づいたのは、田中だった。その目には、幽霊でも見たかのような驚きが浮かんでいる。
「……雫さん!よかった、無事だったんですね!社長は!?社長も一緒じゃ……」「蓮さんはいません」
雫は、田中の言葉を、静かに遮った。彼女の声は、もう震えていなかった。氷のように冷たく、しかし、どこまでも澄んだ、指揮官の声だった。
オフィス中の視線が、一斉に雫に突き刺さる。やつれている。化粧も崩れ、スーツには皺が寄っている。だが、その瞳だけが、異常なほどの強い光を放っていた。
「……ですが、ご心配なく。王は、必ず戻られます」
雫は、フロアの中央に進み出ると、全員に聞こえるように、高らかに宣言した。
「わたくしたちの王が、いつ戻られてもいいように、この城を守り抜くのが、わたくしたち臣下の務め。……違いますか?」
その言葉に、虚ろだったスタッフたちの目に、微かな光が戻り始める。
「佐藤さん!」
「は、はい!」
「コンペ敗北で、離反したクライアントリストを、今すぐ作成してください。わたくしが、本日中に、全社に謝罪と“再提案”の連絡を入れます」
「田中さん!」
「お、おう!」
「イザベラ様の攻撃は、サイバー空間からも必ず来ます。今日から24時間体制で、城壁の守りを、最高レベルに引き上げてください」
「は、はい!!」
矢継ぎ早に飛ぶ、的確な指示。それは、もう、蓮の影にいた秘書ではない。城の全てを把握し、自らの足で立つ、“女王”の姿だった。スタッフたちは、その圧倒的な気迫に押されるように、一斉に動き始めた。淀んでいた空気が、再び流れ出す。
雫は、その光景を静かに見届けると、城の最奥――蓮の執務室、キングスルームへと向かった。ドアを開けると、そこは主を失い、冷え切っていた。だが、雫は、蓮が座るはずだった、あの巨大な革張りの玉座に、自ら、深く腰を下ろした。
そして、PCを起動すると、一通のメールを打つ。宛先は、ただ一人。『橘蓮』。
件名:『緊急取締役会招集』本文:『CEO。本日15時より、緊急取締役会を執り行います。議題は、対サーベラス・キャピタル防衛戦略について。
あなたの玉座を、空けてお待ちしております。
COO水瀬雫』
それは、妻からのメールではなかった。城を預かる女王から、戦場から逃亡した王への、最後通牒だった。
その頃、蓮は、ペントハウスの床の上で、死んだように転がっていた。イザベラを追い出した後、彼は再び酒を煽り、泥のような眠りに落ちていた。携帯が、無機質な音を立てて震える。鬱陶しそうに、その画面を見た瞬間、蓮の全身が、凍りついた。
『あなたの玉座を、空けてお待ちしております』
雫から。彼女が、城に、戻っている。
血の気が、引いていく。どうしよう。何を、言われるだろう。昨夜のことを、知っているのだろうか。いや、知らなくても、イザベラが、必ず、何らかの形で彼女に伝えるはずだ。どの面下げて、会えばいい。汚れた、この身で。
『怖い』
初めて、蓮の心に、純粋な“恐怖”が芽生えた。雫に、軽蔑されることが。彼女の、あの美しい瞳で、汚物を見るような目で見られることが。
行けない。行けるはずがない。
蓮は、携帯を投げ捨て、再び酒瓶に手を伸ばそうとした。その時、もう一度、携帯が鳴った。今度は、電話。ディスプレイには、イザベラ・ヴォスの名前。
蓮の指が、止まる。彼女は、必ず、雫に手を出すと、言っていた。俺が、行かなければ。俺が、この城から逃げ出した王であるならば、せめて、最後の責任として、女王を守るための盾にならなければ。
蓮は、よろめきながら立ち上がった。シャワーを浴びる時間も、髭を剃る時間も惜しい。彼は、昨夜イザベラに引き裂かれたシャツの代わりに、クローゼットから黒いシャツを掴み取ると、そのまま、城へと向かった。傷ついた、黒い獣のように。
15時、きっかり。キングスルームの重厚なドアが、開いた。雫は、玉座に座ったまま、顔を上げなかった。
部屋に入ってきた蓮は、息を呑んだ。彼女は、そこにいた。凛として、まるで最初からそこが彼女の場所だったかのように、玉座に座っている。その姿は、あまりにも神々しく、蓮は、一歩も、踏み出すことができなかった。
「……遅刻です、CEO」
雫は、手元の資料から目を離さないまま、冷たく言った。その声には、かつての甘さも、嫉妬の苦しみも、何もかもが消え去っていた。
「……すまない」
「謝罪は、結構です。それより、昨夜は」
びくり、と蓮の肩が震える。
「昨夜は、イザベラ様と、“有意義な”お時間を過ごされたとか。……わたくしが城を空けたばかりに、余計な“執務”を増やしてしまい、申し訳ございませんでした」
その言葉は、研ぎ澄まされた氷の刃だった。嫉妬でも、怒りでもない。ただ、事実として、蓮の罪を、突きつけていた。
蓮は、何も、言い返せなかった。ただ、その場に、立ち尽くす。
雫は、そこで初めて、ゆっくりと顔を上げた。そして、玉座から静かに立ち上がると、蓮の前まで、歩いてきた。彼女は、蓮のボロボロの姿を、その無精髭を、そして、昨夜の激情の痕が残る首筋を、冷徹な瞳で、ゆっくりと、見つめた。
そして、そっと、その手を、蓮の頬に、伸ばした。
蓮は、その手が自分を殴るのかと、覚悟して、目を閉じた。だが、頬に触れたのは、驚くほど、優しい感触だった。
「……可哀想に」
雫は、まるで、泥だらけになって帰ってきた子供を、あやすように、言った。
「……わたくしが、いけなかったのです。あなたという、手のかかる“獣”を、一匹で、荒野に放り出してしまったのですから」
その瞬間、蓮の瞳から、一筋の涙が、こぼれ落ちた。プライドも、地位も、何もかもを失った、ただの男の、涙だった。
「……ですが、もう、大丈夫です」
雫は、そう言うと、蓮の耳元に、そっと唇を寄せた。
「今夜は、わたくしが、あなたを“浄化”して差し上げます。……あの女の“毒”が、あなたの身体から、一滴残らず消え去るまで、ね」
それは、妻の言葉ではなかった。王の魂を救済する、女王の、宣告だった。
【続く】
(……あの人は、わたくしがいないと、何もできない、大きな子供なのだから)
わたくしが、守らなくては。あの女の毒牙から。そして、彼自身の弱さから。
雫は、ヒールの音も高らかに、タクシーを拾った。行き先は、ただ一つ。『ネオ・フロンティア』――二人が築いた、天空の城。
オフィスのエントランスを抜けた瞬間、雫は息を呑んだ。そこは、かつての活気と希望に満ちた場所ではなく、まるで葬儀場のように、重く、淀んだ空気に満ちていた。スタッフたちは覇気がなく、モニターに向かう目も虚ろだ。王(蓮)と女王(雫)を同時に失い、コンペにも敗北した城は、内側から崩壊寸前だった。
「……雫、さん……?」
最初に気づいたのは、田中だった。その目には、幽霊でも見たかのような驚きが浮かんでいる。
「……雫さん!よかった、無事だったんですね!社長は!?社長も一緒じゃ……」「蓮さんはいません」
雫は、田中の言葉を、静かに遮った。彼女の声は、もう震えていなかった。氷のように冷たく、しかし、どこまでも澄んだ、指揮官の声だった。
オフィス中の視線が、一斉に雫に突き刺さる。やつれている。化粧も崩れ、スーツには皺が寄っている。だが、その瞳だけが、異常なほどの強い光を放っていた。
「……ですが、ご心配なく。王は、必ず戻られます」
雫は、フロアの中央に進み出ると、全員に聞こえるように、高らかに宣言した。
「わたくしたちの王が、いつ戻られてもいいように、この城を守り抜くのが、わたくしたち臣下の務め。……違いますか?」
その言葉に、虚ろだったスタッフたちの目に、微かな光が戻り始める。
「佐藤さん!」
「は、はい!」
「コンペ敗北で、離反したクライアントリストを、今すぐ作成してください。わたくしが、本日中に、全社に謝罪と“再提案”の連絡を入れます」
「田中さん!」
「お、おう!」
「イザベラ様の攻撃は、サイバー空間からも必ず来ます。今日から24時間体制で、城壁の守りを、最高レベルに引き上げてください」
「は、はい!!」
矢継ぎ早に飛ぶ、的確な指示。それは、もう、蓮の影にいた秘書ではない。城の全てを把握し、自らの足で立つ、“女王”の姿だった。スタッフたちは、その圧倒的な気迫に押されるように、一斉に動き始めた。淀んでいた空気が、再び流れ出す。
雫は、その光景を静かに見届けると、城の最奥――蓮の執務室、キングスルームへと向かった。ドアを開けると、そこは主を失い、冷え切っていた。だが、雫は、蓮が座るはずだった、あの巨大な革張りの玉座に、自ら、深く腰を下ろした。
そして、PCを起動すると、一通のメールを打つ。宛先は、ただ一人。『橘蓮』。
件名:『緊急取締役会招集』本文:『CEO。本日15時より、緊急取締役会を執り行います。議題は、対サーベラス・キャピタル防衛戦略について。
あなたの玉座を、空けてお待ちしております。
COO水瀬雫』
それは、妻からのメールではなかった。城を預かる女王から、戦場から逃亡した王への、最後通牒だった。
その頃、蓮は、ペントハウスの床の上で、死んだように転がっていた。イザベラを追い出した後、彼は再び酒を煽り、泥のような眠りに落ちていた。携帯が、無機質な音を立てて震える。鬱陶しそうに、その画面を見た瞬間、蓮の全身が、凍りついた。
『あなたの玉座を、空けてお待ちしております』
雫から。彼女が、城に、戻っている。
血の気が、引いていく。どうしよう。何を、言われるだろう。昨夜のことを、知っているのだろうか。いや、知らなくても、イザベラが、必ず、何らかの形で彼女に伝えるはずだ。どの面下げて、会えばいい。汚れた、この身で。
『怖い』
初めて、蓮の心に、純粋な“恐怖”が芽生えた。雫に、軽蔑されることが。彼女の、あの美しい瞳で、汚物を見るような目で見られることが。
行けない。行けるはずがない。
蓮は、携帯を投げ捨て、再び酒瓶に手を伸ばそうとした。その時、もう一度、携帯が鳴った。今度は、電話。ディスプレイには、イザベラ・ヴォスの名前。
蓮の指が、止まる。彼女は、必ず、雫に手を出すと、言っていた。俺が、行かなければ。俺が、この城から逃げ出した王であるならば、せめて、最後の責任として、女王を守るための盾にならなければ。
蓮は、よろめきながら立ち上がった。シャワーを浴びる時間も、髭を剃る時間も惜しい。彼は、昨夜イザベラに引き裂かれたシャツの代わりに、クローゼットから黒いシャツを掴み取ると、そのまま、城へと向かった。傷ついた、黒い獣のように。
15時、きっかり。キングスルームの重厚なドアが、開いた。雫は、玉座に座ったまま、顔を上げなかった。
部屋に入ってきた蓮は、息を呑んだ。彼女は、そこにいた。凛として、まるで最初からそこが彼女の場所だったかのように、玉座に座っている。その姿は、あまりにも神々しく、蓮は、一歩も、踏み出すことができなかった。
「……遅刻です、CEO」
雫は、手元の資料から目を離さないまま、冷たく言った。その声には、かつての甘さも、嫉妬の苦しみも、何もかもが消え去っていた。
「……すまない」
「謝罪は、結構です。それより、昨夜は」
びくり、と蓮の肩が震える。
「昨夜は、イザベラ様と、“有意義な”お時間を過ごされたとか。……わたくしが城を空けたばかりに、余計な“執務”を増やしてしまい、申し訳ございませんでした」
その言葉は、研ぎ澄まされた氷の刃だった。嫉妬でも、怒りでもない。ただ、事実として、蓮の罪を、突きつけていた。
蓮は、何も、言い返せなかった。ただ、その場に、立ち尽くす。
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そして、そっと、その手を、蓮の頬に、伸ばした。
蓮は、その手が自分を殴るのかと、覚悟して、目を閉じた。だが、頬に触れたのは、驚くほど、優しい感触だった。
「……可哀想に」
雫は、まるで、泥だらけになって帰ってきた子供を、あやすように、言った。
「……わたくしが、いけなかったのです。あなたという、手のかかる“獣”を、一匹で、荒野に放り出してしまったのですから」
その瞬間、蓮の瞳から、一筋の涙が、こぼれ落ちた。プライドも、地位も、何もかもを失った、ただの男の、涙だった。
「……ですが、もう、大丈夫です」
雫は、そう言うと、蓮の耳元に、そっと唇を寄せた。
「今夜は、わたくしが、あなたを“浄化”して差し上げます。……あの女の“毒”が、あなたの身体から、一滴残らず消え去るまで、ね」
それは、妻の言葉ではなかった。王の魂を救済する、女王の、宣告だった。
【続く】
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