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第65話  黒髪は短めのクロード(ライナー幼少期)

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思い出したよおおおぉぉぉ!


と言いながら、三角帽子の先にポンポンが付いている物を被って、かなり可愛らしいパジャマを来たまま、歯磨きをしているライナーに突撃してきた。



「ライナー、実はね...。昨日天啓をお願いしたんだ。同僚が交換条件出してきたけど、それでも、ライナーの事思い出したかったからさ、教えてもらったんだ!」


とニコニコしながら言っている。昨日の続きだろうか...。
相変わらず意味がわからない。
天啓って、お願いして聞けるもの?


「とりあえず、ライナーの大好きな人、思い出してみよう、イマダ、イマダしゃちょーさん、思い出さない?」



ライナーの脳に電撃が流れた。

物凄い激痛が走ったのだ。



「聞き慣れない名前だけど、まえに居たところではポピュラーだったでしょ?」

「痛いです...。」

「凄い、一発で思い出しちゃった?ゴメンゴメン、少しずつヒントあげて思い出してほしかったんだけど...。」


凄い勢いで、記憶が流れて入ってくるものだから、ライナーは気を失った。


気がついたら、夕方になっていたようだ。

クロードは、今日はライナーが辛そうだったので、騎士団に一旦顔を出し、帰ってきたそうだ。


「今田社長が、神様やってるんですか?」

「うん、神様。」

「神様っていっぱいいるの?」

「うん、いっぱいいるよー、でも今神材不足ジンザイブソクでさ、ちょうど良く今田社長が来てさ、今はバリバリ働いてくれてるらしい。ちょっと一人一人に真摯に向き合いすぎて時間かかってるらしいけど。

あ、それよりさ、君達が来るまえにちょっと面白い子を見つけちゃってさ、話が合うって言うかさ...。
意気投合しちゃって、今この国の王子様に転生させてるんだけどさ、彼も私と同じで愛を知りたい人なんだよ!」



話が長い長い。


「僕もこの世界が終わったら、戻ってこいって言われちゃった。交換条件...。」


「え、でも、もしかしたらこの世界で転生を繰り返すかもって。」

「また降りてくる機会があったら会いましょう。あ、勿論この人生が終わるまでは、仲良くしてくださいね!」

「仲良くって...。俺は世話になっている立場ですよ。」

「だからだよ、遠慮は無しって事で。」

そして、おやっという顔でクロードがライナーの頬を触った。

「記憶が戻って...。凄いね!トラックの性能引き継いだみたいだね!しかも、イマダしゃちょーさんとの思いでの場所に旅行に行ける機能も付いてるね!良いなあ...。馴れるまで、一緒に行ってみよう!」


かくして、ライナーのチートな強さと能力を自覚なしに育て上げる、元神様であった。
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