8 / 78
8.恋の修復
「アリシア、気分が悪いなら自室でゆっくりしてもいい。王と王妃には、私の方から説明をしよう」
「エドモンド王子様、お気遣い頂きありがとうございます。王様と王妃様にお目通り願えるのは、この日以外にないと思います。最後のお別れのご挨拶をさせて頂きたく」
ゆっくりとした動作で、スカートの縁を握り、頭を少し垂れて腰を落とす。
このお辞儀は、何度も何度も家庭教師に怒られて、身につけたものだ。
最後に彼に披露できてよかった。
唇を噛み締める。
そうしないと涙がこぼれそうで、それを彼に見られたくない。
大丈夫かと抱きしめてくれた大きな手の温もり。
もうそれは過去の出来事。
二年間努力してきたことも無に帰す。
「アリシア、僕たちは本当にもうダメなのか? もう一度やり直せないのか?」
「エドモンド!やり直せないですよね。修復なんて不可能だってわかっていますよね。何言ってるんですか!」
思わず素が出てしまった。どんな問題も優雅に流すことが貴婦人のたしなみだと教わった。
しかし! 握りしめた拳に力が入る。
ここでおまえが原因だろうと殴れたら、どんなにスッキリすることか!
おかげ様で涙も引っ込んだ。
「エドモンド王子様、お気遣い頂きありがとうございます。王様と王妃様にお目通り願えるのは、この日以外にないと思います。最後のお別れのご挨拶をさせて頂きたく」
ゆっくりとした動作で、スカートの縁を握り、頭を少し垂れて腰を落とす。
このお辞儀は、何度も何度も家庭教師に怒られて、身につけたものだ。
最後に彼に披露できてよかった。
唇を噛み締める。
そうしないと涙がこぼれそうで、それを彼に見られたくない。
大丈夫かと抱きしめてくれた大きな手の温もり。
もうそれは過去の出来事。
二年間努力してきたことも無に帰す。
「アリシア、僕たちは本当にもうダメなのか? もう一度やり直せないのか?」
「エドモンド!やり直せないですよね。修復なんて不可能だってわかっていますよね。何言ってるんですか!」
思わず素が出てしまった。どんな問題も優雅に流すことが貴婦人のたしなみだと教わった。
しかし! 握りしめた拳に力が入る。
ここでおまえが原因だろうと殴れたら、どんなにスッキリすることか!
おかげ様で涙も引っ込んだ。
あなたにおすすめの小説
これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?
桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。
生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。
(……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)
婚約破棄された令嬢は辺境で幸せになります〜冷酷公爵の溺愛は聞いてません!〜
Airi
恋愛
王都で婚約者に裏切られ、処刑寸前まで追い詰められた侯爵令嬢エリス。
彼女を救ったのは、氷の公爵と呼ばれる辺境の貴族だった。
「二度と泣かせない」と誓う彼の腕の中で、傷ついた心は少しずつ溶かされていく。
だが王都では、エリスを破滅させた恋敵たちが、彼女を利用しようと再び動きはじめ——。
これは、“ざまぁ”の先にある、本当の愛と再生の物語。
追放された悪役令嬢は辺境で第二の人生を歩みます〜元婚約者が後悔しても、もう遅いですわ〜
Airi
恋愛
婚約者の王太子に一方的に断罪された公爵令嬢アリア。実家からも見捨てられ、辺境へと追放された彼女は、決して屈せず自ら生きる道を選ぶ。
やがて出会ったのは、無愛想だが優しさを隠しきれない辺境伯レオン。彼の庇護のもと、アリアは失った誇りと笑顔を取り戻していく――。
一方、王都では捨てたはずの令嬢を思い出し始める男たち。だが、彼女がいま見つけたのは“真実の愛”と“本当の幸せ”だった。
ざまぁも溺愛もたっぷり詰め込んだ、辺境再生ロマンス。
婚約を破棄して気づけば私は悪役令嬢でした。
hikari
恋愛
妹に婚約者を奪われて狼狽していたら、自分はある乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた事に気づく。
妹のナタリーがヒロイン。両親は妹の味方。唯一の味方が弟のルイでした。
しかも、何をしてもダメ出しをする間抜けな平民のダメンズに言い寄られ、しつこくされています。私に分相応なのはこの平民のダメンズなの!?
悪役令嬢ものは初めてです。
今作はギャグがメイン
突然倒れた婚約者から、私が毒を盛ったと濡衣を着せられました
景
恋愛
パーティーの場でロイドが突如倒れ、メリッサに毒を盛られたと告げた。
メリッサにとっては冤罪でしかないが、周囲は倒れたロイドの言い分を認めてしまった。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
冷遇された伯爵令嬢は断罪の後に花開く~婚約破棄されたその日から、私を愛してくれたのは隣国の氷の王太子でした~
まりあ
恋愛
社交界で“無能な装飾品”と蔑まれた伯爵令嬢アリシアは、ある日、婚約者である王太子に公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。やがて明らかになるのは、王国全体を揺るがす陰謀と、彼女が秘めていた真の力。絶望の淵で手を差し伸べてくれたのは――氷のように冷酷と噂される隣国の王太子だった。
裏切りと愛憎、そして赦しの果てに待つのは、冷たい瞳の奥に宿る痛いほどの溺愛。
ざまぁの果てに訪れる、真実の幸福を描く異世界恋愛譚。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯