異世界突撃戦士団の友よ!

幾橋テツミ

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第二章  聖剣皇子、乱舞の果てに…!?

骨肉の争い…決着戦は異世界で!

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「あはッ、予定どおりの結果とはいえ、なーんか想像以上にモロい相手だったなあ…もう失神しちゃったか…。

 まぁでも、ボクが繰り出したこの〈禁じ手〉にかかれば、大抵の連中はなまじなプライドなんざあっさりと引っがされてに打ち震えちゃうんだからムリもないけどねえ、クックククッ…。

 ──おッ、花凛ちゃんがついに憧れの四元センパイの股間に顔を埋める歓喜の瞬間が訪れたようだ…良かったネッ!!」

 意識を失って墜落してゆく聖剣皇子を救出すべく?全裸の高瀬花凛がに見せたのろい這い這いとはまさに真逆の、“桜色の砲弾”と形容するしかない猛スピードで急降下してたちまち追いついたのだが、その両腕は蓮馬の両腿にしっかりと巻きつけられ、顔面は〈創造主〉の紫の魔強士の言葉どおり黒いビキニパンツの中央部に深く埋め込まれていたのであった…。

「なるほど、今はその状態で十分ハッピーという訳か──おしゃぶりは着地した後、じっくり腰を据えてからのお楽しみということらしい…となると無我夢中の花凛ちゃんに代わってこのボクが四元総代が地面に叩きつけられてバラバラになるのを防いであげなくちゃならないナ…!」

 かくてバアル=シェザードが二人を追うべく降下を開始した瞬間、彼は失神者の右手から黄金の両刃剣が離れたのを目敏く確認し、直ちに迎撃態勢に入った。

「おやおや、ご主人様が絶体絶命のピンチだっていうのに、頼みの綱のキミが勝手に別行動を開始しちゃっていいのかい!?

 まさか卑怯にも可憐な花凛ちゃんに襲いかかるようなら、すぐにポキリとへし折って二度と四元サンのもとに戻れなくしてやるぜッ!!」

 ──されどこの挑発を嘲笑うかのように、金色の聖剣は真っ直ぐ紫の魔強士目がけて殺到して来た!

「そうそう、それでイイんだよッ!

 まさにペトゥルナワスの諺どおり、“勇者は勇者を知る”ってヤツだよなッ!!

 ──はれッ!?」

 敵によって贈られた賛辞を完全否定するかのように突如としてしてしまった剣が次の刹那いかなる場所に出現するかと身構えるバアルは両肘を直角に曲げて凶刃を煌めかせつつ、あたかも紫の独楽コマのごとく回転して全方位からの来襲に備える!

 ──されど聖剣が採った軌道は死角である脳天を目がけていたのだ!

「バ~カ!聖剣オマエごときの浅知恵なんざとっくにお見通しだヨッ!!」

 こう嘯いた悪童は何らのアクションも起こさず、そのまま直進して鉄兜に植え込まれた十数本もの鋭利なツノと危険な切っ先との激突を選択したようであったが──それを望まぬらしい聖剣は寸前でまたもや消滅してそれを回避した。

「チッ!いい加減にしろよッ、そういうことならこっちにも考えがあるぜッ!!」

 かくて一瞬にして妖星を彷彿とさせる紫の光球と化したバアル=シェザードは、その表面から数百本もの光焔を放出して周囲の大気を灼き焦がすことで空間に潜む凶器を炙り出す奇策に出た!

「──そこにいたなッ!

 覚悟しなクソ剣がッ!!みごと一刀両断にしてくれるぜッッ!!!」

 一本の光焔に灼かれつつ照らし出された聖剣に神速で飛びかかって右の偃月刀を叩きつけ、渾身の魔技によって広範囲に刃こぼれを生じさせたもののさすがにへし折るには至らず、くるくると回転しつつ上空を舞った金色の剣はあたかもブーメランのように紫の魔強士目がけて再来する!

「バ、バカなッ──仮面がッ!?

 そ、そうか…さっきの斬凶閃刃波で…!

 やはり四元蓮馬、最強特抜生だけのことはあるなッ!認めるのは口惜しいが蟠瞳蟲が無ければマジでヤバかったッ!!」

 ──何と魁夷な魔神を擬したかのごとき紫の仮面全体に深い亀裂が生じており、バアルはその崩壊を防ぐかのように右掌をあてがうが、咄嗟に突き出した左手で聖剣を受け止めることが僅かでも遅れれば、剥き出しの顔面を貫かれて致命傷を負っていたであろう…!

 されど刀身の真ん中付近を握りしめられながらも未だその推進力は衰えず、やむなしと判断したバアルは仮面を放棄して右肘の偃月刀に全精力を集中させる。

「かあああああッ!

 この呪われし剣めッ、我が怒りの焔に燃える刃を受けて闇へと還れッッ!!!」

 かくて悽愴な紫炎に縁取られた偃月刀が唸りを上げて黄金の聖剣を撃ち、それはほとんど無音のままについに両断されてしまったのだった!

「──手こずらせおってこの邪剣めがッ!

 だが相手が悪かったな…おっと、二度と逃さんぜッ!!」

 落下しようとする先端部分をしっかりと右手で確保したバアルは完全に素顔を晒していたが、それは肩口まで届く紫がかった銀髪をなびかせ、霊力ある宝石のごとき薄紫色の瞳を煌めかせた白皙の美少年であった。

 ──そしてその眼前数メートルの位置に、両腕に意識を失ったままの四元蓮馬を抱えたリド=シェザードが滞空していたのである!

 されどバアルの表情には些かの動揺もなく、まるで部下に報告を求めるかのごとく乾いた口調で実兄に問い質すのだった。

「──彼をどうするつもりだい?

 まさか皆が噂してるとおり、にこしらえたとかいう例の秘密の館に連れ込もうってんじゃないだろうね…!?

 それに呼んでもないのにここに来たってことは、あのうっとおしい黒瀧晶悟ヌーロスはキッチリ片付けたんだろうねえ?」

 ──哀れにもバアルの夢見ノ力に依存していたニセ花凛は創造者が死地を脱するために奮闘している間に自律エネルギーが枯渇して消滅してしまったものらしかったが、あるいは天敵ともいうべきリド自身の手によって無残に葬られてしまったのかもしれぬ…。

「彼奴は去った…黒瀧の躰を乗っ取ったまま、な…。

 ついでに言っておくが、…!

 彼は私がこのまま本陣に連れて行く──ここへの道中、父上から直命を受けたのでな…!

 そして今回の一件によって、私のキサマに対する敵意は今度こそ不動のものとなった──遠からぬ未来、完全決着を期して相見えることになるであろうが、それまで震えて待っているがいい…!!」

 さすがに疲労困憊のバアルが得意の毒舌で応酬するより迅く、同じ空気を呼吸するのも穢らわしいとばかりに一瞬で白い円光のシールドに覆われたリド=シェザードは、その内部でをあたかも宝物のごとく抱きかかえ、半ば夢見心地でペトゥルナワスへの帰路を急ぐのであった…。



 






















 





 




 



 

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