THUNDER⚡️ANGELS

幾橋テツミ

文字の大きさ
38 / 170
第三章 赤き性の仮面

マスクド=カリギュラの素顔   〈後編〉

しおりを挟む
 予め全ての事実を把握しているであろう異形の主宰者が会員によるこの犯罪的行為に今さら動じる気配は皆無であったが、眼前で震える美女の存在が屹立する男根に凶々しいまでの疼きを生じさせていることは火を見るよりも明らかであった。

 そしてそれがいよいよ臨界点に近づきつつあることは、事件の詳細を自ら引き取って語り始めたことからも察せられたのである。

「思わぬ恋敵の出現によって猜疑心の虜となり、前後の見境もつかなくなっていた小心者がそのような行動に出たとて何の不思議もあるまい…。

 既におまえはSPARKにを開設し、他の三人はそこへ週間成績のスクショの匿名投稿を義務付けられることで戦況が告知され、ラスト3日間は東京市場の午後5時時点のそれが要求される──そうであったな?」

「は、はい…そのとおりでございます…」

 額を紫の絨毯に擦りつけたまま妖艶な首謀者が肯定する。

「三人のを承知しているおまえがそれを見れば、勝負の行方は手に取るように見通せたであろうが、監禁状態ではむろん叶うはずもなく、全てを理解したのはだった──されどそれを目の当たりにした時、さぞやわが目を疑ったであろうな…」

「……」

 千鶴の全身が小刻みに震えているのは歔欷しているためであろうか?

「3週にわたって圧倒的にリードしていた高木が最週末に急失速し、それからラスト3日にかけて懸命な追い上げを見せはしたものの僅かに及ばず、勝利は主催者が最も望まぬ男のものとなった…」

「…ううッ…」

 隠しきれぬ涙声があたり憚らぬ慟哭となるのに時間は要しなかった…。

「絶対の自信をもって投入したはずの達人が後に告白したところでは、原因不明の突然の高熱に見舞われ、通常であればとても〈鉄火場〉に臨める状態ではなかったと…」

「うっ、ううううッ…うあわあああッ!!」
 
「…そしてこれが幸いといえるか否か定かではないが、おまえを監禁するほどの執着を見せた藤原が意外なほどに潔く敗北を認め、あっさりとおまえから手を引いたという…」

「…くっ、うううッ…ううッ…」

「──それも当然というべきか、彼奴はその時既に新たな標的をロックオンしていたのであるからな…!」

 それまで身をよじって悲嘆していた三池千鶴の動きが嘘のようにピタリと停止した。

「…な、何ですって…!?

 しゅ、主宰…そ、それはどういう意味なのですか…!?」

 されど仮面の怪人はそれには答えず、自ら招いた悲劇の主人公に更なる残酷な追い打ちをかけた。

「──そして、勝負の最終盤、高木照義は決して病に冒されていたわけではない…」

「…えッ?…ええッ!?」

 涙で霞む瞳で呆然と虚空を見上げる千鶴の精神に破綻が訪れつつあった。
 
 そして組織の絶対者は一切の感情を排した鋼のごとき声音で〈真実〉を突きつける──!

「つまり、藤原の関心はおそらくゲーム開始以前からおまえを離れて桜城和紗という20歳はたちの学生会員へと移っており、!!

 されど三池千鶴よッ、キサマに彼らを呪う資格などないぞッ!

 他者の心などいっかな顧みることなく、あたかも雌蛇のごとく自己の欲望を満たすことのみに邁進してきた背徳への小さな報いを受けたに過ぎぬのだからなッ!!

 ──さあ、今こそ贖罪の時だッ!

 これからの人生を敗残の沼の中で窒息しつつ永らえたくないのであれば今すぐ、このマスクド=カリギュラの前に跪くがよいッッ!!」

 頭上から降り注ぐ大音声に恐れをなしたか、それともものであろうか、黙って片膝立ちとなった千鶴は徐ろに襟元から両腕を抜き出すと、中腰となって素早く脱衣する…。

 そしてこれも普段身に着けているものよりはかなり控えめなデザインのシックなベージュのブラとパンティ姿となった彼女の厚く塗り立てた化粧こそ崩れてはいるものの、却ってそれがなりふり構わぬ頽廃的な淫猥さでその視線が向けられた相手の官能中枢を直撃するのであった。

「さすがに利発なる“スキャルピングの鬼姫”──されど些か回りすぎるその頭脳に今一度落ち着きをよみがえらせるため、しばし母の胸に安らう赤子のごとき無心となってわが聖器を味わうがよい…!」

 かくのごとき卑猥な台詞と共に真紅の手袋に覆われた両手が艷やかなマロンボブを包み込み、瞑目した恍惚たる美貌はルージュに彩られた肉感的な唇を開いて怒張する肉柱へと導かれてゆく…。

 そしてそれが根元近くまで口中に含まれた瞬間、仮面の支配者は短く呻いて弓なりにのけ反った。

 くちゅっ…くちゅっ…じゅばっ…じゅじゅっ…

 まさに攻守逆転、を得て、鮮やかに復活した凄艶なる鬼姫の攻撃的なフェラチオに意外ともいえる中性的な甘い喘ぎ声を上げる“負極界の重鎮”ザジナス。

「くッ、はああッ…可愛い千鶴…やはりおまえは…うッ…アポストルスになくてはならぬ存在だ…決して藤原や岡田ごとき屑どもに渡してなるものかッ…はああッ…!

 だ…だが私は知っているそ…おまえが幹部会の度に…レイガル…い、いや怜我と人目を盗んで乳繰り合っていたことを…くぅッ…

 さ、されどあやつをいかに愛そうともムダだぞ…はぁッ…なッ、何故ならば…あやつはッ…」

 この名を耳にしたことでほんの一刹那奉仕者の動きが滞るが、既に忘我の領域ゾーンに入りつつある彼女の勢いは止まらない──頬を強くすぼめて肉棒を強く吸引すると同時に尖らせた舌先を先端の肉溝にぐりぐりとねじ込みながら頭部全体でしごき立てるように激しい前後運動で一気に

「──あッ、はあああッ、イくッ、イッてしまうッッ!!」

 もはや海老反りとなって必死に踏み留まるマスクド=カリギュラに止めを刺したのは、肛門アナルに埋められた千鶴の左人差し指のによる振動と、膨らみきった双つの睾丸ボールに加えられた絶妙な力加減の握り込みであった。

 かくて時間にして僅か2分弱にして迎えた絶頂によって放たれた叫び──三池千鶴の聴覚に狂いがなければ、その末尾はこう聴き取れたはずであった──

「おお、ルリアッ、わが愛しき…いや雷の聖使よッ!

 いかなる運命の神の悪戯によるものかこうして敵味方に分かれてしまったが、この立山満寿也はいつか必ずこの熱い生命の聖乳ミルクをおまえの愛らしい唇に注ぎ込むことを誓うッッ!!!」

 



 

 



 



 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

撮影されて彼に愛される

守 秀斗
恋愛
自撮りが好きな杉元美緒。22歳。でも、人前でするのは恥ずかしくて、誰もいない海岸まで行って水着姿を撮影していると、車椅子に乗った男に声をかけられた。「あなたは本当に美しいですね。あなたの写真を撮影したいのですが、だめでしょうか」と。

処理中です...