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第三章 赤き性の仮面
マスクド=カリギュラの素顔 〈後編〉
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予め全ての事実を把握しているであろう異形の主宰者が会員によるこの犯罪的行為に今さら動じる気配は皆無であったが、眼前で震える美女の存在が屹立する男根に凶々しいまでの疼きを生じさせていることは火を見るよりも明らかであった。
そしてそれがいよいよ臨界点に近づきつつあることは、事件の詳細を自ら引き取って語り始めたことからも察せられたのである。
「思わぬ恋敵の出現によって猜疑心の虜となり、前後の見境もつかなくなっていた小心者がそのような行動に出たとて何の不思議もあるまい…。
既におまえはSPARKに捨て垢を開設し、他の三人はそこへ週間成績のスクショの匿名投稿を義務付けられることで戦況が告知され、ラスト3日間は東京市場の午後5時時点のそれが要求される──そうであったな?」
「は、はい…そのとおりでございます…」
額を紫の絨毯に擦りつけたまま妖艶な首謀者が肯定する。
「三人の偽名を承知しているおまえがそれを見れば、勝負の行方は手に取るように見通せたであろうが、監禁状態ではむろん叶うはずもなく、全てを理解したのは投了後だった──されどそれを目の当たりにした時、さぞやわが目を疑ったであろうな…」
「……」
千鶴の全身が小刻みに震えているのは歔欷しているためであろうか?
「3週にわたって圧倒的にリードしていた高木が最週末に急失速し、それからラスト3日にかけて懸命な追い上げを見せはしたものの僅かに及ばず、勝利は主催者が最も望まぬ男のものとなった…」
「…ううッ…」
隠しきれぬ涙声があたり憚らぬ慟哭となるのに時間は要しなかった…。
「絶対の自信をもって投入したはずの達人が後に告白したところでは、原因不明の突然の高熱に見舞われ、通常であればとても〈鉄火場〉に臨める状態ではなかったと…」
「うっ、ううううッ…うあわあああッ!!」
「…そしてこれが幸いといえるか否か定かではないが、おまえを監禁するほどの執着を見せた藤原が意外なほどに潔く敗北を認め、あっさりとおまえから手を引いたという…」
「…くっ、うううッ…ううッ…」
「──それも当然というべきか、彼奴はその時既に新たな標的をロックオンしていたのであるからな…!」
それまで身を捩って悲嘆していた三池千鶴の動きが嘘のようにピタリと停止した。
「…な、何ですって…!?
しゅ、主宰…そ、それはどういう意味なのですか…!?」
されど仮面の怪人はそれには答えず、自ら招いた悲劇の主人公に更なる残酷な追い打ちをかけた。
「──そして、勝負の最終盤、高木照義は決して病に冒されていたわけではない…」
「…えッ?…ええッ!?」
涙で霞む瞳で呆然と虚空を見上げる千鶴の精神に破綻が訪れつつあった。
そして組織の絶対者は一切の感情を排した鋼のごとき声音で〈真実〉を突きつける──!
「つまり、藤原の関心はおそらくゲーム開始以前からおまえを離れて桜城和紗という20歳の学生会員へと移っており、頼みにした高木は二人の対戦相手ではなく、会の純粋性を棄損しかねぬ忌まわしき存在であるおまえをこそ葬るために、むしろ嬉々として格下の岡田に勝ちを譲ったのだッッ!!
されど三池千鶴よッ、キサマに彼らを呪う資格などないぞッ!
他者の心などいっかな顧みることなく、あたかも雌蛇のごとく自己の欲望を満たすことのみに邁進してきた背徳への小さな報いを受けたに過ぎぬのだからなッ!!
──さあ、今こそ贖罪の時だッ!
これからの人生を敗残の沼の中で窒息しつつ永らえたくないのであれば今すぐ偽りの衣を脱ぎ去り、このマスクド=カリギュラの前に跪くがよいッッ!!」
頭上から降り注ぐ大音声に恐れをなしたか、それとも最初からこの展開を予期し、或いは望んでいたものであろうか、黙って片膝立ちとなった千鶴は徐ろに襟元から両腕を抜き出すと、中腰となって素早く脱衣する…。
そしてこれも普段身に着けているものよりはかなり控えめなデザインのシックなベージュのブラとパンティ姿となった彼女の厚く塗り立てた化粧こそ崩れてはいるものの、却ってそれがなりふり構わぬ頽廃的な淫猥さでその視線が向けられた相手の官能中枢を直撃するのであった。
「さすがに利発なる“スキャルピングの鬼姫”──されど些か回りすぎるその頭脳に今一度落ち着きをよみがえらせるため、しばし母の胸に安らう赤子のごとき無心となってわが聖器を味わうがよい…!」
かくのごとき卑猥な台詞と共に真紅の手袋に覆われた両手が艷やかなマロンボブを包み込み、瞑目した恍惚たる美貌はルージュに彩られた肉感的な唇を開いて怒張する肉柱へと導かれてゆく…。
そしてそれが根元近くまで口中に含まれた瞬間、仮面の支配者は短く呻いて弓なりにのけ反った。
くちゅっ…くちゅっ…じゅばっ…じゅじゅっ…
まさに攻守逆転、心中深く求めていたモノを得て、鮮やかに復活した凄艶なる鬼姫の攻撃的なフェラチオに意外ともいえる中性的な甘い喘ぎ声を上げる“負極界の重鎮”ザジナス。
「くッ、はああッ…可愛い千鶴…やはりおまえは…うッ…アポストルスになくてはならぬ存在だ…決して藤原や岡田ごとき屑どもに渡してなるものかッ…はああッ…!
だ…だが私は知っているそ…おまえが幹部会の度に…レイガル…い、いや怜我と人目を盗んで乳繰り合っていたことを…くぅッ…
さ、されどあやつをいかに愛そうともムダだぞ…はぁッ…なッ、何故ならば…あやつはッ…」
この名を耳にしたことでほんの一刹那奉仕者の動きが滞るが、既に忘我の領域に入りつつある彼女の勢いは止まらない──頬を強く窄めて肉棒を強く吸引すると同時に尖らせた舌先を先端の肉溝にぐりぐりとねじ込みながら頭部全体でしごき立てるように激しい前後運動で一気に殺しにかかる!
「──あッ、はあああッ、イくッ、イッてしまうッッ!!」
もはや海老反りとなって必死に踏み留まるマスクド=カリギュラに止めを刺したのは、肛門に埋められた千鶴の左人差し指の腹による振動と、膨らみきった双つの睾丸に加えられた絶妙な力加減の握り込みであった。
かくて時間にして僅か2分弱にして迎えた絶頂によって放たれた叫び──三池千鶴の聴覚に狂いがなければ、その末尾はこう聴き取れたはずであった──
「おお、ルリアッ、わが愛しき従姉妹…いや雷の聖使よッ!
いかなる運命の神の悪戯によるものかこうして敵味方に分かれてしまったが、この立山満寿也はいつか必ずこの熱い生命の聖乳をおまえの愛らしい唇に注ぎ込むことを誓うッッ!!!」
そしてそれがいよいよ臨界点に近づきつつあることは、事件の詳細を自ら引き取って語り始めたことからも察せられたのである。
「思わぬ恋敵の出現によって猜疑心の虜となり、前後の見境もつかなくなっていた小心者がそのような行動に出たとて何の不思議もあるまい…。
既におまえはSPARKに捨て垢を開設し、他の三人はそこへ週間成績のスクショの匿名投稿を義務付けられることで戦況が告知され、ラスト3日間は東京市場の午後5時時点のそれが要求される──そうであったな?」
「は、はい…そのとおりでございます…」
額を紫の絨毯に擦りつけたまま妖艶な首謀者が肯定する。
「三人の偽名を承知しているおまえがそれを見れば、勝負の行方は手に取るように見通せたであろうが、監禁状態ではむろん叶うはずもなく、全てを理解したのは投了後だった──されどそれを目の当たりにした時、さぞやわが目を疑ったであろうな…」
「……」
千鶴の全身が小刻みに震えているのは歔欷しているためであろうか?
「3週にわたって圧倒的にリードしていた高木が最週末に急失速し、それからラスト3日にかけて懸命な追い上げを見せはしたものの僅かに及ばず、勝利は主催者が最も望まぬ男のものとなった…」
「…ううッ…」
隠しきれぬ涙声があたり憚らぬ慟哭となるのに時間は要しなかった…。
「絶対の自信をもって投入したはずの達人が後に告白したところでは、原因不明の突然の高熱に見舞われ、通常であればとても〈鉄火場〉に臨める状態ではなかったと…」
「うっ、ううううッ…うあわあああッ!!」
「…そしてこれが幸いといえるか否か定かではないが、おまえを監禁するほどの執着を見せた藤原が意外なほどに潔く敗北を認め、あっさりとおまえから手を引いたという…」
「…くっ、うううッ…ううッ…」
「──それも当然というべきか、彼奴はその時既に新たな標的をロックオンしていたのであるからな…!」
それまで身を捩って悲嘆していた三池千鶴の動きが嘘のようにピタリと停止した。
「…な、何ですって…!?
しゅ、主宰…そ、それはどういう意味なのですか…!?」
されど仮面の怪人はそれには答えず、自ら招いた悲劇の主人公に更なる残酷な追い打ちをかけた。
「──そして、勝負の最終盤、高木照義は決して病に冒されていたわけではない…」
「…えッ?…ええッ!?」
涙で霞む瞳で呆然と虚空を見上げる千鶴の精神に破綻が訪れつつあった。
そして組織の絶対者は一切の感情を排した鋼のごとき声音で〈真実〉を突きつける──!
「つまり、藤原の関心はおそらくゲーム開始以前からおまえを離れて桜城和紗という20歳の学生会員へと移っており、頼みにした高木は二人の対戦相手ではなく、会の純粋性を棄損しかねぬ忌まわしき存在であるおまえをこそ葬るために、むしろ嬉々として格下の岡田に勝ちを譲ったのだッッ!!
されど三池千鶴よッ、キサマに彼らを呪う資格などないぞッ!
他者の心などいっかな顧みることなく、あたかも雌蛇のごとく自己の欲望を満たすことのみに邁進してきた背徳への小さな報いを受けたに過ぎぬのだからなッ!!
──さあ、今こそ贖罪の時だッ!
これからの人生を敗残の沼の中で窒息しつつ永らえたくないのであれば今すぐ偽りの衣を脱ぎ去り、このマスクド=カリギュラの前に跪くがよいッッ!!」
頭上から降り注ぐ大音声に恐れをなしたか、それとも最初からこの展開を予期し、或いは望んでいたものであろうか、黙って片膝立ちとなった千鶴は徐ろに襟元から両腕を抜き出すと、中腰となって素早く脱衣する…。
そしてこれも普段身に着けているものよりはかなり控えめなデザインのシックなベージュのブラとパンティ姿となった彼女の厚く塗り立てた化粧こそ崩れてはいるものの、却ってそれがなりふり構わぬ頽廃的な淫猥さでその視線が向けられた相手の官能中枢を直撃するのであった。
「さすがに利発なる“スキャルピングの鬼姫”──されど些か回りすぎるその頭脳に今一度落ち着きをよみがえらせるため、しばし母の胸に安らう赤子のごとき無心となってわが聖器を味わうがよい…!」
かくのごとき卑猥な台詞と共に真紅の手袋に覆われた両手が艷やかなマロンボブを包み込み、瞑目した恍惚たる美貌はルージュに彩られた肉感的な唇を開いて怒張する肉柱へと導かれてゆく…。
そしてそれが根元近くまで口中に含まれた瞬間、仮面の支配者は短く呻いて弓なりにのけ反った。
くちゅっ…くちゅっ…じゅばっ…じゅじゅっ…
まさに攻守逆転、心中深く求めていたモノを得て、鮮やかに復活した凄艶なる鬼姫の攻撃的なフェラチオに意外ともいえる中性的な甘い喘ぎ声を上げる“負極界の重鎮”ザジナス。
「くッ、はああッ…可愛い千鶴…やはりおまえは…うッ…アポストルスになくてはならぬ存在だ…決して藤原や岡田ごとき屑どもに渡してなるものかッ…はああッ…!
だ…だが私は知っているそ…おまえが幹部会の度に…レイガル…い、いや怜我と人目を盗んで乳繰り合っていたことを…くぅッ…
さ、されどあやつをいかに愛そうともムダだぞ…はぁッ…なッ、何故ならば…あやつはッ…」
この名を耳にしたことでほんの一刹那奉仕者の動きが滞るが、既に忘我の領域に入りつつある彼女の勢いは止まらない──頬を強く窄めて肉棒を強く吸引すると同時に尖らせた舌先を先端の肉溝にぐりぐりとねじ込みながら頭部全体でしごき立てるように激しい前後運動で一気に殺しにかかる!
「──あッ、はあああッ、イくッ、イッてしまうッッ!!」
もはや海老反りとなって必死に踏み留まるマスクド=カリギュラに止めを刺したのは、肛門に埋められた千鶴の左人差し指の腹による振動と、膨らみきった双つの睾丸に加えられた絶妙な力加減の握り込みであった。
かくて時間にして僅か2分弱にして迎えた絶頂によって放たれた叫び──三池千鶴の聴覚に狂いがなければ、その末尾はこう聴き取れたはずであった──
「おお、ルリアッ、わが愛しき従姉妹…いや雷の聖使よッ!
いかなる運命の神の悪戯によるものかこうして敵味方に分かれてしまったが、この立山満寿也はいつか必ずこの熱い生命の聖乳をおまえの愛らしい唇に注ぎ込むことを誓うッッ!!!」
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