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ドラマ「35歳の少女」

「25年前のあなたへ」Huluオリジナルストーリー

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動画配信huluのオリジナルストーリーです。

短いけど良かったです。

泣けた!

結人君好きの方は必見!



三十五歳の大人の結人、ヒゲの坂口健太郎さんが、図書館で一人やさぐれている。

ノゾミがいなくなって、どこにいるかわからない。

ラジカセとヘッドホンがテーブルの上にある。

再生ボタンを押し、ヘッドホンをつけると、懐かしい声が聞こえてきた。

二十五年前の自分とノゾミの声だ。

図書館にノゾミを呼び出して恋の告白をしようとした時のことだった。

気がつくと、三十五歳のユウトの前に小学生の二人がいる。



小学生のユウトは、

「すき」

と、ノゾミに、やっとのことで言う。

ノゾミは、ニコッとしかかる。

だが、ユウトは、照れくささに耐えられなかった。

「やき」

と続けて言ってしまう。

「え? すきやき?」

ノゾミは驚く。



見ている三十五歳のユウトは、「あー、もう俺、何やってるんだよ!」とやきもきする。


「お前って、すきやきで言うと、豆腐みたいだなあって思って」

と、ごまかすユウト。

「わざわざ呼び出して言いたかったことって、そんなこと?」

と、あきれて帰ってしまうノゾミ。



しょげる小学生ユウト。三十五歳ユウトに、

「なんだよ、おじさん、何見てんだよんだ」

と生意気な口調で言う。

「あー、昔の俺ってこんなだったんだな。ノゾミの補正でいいやつになってたけど」

と三十五歳のユウトは感慨にふける。

二十五年前のユウトは、口数も少なく、口を開けば生意気な言葉しか出てこない。

二十五年後の俺だと、小学生ユウトに説明する大人ユウト。



三十五歳のユウトを、小学生ユウトが問いつめる。

「あんた今、何やってんの? 教師?」

「いやあ、前は代行業で、今は教師ではないけど、それに似たようなもの」

とごまかす。

「本当にやりたいことをやっているのか」

などと小学生ユウトは聞く。


大人ユウトは、ノゾミのことも話す。

「次にはちゃんと告白する」

と言う小学生ユウトに、

「次はないんだよ」

と事故のことを説明する。

「でも、三十五歳の時に意識が戻って、俺はもう一度ノゾミのことを好きになる」

と安心させる。

しかし、今のノゾミとの現状を聞かれると、

「手を放してしまった」

と。



小学生ユウトは、

「あんたは本当は優しいんだから」

ちゃんと本当の自分を出せ、と言う。

「おまえは、モモのカシオペイアなんだろ? おまえにとって、ノゾミはモモなんだろう?」

と、小学生ユウトは、大人ユウトに『モモ』を手渡す。


本を手にする大人ユウト。

裏表紙をめくると、ユウトの氏名の横に、ノゾミの名前が書き込んであった。

目をあげると、そこにはもう、少年の姿はなかった。





すごくいいショート・ストーリーです!

最後のところ泣けました。

恋愛ドラマではなく、ヒューマンドラマなんですよね。

家族の物語でもあるからですが、ユウトとノゾミの関係も、恋愛というより、本当の自分を素直に生きること、それを可能にする関係、というものを描いているように思います。

本編を補う、いいお話でした。

何より、坂口健太郎さんの演じるユウトの自問自答が堪能できます。

ノゾミサイドは、過去の自分との対話、毎回ありますが、ユウトサイドは、ないですからね。

過去にユウトはどんな風に思っていたのかなど、ユウトサイドが見られてキュンとしました。


今週の話で、ユウトが優しいことは優しいけど、少し現実的すぎるという感想を持ちましたが、それで正しかったのかも。

東京タラレバ娘のkey君が現実的なキャラなのは仕方ないですが、このドラマのユウト君は、もう少し、いや、できれば全開で、優しくなってほしいなと思います!
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