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7.そして未来へ、番としてふたりで歩む道
「――律。国政会議への出席命令が出た」
ゼルの執務机に置かれたその文書には、明確にこう記されていた。
> 【竜王の番・早乙女律殿を、王国会議における“竜王補佐”として正式登用する。】
律は少しだけ戸惑った顔をしたが、すぐに背筋を伸ばす。
「……わかりました。俺、行きます。
番としてだけじゃなく、“この国の民”として、あの場に立ってみせます」
彼の覚悟は、ゼルの胸に静かに響いた。
(やはり、お前は……誰よりも強い)
けれど――
会議が開かれるその直前。
王宮に、新たな動きが報告される。
「東方・ゼルデア帝国より、使者が到着。表向きは交易交渉ですが……どうやら“番”に興味を示しているようです」
「……番を?」
「はい。異界の力を持つ存在、“律殿”にです。
さらに、王都近郊にて“魔力核を持つ者”ばかりを狙った襲撃事件が発生。
背後に、“魔力狩り”と呼ばれる異教集団の可能性が……」
律の存在が、公に“番”として認められたがゆえに――
その力は、王国の誇りであると同時に、標的にもなり得る。
ゼルの指が、硬く拳を握る。
(……お前を選んだのは、我だ。ならば、お前を守る責任も――)
だがその夜、ふたりが久しぶりに寝室を共にしたとき、
律がゼルに言った。
「守ってもらうだけの番でいたくない。
俺、“ゼルの隣に立つ”って誓ったから。
今度は俺が、あなたを守らせてください」
ゼルの身体がぴくりと反応する。
その瞳に、一瞬だけ不安が浮かんだことを、律は見逃さなかった。
「……ゼルさん?」
「……いや。お前が、自分から“戦う”と言ったのが、少しだけ……怖かった」
「……?」
「番は、支え合う存在だ。だが……お前が“遠くへ行ってしまいそうで”、少しだけ我は……」
(――嫉妬している。いや、怯えているのか)
番を持ったことがなかったゼルは、自分の感情の扱い方にまだ慣れていなかった。
律は笑って、その胸に手をあてる。
「どこにも行きませんよ。俺が行くのは、“あなたと並ぶ場所”です。
振り返れば、絶対に俺がいます」
「……信じよう。お前の言葉を、そしてお前の強さを」
そしてふたりは、静かに唇を重ねた。
◆
翌日――
王国会議。
議場には貴族、軍部、聖堂の代表たちが並ぶ中、律が静かに入室した。
「律殿。本当に、番がここまで表舞台に立つのは初の事例です」
「だからこそ、俺が“最初の番”として証明してみせます。
この国を、陛下とともに“守る”ってことを」
異世界から来た男、元社畜の秘書。
それが、今――一国の政治の中心で、“番”として名を刻んだ。
しかし、会議終了後。
ゼルデア帝国の使者が、律に近づいてくる。
「あなたが、“律”ですね。なるほど……なるほど、これが“番”の魔力か。
――とても、興味深い」
「……あなた、俺に何の用ですか?」
「いずれ、こちらから“正式に要請”させていただくでしょう。
“共に研究する”ための、条約を」
その笑みは明らかに、不穏な熱を含んでいた。
ゼルがすぐに間に入り、使者を遮る。
「我の番に、これ以上不用意に近づくことは許さない」
「ふふ……嫉妬も、王の特権ですか。――それもまた、興味深い」
ゼルの中に眠る、本能的な独占欲。
律に向けられた視線に、今度こそ“恐れ”を感じたのだ。
(このままでは、あの人を……“番”としてではなく、“武器”として奪われる可能性もある)
◆
その夜。
律はベッドの上で、ゼルに抱かれながら、強く言った。
「俺、“番”である前に、“あなたの恋人”です。
心も、身体も、全部あなただけのもの。
だから、誰に何を言われても……俺はあなたを選び続けるって、何度でも証明します」
「……律」
ゼルの舌が、律の鎖骨に甘く吸いつく。
「だったら、今夜も証明してみせろ。……お前の中に、我のすべてを刻みたい」
「はい……っ、何度でも、証明します。
――だって、俺は“ゼルの番”ですから」
その夜、律は自ら腰を動かし、何度もゼルを受け入れた。
快楽だけじゃない。信頼の証として、身体ごとすべてを捧げて。
---
🐉次章予告:第八章「番が試される夜と、愛の宣誓」
ゼルデア帝国からの“番譲渡交渉”。
律が狙われる中、ゼルは国王として、恋人として――世界に宣誓する。
「この男は、我が心であり、命である」と。
ふたりの愛が、王国の未来をも変えていく――
ゼルの執務机に置かれたその文書には、明確にこう記されていた。
> 【竜王の番・早乙女律殿を、王国会議における“竜王補佐”として正式登用する。】
律は少しだけ戸惑った顔をしたが、すぐに背筋を伸ばす。
「……わかりました。俺、行きます。
番としてだけじゃなく、“この国の民”として、あの場に立ってみせます」
彼の覚悟は、ゼルの胸に静かに響いた。
(やはり、お前は……誰よりも強い)
けれど――
会議が開かれるその直前。
王宮に、新たな動きが報告される。
「東方・ゼルデア帝国より、使者が到着。表向きは交易交渉ですが……どうやら“番”に興味を示しているようです」
「……番を?」
「はい。異界の力を持つ存在、“律殿”にです。
さらに、王都近郊にて“魔力核を持つ者”ばかりを狙った襲撃事件が発生。
背後に、“魔力狩り”と呼ばれる異教集団の可能性が……」
律の存在が、公に“番”として認められたがゆえに――
その力は、王国の誇りであると同時に、標的にもなり得る。
ゼルの指が、硬く拳を握る。
(……お前を選んだのは、我だ。ならば、お前を守る責任も――)
だがその夜、ふたりが久しぶりに寝室を共にしたとき、
律がゼルに言った。
「守ってもらうだけの番でいたくない。
俺、“ゼルの隣に立つ”って誓ったから。
今度は俺が、あなたを守らせてください」
ゼルの身体がぴくりと反応する。
その瞳に、一瞬だけ不安が浮かんだことを、律は見逃さなかった。
「……ゼルさん?」
「……いや。お前が、自分から“戦う”と言ったのが、少しだけ……怖かった」
「……?」
「番は、支え合う存在だ。だが……お前が“遠くへ行ってしまいそうで”、少しだけ我は……」
(――嫉妬している。いや、怯えているのか)
番を持ったことがなかったゼルは、自分の感情の扱い方にまだ慣れていなかった。
律は笑って、その胸に手をあてる。
「どこにも行きませんよ。俺が行くのは、“あなたと並ぶ場所”です。
振り返れば、絶対に俺がいます」
「……信じよう。お前の言葉を、そしてお前の強さを」
そしてふたりは、静かに唇を重ねた。
◆
翌日――
王国会議。
議場には貴族、軍部、聖堂の代表たちが並ぶ中、律が静かに入室した。
「律殿。本当に、番がここまで表舞台に立つのは初の事例です」
「だからこそ、俺が“最初の番”として証明してみせます。
この国を、陛下とともに“守る”ってことを」
異世界から来た男、元社畜の秘書。
それが、今――一国の政治の中心で、“番”として名を刻んだ。
しかし、会議終了後。
ゼルデア帝国の使者が、律に近づいてくる。
「あなたが、“律”ですね。なるほど……なるほど、これが“番”の魔力か。
――とても、興味深い」
「……あなた、俺に何の用ですか?」
「いずれ、こちらから“正式に要請”させていただくでしょう。
“共に研究する”ための、条約を」
その笑みは明らかに、不穏な熱を含んでいた。
ゼルがすぐに間に入り、使者を遮る。
「我の番に、これ以上不用意に近づくことは許さない」
「ふふ……嫉妬も、王の特権ですか。――それもまた、興味深い」
ゼルの中に眠る、本能的な独占欲。
律に向けられた視線に、今度こそ“恐れ”を感じたのだ。
(このままでは、あの人を……“番”としてではなく、“武器”として奪われる可能性もある)
◆
その夜。
律はベッドの上で、ゼルに抱かれながら、強く言った。
「俺、“番”である前に、“あなたの恋人”です。
心も、身体も、全部あなただけのもの。
だから、誰に何を言われても……俺はあなたを選び続けるって、何度でも証明します」
「……律」
ゼルの舌が、律の鎖骨に甘く吸いつく。
「だったら、今夜も証明してみせろ。……お前の中に、我のすべてを刻みたい」
「はい……っ、何度でも、証明します。
――だって、俺は“ゼルの番”ですから」
その夜、律は自ら腰を動かし、何度もゼルを受け入れた。
快楽だけじゃない。信頼の証として、身体ごとすべてを捧げて。
---
🐉次章予告:第八章「番が試される夜と、愛の宣誓」
ゼルデア帝国からの“番譲渡交渉”。
律が狙われる中、ゼルは国王として、恋人として――世界に宣誓する。
「この男は、我が心であり、命である」と。
ふたりの愛が、王国の未来をも変えていく――
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