潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

昴 7

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昴が、憮然として言った。

「それが、不文律だ」

「怖い家だなあ」

トモは、どう対応していいかわからないといった感じで応じた。

「潤は、そういう役割だから」

昴は、トモの反応を抑え込むように、重ねて言った。

「人権無視かよ。昴、ほんと、お前言ってること怖いぞ?」

トモは、困ったように軽く笑って指摘した。

「気にするな。要は、お前が、俺と寝てくれればいいんだが」

昴は、イラついたように言った。

「だったらストレートにそう言えよ」

トモがあきれたように言った。

「言ったじゃないか、言ったら断られて」

昴はすねたように言った。

「そうだったか?  覚えてないよ、あんまり」

トモは、本当に覚えていないようだった。

「じゃあ、もう一回頼んだら?  承諾するか?」

昴が尋ねると、トモは、即座に、

「しない」

と答えた。

「ほら。断った」

潤は、二人のやりとりに飽きて、トモにまとわりついた。

手足を、トモの身体に巻きつけた。

「ああ、この子……だめだって、そんなことしたら。がまんできなくなる。ああ、もう、しょうがないなぁ」

トモが潤に口づけを重ねた。

「可愛い。おねだり上手だね」

トモの手足がからんで心地よい。

「わかった。今夜、この子と眠るよ」

トモが決意したように、昴に言った。
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