潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第三章

潤校長 15

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長年の緊張が、ゆるしが、自分に与えていた罰が、いましめが、解けたように。

「私こそ」

潤が答えた。

「時間がかかるかもしれないけれど、ゆっくりと、貴方を、私を、許していきたい」

潤は言った。

「そうですね。待ちます。私は、貴方のそばにいて、貴方を待ちます」

瑤の声が優しく言った。





「とりあえず、お話は、ここで一区切り」

僕は言った。

「もちろん、このあと二人のセックス描写が続くんだけど、それは割愛。だって、今から本当にするから、うふふ」

僕は笑った。

「このあと、まだまだ話は続くんだけどね」

僕は、嬉しくて陽気に話したが、潤は、ぼうっとしていた。

「どうしたの?」

「瑤、ありがとう、そんな俺の話しを作ってくれて。なんだか、聞いていたら、催眠術にかかったみたいに、ぼうっとしてしまった」

「そんなに熱心に聞いてくれたの?  ありがとう。僕、才能あるかな?  潤のための話しを作る才能」

「あるよ。なんだか、すっきりした」

「本当?  よかった」

僕は、潤のためになったのが嬉しかった。

「マッチ売りの潤は、俺にそっくりだし、その少年が幸せになって、よかったと思う」

「そう?  幸せになれた?」

「うん。自分では、そんな希望のある話し、そんな未来、思い描けない。でも、瑤が、俺の代わりに、未来を語ってくれて、嬉しかった」

潤が、僕に感謝の目を向けた。
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