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王様
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5年後。
あの後みお達は、いっきに国境まで瞬間移動してリュシオールの南に位置するリベルテという国に来ていた。
色んな街に行って、もう次の国に行こうかと考えていた時に、ふと王子のことを思い出した。
「ねえ、そろそろいい頃よね?」
「うん。僕も考えてた。」
「じゃあもう1回行くとしますか、リュシオールに!!」
「澪って意外と性格悪いよね。」
「シロだって面白いって言いながら賛成してたじゃんかー。」
「だって絶対面白いもん。」
「ほらー。」
最後に試合をした女の子は魅了の魔法を使っていた。もちろん澪はそれに気づいてはいた。そう、気づいてはいたのだ。それでも、あの状況に澪はイラッとし、国を出ることにした。
ちなみに、魅力の魔法は無効化して、もうあの女子生徒が魅力の魔法を使えないように細工もしてきた。
そして新しい賭けが誕生した。賭けの内容は、「数年後にもう一回来て、王子がどんな反応をするか。」だ。
澪の意見。
「泣く。もうこれしかない。美少年、あ、次会うときは美青年か。の泣き顔とか絶対最高だし。」
「うわぁー。」
シロ
「やっぱかたまってからの土下座でしょ。男ばん澪とは少ししか話してないのに大分澪のこと気に入ってたからね。」
「あー、それね。私もそこはちょっと疑問だったんだけどね。王様と話して理由が判明したんだよね。」
「なになに!何だったの!?」
「シロが勝ったら教えてあげる。」
「えー。鬼ー悪魔ー。」
そうして準備を終えて瞬間移動した先は、建物の中。
「ん?ここは?」
シロは見覚えがないらしく、キョロキョロと辺りを見渡しながら澪に尋ねた。
「ふっふっふー。ここはねー、私がつくった秘密基地です!」
「秘密基地・・・?いや、待って?澪がつくった?絶対やばい機能ついてるよね?この建物。」
「そんなことないですよ?」
「なんで敬語?あきらかにやばいって言ってるようなものだよ?それ。てか、あー。そーゆーことか。学園に入る前にたまにどっか出かけてたけど、これをつくってたのね。」
「そゆことー。ちなみに、この建物は誰にも見つからないから安心してね。」
「あー。へー、うん。よーくわかった。」
「よーし。じゃあ城に突撃しますか。」
「おー。」
澪の楽しそうな声と、シロの呆れたような声が部屋に響き渡ったあと、シロが目にしたのは、上質な家具が揃った広い部屋で書類仕事をしている男。
「久しぶりです、ゼフィー。」
「うわっ!!びっくりしたー。いきなり部屋の中に現れるなって5年前にも言っただろう?ミオ。私ももう40歳なんだからいたわってくれよ。」
「あきらかに20代後半くらいの見た目して何言ってんですか。5年前にも言ったでしょう。脳が混乱するから年齢を言うのはやめてくださいって。」
「あと私の息子あんまりいじめてやるなよ?ま、あの程度の魅了にかかるあいつも悪いがな。」
「あ、そーそー。今日はちょっと王子をいじめに来たんですよ。」
「おもしろそ・・・じゃなくて、手加減してやれよ。あと行く前にそいつを紹介してくれ。さっきから私の手がそいつを触りたくてうずうずしてる・・じゃなくて、そいつが話してたシロだろ?」
「・・・さっきから本音だだ漏れですよ?おっしゃる通り、こいつがシロです。」
「こんにちは。えー、王様ーですよね?ちょっとこの状況理解できないんですけど。」
「お!本当に喋るのか。かわいいなー。ちょっと触らせてくれ!」
「ちょ、話聞いてる?あとぼくはおじさんに触られる趣味はないから。」
「えー、つーめーたーいー。」
王様はそう言いながら体をくねらせる。
「いい歳したおっさんがクネクネすんな!よし、澪!もう行こう!」
「別に急いでないからもうちょっと話しててもいいんだよ?」
「いや、いい!大丈夫!」
「そう?」
「あ、ミオ。ひとつだけ教えて欲しいことがあるんだが。お前は今男の姿だが、本当は女と男どっちなんだ?」
澪は、ぱちくりと瞬きをしたあとに、にやりと笑いながら答えた。
「内緒です。人っていうのは多少秘密があった方が素敵なんですよ。」
その後、澪たちが部屋から出て行き、残された王様はぽつりとつぶやいた。
「お前は多少じゃないんだよ。私はお前の名前しか知らない。」
あの後みお達は、いっきに国境まで瞬間移動してリュシオールの南に位置するリベルテという国に来ていた。
色んな街に行って、もう次の国に行こうかと考えていた時に、ふと王子のことを思い出した。
「ねえ、そろそろいい頃よね?」
「うん。僕も考えてた。」
「じゃあもう1回行くとしますか、リュシオールに!!」
「澪って意外と性格悪いよね。」
「シロだって面白いって言いながら賛成してたじゃんかー。」
「だって絶対面白いもん。」
「ほらー。」
最後に試合をした女の子は魅了の魔法を使っていた。もちろん澪はそれに気づいてはいた。そう、気づいてはいたのだ。それでも、あの状況に澪はイラッとし、国を出ることにした。
ちなみに、魅力の魔法は無効化して、もうあの女子生徒が魅力の魔法を使えないように細工もしてきた。
そして新しい賭けが誕生した。賭けの内容は、「数年後にもう一回来て、王子がどんな反応をするか。」だ。
澪の意見。
「泣く。もうこれしかない。美少年、あ、次会うときは美青年か。の泣き顔とか絶対最高だし。」
「うわぁー。」
シロ
「やっぱかたまってからの土下座でしょ。男ばん澪とは少ししか話してないのに大分澪のこと気に入ってたからね。」
「あー、それね。私もそこはちょっと疑問だったんだけどね。王様と話して理由が判明したんだよね。」
「なになに!何だったの!?」
「シロが勝ったら教えてあげる。」
「えー。鬼ー悪魔ー。」
そうして準備を終えて瞬間移動した先は、建物の中。
「ん?ここは?」
シロは見覚えがないらしく、キョロキョロと辺りを見渡しながら澪に尋ねた。
「ふっふっふー。ここはねー、私がつくった秘密基地です!」
「秘密基地・・・?いや、待って?澪がつくった?絶対やばい機能ついてるよね?この建物。」
「そんなことないですよ?」
「なんで敬語?あきらかにやばいって言ってるようなものだよ?それ。てか、あー。そーゆーことか。学園に入る前にたまにどっか出かけてたけど、これをつくってたのね。」
「そゆことー。ちなみに、この建物は誰にも見つからないから安心してね。」
「あー。へー、うん。よーくわかった。」
「よーし。じゃあ城に突撃しますか。」
「おー。」
澪の楽しそうな声と、シロの呆れたような声が部屋に響き渡ったあと、シロが目にしたのは、上質な家具が揃った広い部屋で書類仕事をしている男。
「久しぶりです、ゼフィー。」
「うわっ!!びっくりしたー。いきなり部屋の中に現れるなって5年前にも言っただろう?ミオ。私ももう40歳なんだからいたわってくれよ。」
「あきらかに20代後半くらいの見た目して何言ってんですか。5年前にも言ったでしょう。脳が混乱するから年齢を言うのはやめてくださいって。」
「あと私の息子あんまりいじめてやるなよ?ま、あの程度の魅了にかかるあいつも悪いがな。」
「あ、そーそー。今日はちょっと王子をいじめに来たんですよ。」
「おもしろそ・・・じゃなくて、手加減してやれよ。あと行く前にそいつを紹介してくれ。さっきから私の手がそいつを触りたくてうずうずしてる・・じゃなくて、そいつが話してたシロだろ?」
「・・・さっきから本音だだ漏れですよ?おっしゃる通り、こいつがシロです。」
「こんにちは。えー、王様ーですよね?ちょっとこの状況理解できないんですけど。」
「お!本当に喋るのか。かわいいなー。ちょっと触らせてくれ!」
「ちょ、話聞いてる?あとぼくはおじさんに触られる趣味はないから。」
「えー、つーめーたーいー。」
王様はそう言いながら体をくねらせる。
「いい歳したおっさんがクネクネすんな!よし、澪!もう行こう!」
「別に急いでないからもうちょっと話しててもいいんだよ?」
「いや、いい!大丈夫!」
「そう?」
「あ、ミオ。ひとつだけ教えて欲しいことがあるんだが。お前は今男の姿だが、本当は女と男どっちなんだ?」
澪は、ぱちくりと瞬きをしたあとに、にやりと笑いながら答えた。
「内緒です。人っていうのは多少秘密があった方が素敵なんですよ。」
その後、澪たちが部屋から出て行き、残された王様はぽつりとつぶやいた。
「お前は多少じゃないんだよ。私はお前の名前しか知らない。」
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