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第50話 儀式
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俺と顔と顔が当たりそうな距離にまで近づいたポーラ姫は目と閉じるとその唇を差し出した。
彼女の吐息がそのまま感じられそうな至近距離。
俺は驚きの余り固まって身動きができなくなってしまった。
そこに大きな杖が伸びてきてポーラ姫の頬に添えられたと思いきや、彼女はすごい勢いでぐい! と押しのけられた。
「きゃうン!」
金髪碧眼の見た目麗しいお姫様は可愛い悲鳴を上げてそのまま顔から地面に墜落すると、ずざあー! と音を立てて地面を滑った。
うわあ…痛そうだ。
「何をしているんだいポーラ! 兄君様(あにぎみさま)が困っているじゃないか!」
「うう、いきなり杖でおしのけるなんて酷いですわミリィお姉様!!」
「暴走している愚妹(ぐまい)を鎮めるのも姉の役目だよ!
まったく、兄妹で唇同士で口づけするなんておかしいだろう。
大体ポーラはファイズ殿下と口づけをしていたとでも言うのかい?」
「いやですわミリィお姉様。わたくしとファイズお兄様は兄妹ですわ。そんなことをしていた訳がありませんわ」
「…いけしゃあしゃあと言ってくれるねポーラ。
それでは何でケイガ兄君様と口づけをしようと思ったんだい?
その理由を聞かせて貰おうかい?」
「わたくしはケイガお兄様と改めて兄妹の契りを交わすこととしました。
それはファイズお兄様との兄妹とは違う新たな兄妹のかたちですわ。
これは例えるならば、婚姻と同じぐらい大ごとです。
そしてわたくしとケイガお兄様の人生においても大切な事と思います。
ならば婚姻と同じく、人生の節目として儀式を行うことが必要と思ったのです。
そこでわたくしは口づけを交わすことを思い立ちましたの。
新たな兄妹とは今迄の兄妹の概念に捕らわれない新たな兄妹のかたち、口づけを交わしても問題はありませんわ」
「…ふうん、それっぽく言っている様だけど、頬を赤らめてにやけた顔で言うのは全然説得力が無いよポーラ…欲望が駄々洩れじゃないか。
でもこれは確かに人生の節目ということになるのかもね。
ならば、儀式をするということは必要というポーラの意見もあながち間違いでは無いだろう。
ケイガ兄君様とボクたちとの新たな兄妹としての船出としての儀式かあ…。
そうだね、こう互いに手を握るのはどうだい?
ほら結婚式でお互い手を握るだろう?
あの様な感じだよ兄君様!」
ミリィは夢見るような乙女の様な目線でヒートアップしながら俺に意見を述べてきた。
ええと…何だか大ごとになってきた気がする。
とりあえず手を握ればいいのか?
俺はミリィの手を取って包むように握った。
「それじゃあミリィ、改めて…よろしくな」
「…あはっ、突然そんなことされたらびっくりしちゃったじゃないか兄君様。
正直なところすごくドキドキしたよ…。
うん、改めてよろしくねケイガ兄君様」
ミリィは恥ずかしそうに頬を赤らめながら俺にそう答えた。
いつもの落ち着いた感じと違って凄く可愛いと思った。
だがいけない、彼女は妹なのだ。
兄と妹の関係なのにそんな思いを抱いてどうするのだ。
ううむ、これから始まる新たな兄妹の関係というものは前途多難な予感をひしひとと感じるぞ。
…大丈夫か俺?
彼女の吐息がそのまま感じられそうな至近距離。
俺は驚きの余り固まって身動きができなくなってしまった。
そこに大きな杖が伸びてきてポーラ姫の頬に添えられたと思いきや、彼女はすごい勢いでぐい! と押しのけられた。
「きゃうン!」
金髪碧眼の見た目麗しいお姫様は可愛い悲鳴を上げてそのまま顔から地面に墜落すると、ずざあー! と音を立てて地面を滑った。
うわあ…痛そうだ。
「何をしているんだいポーラ! 兄君様(あにぎみさま)が困っているじゃないか!」
「うう、いきなり杖でおしのけるなんて酷いですわミリィお姉様!!」
「暴走している愚妹(ぐまい)を鎮めるのも姉の役目だよ!
まったく、兄妹で唇同士で口づけするなんておかしいだろう。
大体ポーラはファイズ殿下と口づけをしていたとでも言うのかい?」
「いやですわミリィお姉様。わたくしとファイズお兄様は兄妹ですわ。そんなことをしていた訳がありませんわ」
「…いけしゃあしゃあと言ってくれるねポーラ。
それでは何でケイガ兄君様と口づけをしようと思ったんだい?
その理由を聞かせて貰おうかい?」
「わたくしはケイガお兄様と改めて兄妹の契りを交わすこととしました。
それはファイズお兄様との兄妹とは違う新たな兄妹のかたちですわ。
これは例えるならば、婚姻と同じぐらい大ごとです。
そしてわたくしとケイガお兄様の人生においても大切な事と思います。
ならば婚姻と同じく、人生の節目として儀式を行うことが必要と思ったのです。
そこでわたくしは口づけを交わすことを思い立ちましたの。
新たな兄妹とは今迄の兄妹の概念に捕らわれない新たな兄妹のかたち、口づけを交わしても問題はありませんわ」
「…ふうん、それっぽく言っている様だけど、頬を赤らめてにやけた顔で言うのは全然説得力が無いよポーラ…欲望が駄々洩れじゃないか。
でもこれは確かに人生の節目ということになるのかもね。
ならば、儀式をするということは必要というポーラの意見もあながち間違いでは無いだろう。
ケイガ兄君様とボクたちとの新たな兄妹としての船出としての儀式かあ…。
そうだね、こう互いに手を握るのはどうだい?
ほら結婚式でお互い手を握るだろう?
あの様な感じだよ兄君様!」
ミリィは夢見るような乙女の様な目線でヒートアップしながら俺に意見を述べてきた。
ええと…何だか大ごとになってきた気がする。
とりあえず手を握ればいいのか?
俺はミリィの手を取って包むように握った。
「それじゃあミリィ、改めて…よろしくな」
「…あはっ、突然そんなことされたらびっくりしちゃったじゃないか兄君様。
正直なところすごくドキドキしたよ…。
うん、改めてよろしくねケイガ兄君様」
ミリィは恥ずかしそうに頬を赤らめながら俺にそう答えた。
いつもの落ち着いた感じと違って凄く可愛いと思った。
だがいけない、彼女は妹なのだ。
兄と妹の関係なのにそんな思いを抱いてどうするのだ。
ううむ、これから始まる新たな兄妹の関係というものは前途多難な予感をひしひとと感じるぞ。
…大丈夫か俺?
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