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第65話 お姫様の椅子
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「ああ…お兄様…凄おぃ…もうポーラ立ってられませんのぉ…」
「あ、兄君様(あにぎみさま)…ボクぅ…もう…ダメだよぉ…」
「はぁ…はぁ…お兄…お兄…」
ポーラ姫、ミリィ、ユウカの三人は息を荒げながら謁見の間の床にその身を横たえていた。
おかしい、俺は三人の頭を撫でていただけなのに何故…どうしてこうなった?
「…うっ!?」
そんな俺も自分の身体が少しふらりと来るのを感じた。
やはり半年間引き籠もりだったので体力面に問題がある。
地ノ宮流気士術(ちのみやりゅうきしじゅつ)の気士(きし)であれば、本来はこれぐらいの高速度での取り回しなどで息が上がるなど有り得ない。
やはり一からの鍛錬のやり直しが急務であろう。
しかしいま身体に来てしまったものは仕方がない。
少し座って休まなくては…と俺が目を泳がせた所を、床から起き上がったポーラ姫と目があった。
「もしかしてお疲れなのですかお兄様? それではこちらにお座りくださいませ」
彼女はそう言うと、にこやかに俺に椅子を奨めて来た。俺は言われるがままにその椅子に腰かけた。
ああ、凄い座り心地の良い椅子だあ…ってちょっと待ってポーラさん!
この椅子、確か王様の玉座じゃないんですか!?
俺が座っちゃ駄目な奴なんじゃ…?
「あの、ポーラ…この椅子って確か、王様とか第一王位継承者しか座れないんじゃ無かったっけ?」
「そうですわ。父上が居ない今はわたくししか座れない椅子ということになりますね」
「そ、それじゃ…俺は立」
「それでは失礼いたします」
ポーラ姫はそう言うと俺の股間の間に腰かけた。
うおおおおおおーー!!
お姫様のお尻があ!
そ、そんなところにいいいい!!
うおおおお!
柔らかい!
すごく柔らかいのおおお!!
「ちょっと待つんだいポーラっ! 君は何をやっているんだい!」
ミリィが凄い剣幕でポーラ姫に詰め寄った。
そ、そうだミリィ早くこのお姫様を止めてえ!
「自分の椅子に座っているだけですけど何か?」
「ち、違うよねポーラ? 兄君様は椅子じゃないからね!」
「わたくしはお兄様がお疲れでしたので、自分の椅子をお奨めしましたの。
ですがわたくしも疲労がたまっておりました。
そこで失礼をご承知で椅子の空いているところに腰かけたという訳です」
「いけしゃあしぁあと言ってくれるねポーラ…。
兄君様のそんなトコロに密着するなんて大胆過ぎる…じゃなくてだね!
兄君様に失礼極まりないだろう!
さあ早くその椅子から立ちたまえ!」
「はあ、ですがわたくしもくたくたですので立つのはちょっと…。
それではミリィお姉様、わたくしと席を交代しましょうか?」
「ポ、ポーラあ! 君は第三王位継承者のボクにその玉座に座れと言うのかい!?
ず、随分とやるじゃないかポーラ…。
その駆け引き、流石は『聖王女』としての王の振る舞いと言う訳だね。
くっ…悔しいけどボクにはその資格も覚悟も無い…」
がくりとその場にうな垂れるミリィ。
いや、二人とも俺がこの椅子に座っていること自体は良いんですかねえ?
「ポーラニア殿下、ミリフィア公爵殿下。
姫騎士団(プリンセスナイツ)一同、重犯罪者の三人を牢に繋ぎ終えましたので戻って参りました」
姫騎士団が謁見の間に戻って来た、シノブ団長が二人に報告する。
「姫騎士団(プリンセスナイツ)の皆、ご苦労様でした。何か問題はありませんでしたか?」
「問題ありません。流石に三人とも観念された様で、大人しく牢に入られました」
「王城内で特に厄介者だった三人の排除が上手くいったのは良いけど、流石に上手く行き過ぎた感はあるよね?
ボクはちょっと反動が心配かな」
「確かにそうですね、ミリィお姉様。
三人の頭(かしら)を欠いた後の貴族派、教会、商会。
この三方の組織への対応を取り決める必要がありますね。
それでは今から急ぎ対策の会議を始めましょう」
ポーラ姫が再び王者の立ち振る舞いを発現し、ここに集う皆に対して凛とした言葉をかける。
そして、ミリィ、姫騎士団と共にこの国における重要な会議を始めた。
…俺の股間の前に座りながら。
ああ、俺がお姫様の椅子さ!
「あ、兄君様(あにぎみさま)…ボクぅ…もう…ダメだよぉ…」
「はぁ…はぁ…お兄…お兄…」
ポーラ姫、ミリィ、ユウカの三人は息を荒げながら謁見の間の床にその身を横たえていた。
おかしい、俺は三人の頭を撫でていただけなのに何故…どうしてこうなった?
「…うっ!?」
そんな俺も自分の身体が少しふらりと来るのを感じた。
やはり半年間引き籠もりだったので体力面に問題がある。
地ノ宮流気士術(ちのみやりゅうきしじゅつ)の気士(きし)であれば、本来はこれぐらいの高速度での取り回しなどで息が上がるなど有り得ない。
やはり一からの鍛錬のやり直しが急務であろう。
しかしいま身体に来てしまったものは仕方がない。
少し座って休まなくては…と俺が目を泳がせた所を、床から起き上がったポーラ姫と目があった。
「もしかしてお疲れなのですかお兄様? それではこちらにお座りくださいませ」
彼女はそう言うと、にこやかに俺に椅子を奨めて来た。俺は言われるがままにその椅子に腰かけた。
ああ、凄い座り心地の良い椅子だあ…ってちょっと待ってポーラさん!
この椅子、確か王様の玉座じゃないんですか!?
俺が座っちゃ駄目な奴なんじゃ…?
「あの、ポーラ…この椅子って確か、王様とか第一王位継承者しか座れないんじゃ無かったっけ?」
「そうですわ。父上が居ない今はわたくししか座れない椅子ということになりますね」
「そ、それじゃ…俺は立」
「それでは失礼いたします」
ポーラ姫はそう言うと俺の股間の間に腰かけた。
うおおおおおおーー!!
お姫様のお尻があ!
そ、そんなところにいいいい!!
うおおおお!
柔らかい!
すごく柔らかいのおおお!!
「ちょっと待つんだいポーラっ! 君は何をやっているんだい!」
ミリィが凄い剣幕でポーラ姫に詰め寄った。
そ、そうだミリィ早くこのお姫様を止めてえ!
「自分の椅子に座っているだけですけど何か?」
「ち、違うよねポーラ? 兄君様は椅子じゃないからね!」
「わたくしはお兄様がお疲れでしたので、自分の椅子をお奨めしましたの。
ですがわたくしも疲労がたまっておりました。
そこで失礼をご承知で椅子の空いているところに腰かけたという訳です」
「いけしゃあしぁあと言ってくれるねポーラ…。
兄君様のそんなトコロに密着するなんて大胆過ぎる…じゃなくてだね!
兄君様に失礼極まりないだろう!
さあ早くその椅子から立ちたまえ!」
「はあ、ですがわたくしもくたくたですので立つのはちょっと…。
それではミリィお姉様、わたくしと席を交代しましょうか?」
「ポ、ポーラあ! 君は第三王位継承者のボクにその玉座に座れと言うのかい!?
ず、随分とやるじゃないかポーラ…。
その駆け引き、流石は『聖王女』としての王の振る舞いと言う訳だね。
くっ…悔しいけどボクにはその資格も覚悟も無い…」
がくりとその場にうな垂れるミリィ。
いや、二人とも俺がこの椅子に座っていること自体は良いんですかねえ?
「ポーラニア殿下、ミリフィア公爵殿下。
姫騎士団(プリンセスナイツ)一同、重犯罪者の三人を牢に繋ぎ終えましたので戻って参りました」
姫騎士団が謁見の間に戻って来た、シノブ団長が二人に報告する。
「姫騎士団(プリンセスナイツ)の皆、ご苦労様でした。何か問題はありませんでしたか?」
「問題ありません。流石に三人とも観念された様で、大人しく牢に入られました」
「王城内で特に厄介者だった三人の排除が上手くいったのは良いけど、流石に上手く行き過ぎた感はあるよね?
ボクはちょっと反動が心配かな」
「確かにそうですね、ミリィお姉様。
三人の頭(かしら)を欠いた後の貴族派、教会、商会。
この三方の組織への対応を取り決める必要がありますね。
それでは今から急ぎ対策の会議を始めましょう」
ポーラ姫が再び王者の立ち振る舞いを発現し、ここに集う皆に対して凛とした言葉をかける。
そして、ミリィ、姫騎士団と共にこの国における重要な会議を始めた。
…俺の股間の前に座りながら。
ああ、俺がお姫様の椅子さ!
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