シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

文字の大きさ
120 / 579

第120話 目線

しおりを挟む
 俺が両手から放った巨大なエネルギー波は
 リリンシアを包み込んで大爆発を起こす。
 凄まじい爆炎が巻き起こり周囲を完全に覆い隠した。

 俺が過去に幾度となく戦ったあやかし
 彼等は人間よりも圧倒的な強者であるという自身に満ちている。
 故に人間に対しては油断が生まれる。
 時には自身に付け入る隙を与える言葉、
 即ち弱点を自ら漏らすことがあるのだ。
 その慢心から来る失言という奴である。

 リリンシアは自身を『闇の精霊』と名乗った。
 これは己が人間よりも圧倒的な強者である自信から出た真実まことの言葉であろう。
 確かに人間はお前たちに比べたら弱者だ。
 力も、速度も、回復力も、その全てが比べ物にならないだろう。
 だから弱い人間である俺は、
 お前たちの傲慢さから出る失言を聞き逃しはしない。
 その言葉で得た情報から速やかに考えを巡らせて、
 お前たちを倒せるすべを作り上げるのだ。

 リリンシアが闇の属性というのなら…闇を滅する属性は光である。
 ならば、地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつの気功波系最高の技『極光きょくこう』が正に打って付けであろう。
 そして俺が今居るこの精神世界は俺に対して有利に補正が働いている。
 リリンシアの力は大きく削がれているのだ。

 この状態で、
 『極光きょくこう』を真面まともに喰らえば魔界五軍将といえども無事では済まないだろう…。
 俺は爆炎が収まった後に何も居なくなっている事を”期待”した。
 しかし…その期待は儚くも裏切られた。


 爆炎が収まった跡には、
 自身の髪で全身を覆って身を護っているリリンシアの姿があった。

「そんな…『極光きょくこう』が直撃した筈なのに…無傷なのか?」

「フフフ…そんなことはないワ。ちゃんと”効いている”わヨ」

 リリンシアの全身を覆っていた髪が全て、灰となって崩れ落ちた。

「うーん、髪の再生は無理みたいネ。
ケイガクン、女の髪を切り落とすなんて最低ヨ?
でもショートカットも悪くないかナ?
フフフ…ケイガクンはロングとショートの髪のどっちが好みなのかしらネ?」

 相も変わらず俺に対して余裕の軽口を叩くリリンシア。
 髪を失った分、その力は確実に弱まっている筈である。
 それで居て、その口振りと言う事は、
 まだまだ余裕が有るということなのだろう。
 俺はリリンシアを”目の端”で捉えながら再度、戦闘態勢を整える。

「…ちょっとケイガクン!
何か微妙にアタシから目線を外してカナ?
こんな魅惑的な女をちゃんと見ないなんて失礼じゃないノ?」

 …くっ、気付かれた!?
 大雑把に見えて案外細かい女だ…。
 俺は目線をリリンシアの真正面に戻す。


「…って見れるかあッーー!!」

 俺は一糸纏いっしまとわぬ全裸で堂々と立っているリリンシアに対して絶叫した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件

おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。 最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する! しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~

あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。 彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。 剣も魔法も得意ではない主人公は、 最強のメイドたちに守られながら生きている。 だが彼自身は、 「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。 自分にできることは何か。 この世界で、どう生きていくべきか。 最強の力を持つ者たちと、 何者でもない一人の青年。 その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。 本作は、 圧倒的な安心感のある日常パートと、 必要なときには本格的に描かれる戦い、 そして「守られる側の成長」を軸にした 完結済み長編ファンタジーです。 シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。 最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ
ファンタジー
書道が大好き(強制)なごくごく普通の 一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の 関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事 を裏でしていた。ある日のこと学校を 出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ こりゃーと思っていると、女神(駄)が 現れ異世界に転移されていた。魔王を 倒してほしんですか?いえ違います。 失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな! さっさと元の世界に帰せ‼ これは運悪く異世界に飛ばされた青年が 仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの と商売をして暮らしているところで、 様々な事件に巻き込まれながらも、この 世界に来て手に入れたスキル『書道神級』 の力で無双し敵をバッタバッタと倒し 解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに 巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、 時には面白く敵を倒して(笑える)いつの 間にか世界を救う話です。

処理中です...