シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

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第331話 勇者と星剣

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 500年前、魔界に強力な力を持ったひとりの魔族が生まれた。
 その魔族は群雄割拠の魔界において他の魔王たちを制して魔界を統一、
 魔王の中の魔王、『大魔王』を名乗った。
 大魔王は魔界の支配に留まらず人間界の支配をも目論み、
 魔族を率いて地上への侵攻を開始した。
 人間は大魔王と彼が率いる魔族の軍勢に追い詰められ、
 大陸の端にまで追い詰められた。

 この異世界エゾン・レイギスを創造した星の精霊たちは
 世界の均衡を守るために人間に力を貸すことにした。
 自分達が住まう星の欠片から大魔王を倒すことが出来る武器、
 『星剣エクシオン』を創り出した。
 魔族の闇の魔力に対抗するのは光の魔力。
 星剣は光の魔力を変換し強力な刃に変えることが出来る。

 精霊たちは強大な光の魔力を持ったひとりの人間の戦士に星剣を授けた。
 その者は後の世に勇者と呼ばれた。
 勇者は星剣を振るい激戦の末に大魔王を倒し、魔族の軍勢を魔界へと退けさせた。

 それから数百年の月日が流れ…
 魔界の奥底で眠りについていた大魔王に復活の兆しが表れた。
 世界の均衡を司る精霊たちは再び星剣を人間に授けようとしたが
 エゾン・レイギスの人間の魔力は大魔王と戦った時代よりも総じて低下しており
 とても星剣を使いこなせる者は存在しなかった。
 大魔王の復活まであまり時間は残されていなかった。
 精霊たちは異世界・地球より高い魔力を持った人間を召喚することにした。
 大勢の地球人が召喚されたが勇者の資質を持った者はなかなか現れなかった。
 最初の地球人類召喚から十数年の時が流れ…
 ついに精霊たちは星剣を使いこなすことが出来る
 強い光の魔力を持った人間を召喚することに成功した。

 それが俺の妹、鳴鐘 優羽花なるがね ゆうかである。

 俺は異世界エゾン・レイギスに飛ばされてから三週間、
 エクスラント聖王国の魔法学者であるミリィの下で
 この異世界について様々な事を学んだ。
 そして俺と優羽花ゆうかを召喚した存在であり、
 俺と魔力の契約をした光の精霊ヒカリからも
 この世界について様々な事を教えてもらった。

「ヒカリ、星剣エクシオンが大魔王を倒せる武器だということは前にも聞いた。
城の文書にもしつこい程書いてあった。
でも出来ることなら、この剣についてもう少し詳しく教えてくれないか?」

 俺は自分の目の前に立つ髪から肌、
 着ている服まで真っ白な幼い少女に問いかけた。

「ケイガおにいちゃん、
星剣エクシオンはユウカの『専用武器』。
装備車のユウカには剣自体が使い方を教えてくれる。
『専用武器』は装備者以外には使えない。
もちろんおにいちゃんも使えない。
それでも星剣について知りたい?」

「ああ。
優羽花ゆうかは頭を使うことが苦手で、
ちょっと危なっかしい所がある。
だから俺も星剣についての知識を共有しておきたいんだ」

俺は隣の優羽花ゆうかの頭をぽんと叩きながらヒカリにお願いをした。

「何よう…そりゃあたしは
お兄の言う通りあんまり頭は良くないかもだけど…
まるでバカにされているみたいでちょっとムカつくんですけど!」

優羽花ゆうかはむっとした顔で俺を睨みつけた。

「仕方が無いだろう、俺はお前の兄さんなんだぞ?
この戦乱渦巻く異世界で兄として優羽花ゆうかを守らなければならないんだ。
その為には勇者について、
そして勇者の武器である星剣についてもっと知っておかなければならない。
何も知らなければ優羽花ゆうかの力になれないし、守れない!
まあ少しウザいかも知れないけど…そこは我慢してくれ」

俺は優羽花ゆうかの頭を優しく撫でながら言葉を返した。

「うう…そんなこと言われたら…
もう何も言えないじゃないのよ馬鹿お兄…」

 優羽花ゆうかはそう答えると頬を赤らめながらそっぽを向いた。
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