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412話 兄の噂話
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「何で逆ギレしてるのよ静里菜あ!
それにヘタレ言うなあ!
あたしの心は繊細なのおっ!!
だいたいあたしの姉って何よ!
静里菜とあたしは同い年で、
生まれた月日はあたしのほうがちょっと先なんだから、
どっちかと言えば
あたしのほうがお姉ちゃんじゃないのよ!」
「でも…どう見ても、
優羽花のほうが妹キャラですよね?」
「キャラ言うなあ!
とにかく、姉振るのは禁止なんだからね!」
「わかりましたよ、優羽花。
…それはそうと、
本当に兄さんとの仲は何も進展していないんですか?」
「…何よう改まって。
あたしとお兄の関係は前のまま何も変わっていないんだからね!」
「わたし、さっき兄さんと話して
優羽花が元の世界の時よりも兄さんに対してしおらしくて
大人しくなったと聞いたんですけど。
…それって兄さんとの仲が進展したということでは無いのですか?」
「んー?
そりゃあ見たことも聞いたことも無い世界だし。
こんな不安ばっかりなところでお兄に対して喧嘩腰だなんてしないわよ。
大人しくだってなるわ。
あたしだって、それぐらいの心配りは出来るんだからね。
…それに、お兄も不安にしているあたしを
凄く気遣ってくれるのはわかるし。
そんなお兄に対していつもより素直になるのは当たり前でしょ!」
優羽花は頬を少し赤らめながら静里菜に言葉を返した。
「なるほど、兄さんに対していつもより素直に…ですか?
そこのところを詳しく聞きたいのですけれど。
わたし、とても気になります!」
「え…ええっー!?
そんな、べ別にお兄とは何もないんだからね!」
それからしばらくの間、
鳴鐘 慧河の16年来のふたりの妹は、
異世界で優羽花が兄と過ごした出来事を中心に話に花を咲かせるのであった。
*******
「…はっくしょおん!」
ここはエクスラント聖王国のホウリシア城の尖塔の屋根。
「…ははっ、こんな夜分では流石に寒いよなあ。
それとも優羽花と静里菜が俺の噂話でもしているのかなあ?
静里菜は優羽花に会いに行くって言ってたしなあ…」
静里菜の構築した精神世界から
現実世界に戻って来て目を覚ました俺は、
俺の側で眠っていたカエデ、シダレ、ツツジの三人を起こさない様に
こっそり隠し部屋を抜け出すと、
城外に緊急退避していたのである。
いやあ…年頃の娘と、
しかも三人も一緒に添い寝とか!
25歳童貞である俺には色々と耐えがたいものがあってですね!
これが女性の匂い?
フェロモンって奴なんですか!?
…とにかく俺は一刻も早く夜空の冷たい空気を吸って、
気分を落ち着かせる必要があったという訳なのである。
いやあ、アブないアブない。
兄は妹を性的な目で見てはいけないんだあああ!!
俺は心の中で絶叫した。
それにヘタレ言うなあ!
あたしの心は繊細なのおっ!!
だいたいあたしの姉って何よ!
静里菜とあたしは同い年で、
生まれた月日はあたしのほうがちょっと先なんだから、
どっちかと言えば
あたしのほうがお姉ちゃんじゃないのよ!」
「でも…どう見ても、
優羽花のほうが妹キャラですよね?」
「キャラ言うなあ!
とにかく、姉振るのは禁止なんだからね!」
「わかりましたよ、優羽花。
…それはそうと、
本当に兄さんとの仲は何も進展していないんですか?」
「…何よう改まって。
あたしとお兄の関係は前のまま何も変わっていないんだからね!」
「わたし、さっき兄さんと話して
優羽花が元の世界の時よりも兄さんに対してしおらしくて
大人しくなったと聞いたんですけど。
…それって兄さんとの仲が進展したということでは無いのですか?」
「んー?
そりゃあ見たことも聞いたことも無い世界だし。
こんな不安ばっかりなところでお兄に対して喧嘩腰だなんてしないわよ。
大人しくだってなるわ。
あたしだって、それぐらいの心配りは出来るんだからね。
…それに、お兄も不安にしているあたしを
凄く気遣ってくれるのはわかるし。
そんなお兄に対していつもより素直になるのは当たり前でしょ!」
優羽花は頬を少し赤らめながら静里菜に言葉を返した。
「なるほど、兄さんに対していつもより素直に…ですか?
そこのところを詳しく聞きたいのですけれど。
わたし、とても気になります!」
「え…ええっー!?
そんな、べ別にお兄とは何もないんだからね!」
それからしばらくの間、
鳴鐘 慧河の16年来のふたりの妹は、
異世界で優羽花が兄と過ごした出来事を中心に話に花を咲かせるのであった。
*******
「…はっくしょおん!」
ここはエクスラント聖王国のホウリシア城の尖塔の屋根。
「…ははっ、こんな夜分では流石に寒いよなあ。
それとも優羽花と静里菜が俺の噂話でもしているのかなあ?
静里菜は優羽花に会いに行くって言ってたしなあ…」
静里菜の構築した精神世界から
現実世界に戻って来て目を覚ました俺は、
俺の側で眠っていたカエデ、シダレ、ツツジの三人を起こさない様に
こっそり隠し部屋を抜け出すと、
城外に緊急退避していたのである。
いやあ…年頃の娘と、
しかも三人も一緒に添い寝とか!
25歳童貞である俺には色々と耐えがたいものがあってですね!
これが女性の匂い?
フェロモンって奴なんですか!?
…とにかく俺は一刻も早く夜空の冷たい空気を吸って、
気分を落ち着かせる必要があったという訳なのである。
いやあ、アブないアブない。
兄は妹を性的な目で見てはいけないんだあああ!!
俺は心の中で絶叫した。
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