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461話 取り繕う
しおりを挟む流石は大魔王様直属の魔界五軍将のひとり、
魔導将アポクリファル様。
場当たり的な行動に見えて、
全ては計算づくされている。
生贄として捧げられた
哀れな人の幼子に対して、
いたわりといった類の情などというモノは一切無く、
あくまで人間という生物を研究する為に飼ったという事実のみ。
アポクリファル様が見ているモノは
自分が見ているモノより遙か先の事であり、
より大きな目線で見たセカイ。
全ては魔族の未来に対してのモノなのである。
リュシウムは魔界を統べる高位魔族としての見識に只々感じ入った。
だがそれと同時にひとつの懸念がリュシウムの中に浮かんだ。
「アポクリファル様。
この人の幼子たちから人間の研究データが取れた暁には…
その後の処置はどうなさるのでしょうかッ?」
「そうさのう…
研究終了後は実験生物は”廃棄”というのが普通じゃろうな」
「アポクリファル様、
この人の幼子たちは我等魔族に
人間の研究データを提供してくれるという意味では
魔族に大きく貢献してくれたと言えるでしょうッ!
その仕事に対して褒美を与えるべきかと思います。
ですから、どうか…この者達の助命を…」
「フォフォフォ…リュシウムよ。
儂は言ったじゃろう。
儂ら魔族は人間は決して滅ぼしてはならない、
あくまで服従させて奴隷とする事が重要じゃ…と。
だからこの子供達を殺すなんてあり得んよ。
儂ら魔族に取っては、
未来の貴重な労働力になってくれる筈なんじゃからな。
まあ実験が終わったらどうするかは後程考えるが、
悪いようにはせんから安心せい」
「アポクリファル様…感謝しますッ」
「しかしお主は魔竜将の副官である
半魔族のディラムに対する態度と言い、
魔族純種主義とばかり思っていたんじゃがのう…。
だが他種族の人間に対するその思いやりを見るに、
儂が見誤っていただけの様じゃな」
「アポクリファル様ッ!
ワレは魔族こそがこの世界エゾン・レイギスで
最高の種族であることは疑っておりませぬ!
ディラム殿の様な人間の血を引く半魔族などでは無く、
我等のような純魔族こそが此の世界を治めるべきと思っております!
ですが…人間の幼子などという弱き無抵抗なモノに対して、
無駄に力を振るうなど無駄な労力でしかないと思っているだけです!
そんな暇があれば人間の戦力を削り取るべく、
人間の戦士に対して力を振るうべきと
ワレは申し上げただけですッ!」
リュシウムはまるで取り繕うかの様に語彙を強めて早口で言葉を返した。
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