シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

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549話 怖さの違い

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「くくく…ナルガネ・ケイガ。
貴様の気の力、なかなか味わい深かった。
オレの見立てなら…まだまだその力は伸びるだろうよ。
そしてディラム、お前の上達振りも見事だ。
ふっ、オレは充分、いや予想以上に満足したぞ。
まだ色々と話したい所だったが…どうやら時間切れの様だな。
オレの召喚時間は終了だ」

 竜から人の姿に戻った魔竜将ガルヴァーヴ。
 その姿が揺らめいて透けていく。

「オレを再召喚出来るには今しばらくの時間が掛かろうが、
ここまで力を付けた貴様等なら、
オレの力無くとも大抵の問題は対処できるだろう。
魔界の大魔王軍については任せて貰おう。
動きがあればオレとベイファードで抑えよう」

 ガルヴァーヴが言葉を言い終わると共に、
 その姿は空間に溶けて…
 そして消えていった。

 召喚契約をしているディラムによって
 召喚魔法でこの地上世界に現れていた彼は、
 この世界で顕現に必要な魔力を全て消費して
 元居る魔界へと帰ったのである。

「見事な気の大技だったぞケイガ。
我が主、ガルヴァーヴ様も十二分に満足されていた」

「おう」

 俺はディラムに向けて右腕を伸ばすと、
 親指を立ててサムズアップで答えた。
 …身体を地面に突っ伏しながら。

 いやあ…この様な姿勢で申し訳ない。
 俺は全ての気を”極光きょくこう”に使ったので…
 起き上がる事すら出来ないんです。
 こうやってサムズアップで答えるのが精一杯なんですよ。

「お疲れさま、お兄!」

 突っ伏したままの俺の背中をポンと叩いて、
 ねぎらいの言葉を掛ける我がツンデレ妹、優羽花ゆうか

「まあ…何とかなったなあ。
しかし優羽花ゆうか
今の今まで姿が見えなかったんだが…
いったい何処に居たんだ?」

「んー、近くには居たわよ?
まあちょっと物陰に居たから…
見えなかっただけよ」

「??
何でそんな隠れるみたいなことを?」

「…それは…だっ、だって…」

「だって?」

「…怖いし…」

「怖い?
何が?」

「あの魔竜将ガルヴァーヴってひとよ!
何か凄く身体大きくて…
顔も感じも怖かったじゃない!?」

「そ、そうだったのか…?
それだったら前にお前が戦った、
大魔王の巨人の方が
よっぽど怖かったと思うんだが??」

「あれは人じゃなくて怪獣みたいなものだったし!
そういうのと男のひとの怖さは違うんだからね!!」

 ううむ…
 優羽花ゆうかは気が強そうに見えて…
 実は人見知りなところがあるし、
 男に対しては警戒心が強い所があるからなあ。

 大体この異世界エゾン・レイギスに飛ばされる前は
 日本の普通の女子高生だった訳だし、
 その感性は普通なのかもだなあ。

 しかし優羽花ゆうか当人は
 俺やディラムよりも強い、
 魔力数値8000以上の圧倒的な力を誇る光の勇者サマな訳で…
 男の目線からすれば、
 優羽花ゆうかのほうがよっぽど怖いと思うのだが…。

 俺は心の中でしみじみと思った。
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