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1章
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世界に神託が下ったその日
───世界は光に包まれた───
その光は輝きを失うことなく、黒の魔境の中心へと流星のように落ちていった。
落ちた衝撃が世界を揺らした。
そして、その光は消えていったのだった。
───────────────
各国の王は流星のような光を見て、月華の方々がこの地に舞い降りたと思った。
その数日後、王たちは世界国王会議を開いた。
王たちは会議で
「月華の方々をどうするのか。」
という議題を元に話し合いが行われた。
保護するべきだ。という意見もあれば、自由にさせるべきだ。という意見もあった。
会議があって数日がたった頃、話は纏まり次のようなことが決定した。
1、保護はしない
しかし、自国で月華の方々が発見された場合は速やかに保護する
2、各国から強者を集め、調査隊を結成し、黒の魔境に向かわせる
各国の王たちは決まったことに従い、各国から強者を収集した。
数日後に収集が終わり、黒の魔境の隣国リーベルト王国から調査隊は黒の魔境の中心部分に向かって出発した。
───────────────
一方その頃、黒の魔境に落ちた月たちは家を建てようとしていた。
「よし、ここら辺でいいか。」
輝夜は魔法で周辺の木々を刈り取り、家を異空間から取り出した。
いや、それは家ではなかった。
どこからどう見ても城なのだ。
しかし、月たちにとってそれは普通の事なので、誰も違和感を持たなかった。
輝夜は結界をはり、城の中へ入った。
既に城の中に入りじゃれあっていた月たちを呼んだ。
そして、月を膝の上に乗せると頭を撫でながら話始めた。
「月。
これから俺達はリーベルト王国というところに行く。
そこで、人間の中でも地位の高い者に保護してもらおうと思っている。
そのために、森に捨てられたような演技をする。
人間は怖いかもしれないけど頑張れるかい?」
輝夜は月に問いかけた。
そこで、月が小さい声で言う。
「輝夜は?一緒?」
白銀の髪は光を反射し、透き通った瞳は少し涙目になっていて、しかも上目遣いで輝夜の服を握り締めながら言う姿は凄かった。
言葉で言えないくらい凄かった。
それに輝夜が耐えれるはずもなく、とても緩みきった顔をして言った。
「もちろん。
俺は月の傍を離れないよ。」
月はふにゃりとした笑顔で言った。
「輝夜と一緒だったら、どんなことでも頑張れるよ。」
輝夜は言葉が出ない。
感動しすぎて涙が出てきそうだが、輝夜はそれを我慢した。
「そうだね。
俺も月と一緒だったら、どんなことだって出来るよ。」
2人は顔をあわせて笑いあった。
「月。
リーベルト王国には、月がこの世界の環境に慣れてから行こうと思うんだけど、どうかな?」
「うん。それでいいよ。」
「なら、しばらくここで暮らそうか。」
「うん。
輝夜と春夜と冬夜で暮らせるなんて、夢みたい。」
月ははにかんでそう言った。
「リーベルト王国に行くまで4人で楽しく暮らそうな。」
その後、4人はくっついてお昼寝をした。
───世界は光に包まれた───
その光は輝きを失うことなく、黒の魔境の中心へと流星のように落ちていった。
落ちた衝撃が世界を揺らした。
そして、その光は消えていったのだった。
───────────────
各国の王は流星のような光を見て、月華の方々がこの地に舞い降りたと思った。
その数日後、王たちは世界国王会議を開いた。
王たちは会議で
「月華の方々をどうするのか。」
という議題を元に話し合いが行われた。
保護するべきだ。という意見もあれば、自由にさせるべきだ。という意見もあった。
会議があって数日がたった頃、話は纏まり次のようなことが決定した。
1、保護はしない
しかし、自国で月華の方々が発見された場合は速やかに保護する
2、各国から強者を集め、調査隊を結成し、黒の魔境に向かわせる
各国の王たちは決まったことに従い、各国から強者を収集した。
数日後に収集が終わり、黒の魔境の隣国リーベルト王国から調査隊は黒の魔境の中心部分に向かって出発した。
───────────────
一方その頃、黒の魔境に落ちた月たちは家を建てようとしていた。
「よし、ここら辺でいいか。」
輝夜は魔法で周辺の木々を刈り取り、家を異空間から取り出した。
いや、それは家ではなかった。
どこからどう見ても城なのだ。
しかし、月たちにとってそれは普通の事なので、誰も違和感を持たなかった。
輝夜は結界をはり、城の中へ入った。
既に城の中に入りじゃれあっていた月たちを呼んだ。
そして、月を膝の上に乗せると頭を撫でながら話始めた。
「月。
これから俺達はリーベルト王国というところに行く。
そこで、人間の中でも地位の高い者に保護してもらおうと思っている。
そのために、森に捨てられたような演技をする。
人間は怖いかもしれないけど頑張れるかい?」
輝夜は月に問いかけた。
そこで、月が小さい声で言う。
「輝夜は?一緒?」
白銀の髪は光を反射し、透き通った瞳は少し涙目になっていて、しかも上目遣いで輝夜の服を握り締めながら言う姿は凄かった。
言葉で言えないくらい凄かった。
それに輝夜が耐えれるはずもなく、とても緩みきった顔をして言った。
「もちろん。
俺は月の傍を離れないよ。」
月はふにゃりとした笑顔で言った。
「輝夜と一緒だったら、どんなことでも頑張れるよ。」
輝夜は言葉が出ない。
感動しすぎて涙が出てきそうだが、輝夜はそれを我慢した。
「そうだね。
俺も月と一緒だったら、どんなことだって出来るよ。」
2人は顔をあわせて笑いあった。
「月。
リーベルト王国には、月がこの世界の環境に慣れてから行こうと思うんだけど、どうかな?」
「うん。それでいいよ。」
「なら、しばらくここで暮らそうか。」
「うん。
輝夜と春夜と冬夜で暮らせるなんて、夢みたい。」
月ははにかんでそう言った。
「リーベルト王国に行くまで4人で楽しく暮らそうな。」
その後、4人はくっついてお昼寝をした。
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