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第一部『地上に舞い降りた天使は護り手など必要としない。』
垣間見えた天使の横顔①
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アンジェリカの笑顔がブライアンにもたらす正反対の二つの効果――嬉しい笑顔と、嬉しくない笑顔――について、その違いの理由に結論が出ないまま変わらぬ日々は過ぎていく。
コニーと額を合わせて何か囁き合ったり。
ブライアンが鍛錬の成果を披露してみせたり。
新しい料理の感想をブライアンが答えたり。
そんな折に、彼女はあれからも幾度か笑っていたけれど、それはどれもブライアンの胸を温めてくれるものばかりだった。
いったい、何が違うというのか。
そんなふうにブライアンが首をかしげながら過ごしていた、秋も深まりつつある、ある日。
ブライアンはアンジェリカの孤児院訪問に相伴した。
アンジェリカから誘われたときには役に立つぞと意気込んでいたブライアンだったが、半刻後にはフラフラ心許ない足取りでベンチに行き、そこにどさりと腰を落としていた。背もたれに身を預け、彼女が子どもたちと一緒に駆け回る姿を目で追う。
この孤児院を訪れるのは、これで三回目だ。
もっとも、一回目はブライアンが勝手にアンジェリカを追いかけてきてしまっただけだった上に、ほんの一瞬門の内側に足を踏み入れただけだったから、数に入らないかもしれない。
二回目に来たときは、アンジェリカが門をくぐった途端に押し寄せた子どもたちに圧倒された。彼らは心の底から彼女のことを好いているようで、『不審人物』のブライアンなどそっちのけで興奮しきりだった。
そして三回目の今日。ようやく子どもたちに受け入れられたブライアンもアンジェリカと一緒になって彼らの相手をしていたが、もう無理だ。一歩たりとも立ち止まらないあの活力には、とてもじゃないがついていけない。
ボールドウィンに鍛えてもらってだいぶ体力もついたと思ったが、子どもたちを追いかけて走り回るのは半刻がせいぜいだった。
ブライアンと同じか、いや、彼以上に走り続けているにも拘らず、アンジェリカはと言えばまだまだ元気いっぱいで、庭中逃げ惑う子たちをきゃあきゃあ言わせている。
やれやれと息をつきつつ、ブライアンは動くものから庭全体へと目を変えた。
(うちの庭とは全然違うな)
それが第一印象だ。
この孤児院、確かに建物は古びているが、庭は良く手入れをされていて、子どもたちが遊べるようなブランコやら砂場やら小山やらが設えられていた。金は掛けられていないのかもしれないが、子どもたちが楽しめるように人の手で可能な限りの工夫が為されていることが見て取れる。
庭中を走り回る子どもたちを目で追いながら、ブライアンは自分が幼かったころを振り返ってみた。
こんなふうに庭で遊んだ記憶は、思い出せる限り、ない。
家庭教師から逃げ出して庭木の陰に隠れたことはあるが、そこで遊んだことはないと思う。
じゃあ何をしていたか――と彼は首を捻る。豪華な玩具はたくさんあったはずだが、何で遊んだか、何が一番気に入っていたかを思い出そうとしても、出てこなかった。
両親に連れられて領地に赴いたときにたまにやった乗馬は結構気に入っていたと思う。が、そもそも彼らが田舎生活を好まなかったので、あまり行く機会がなかった。今となっては作法としての乗馬はするが、それを愉しんでいるかと言われると、頷けない。
幼いころはそんなふうだったし、家庭教師の監視の目が外れてからは、酒や賭け事や女性との戯れや――そんなもので日々時間を潰していたのだ。
ブライアンは腿の上に肘をつき、その間に首を垂れる。
(何やってたんだろうな、僕は)
彼が自堕落に過ごしていた間、妹のセレスティアも友人のボールドウィンも、まだ彼よりもずいぶん年若いアンジェリカも、自分が為すべきことを見出していたというのに。
ブライアンよりもいくつか年下のブラッド・デッカーだって、そうだ。ボールドウィンが警官の友人がいると言っていたから彼のことを知っているかと試しに訊いてみたら、すんなりと頷かれた――「彼はいい男だよね」という称賛付きで。
ボールドウィンは適当に話を合わせたり、心にもないことを言ったりしない男だ。きっと、本心からそう思っているのだろう。
(彼がああ言うんだから、よほどできた男なんだよな)
うつむいたまま、ブライアンは地面に向かってため息を吐き出す。ボールドウィンの何気ないあの言葉は、彼の肩に未だにずっしり圧し掛かっていた。
そんなこんなで我が身のダメっぷりに果てしなく落ち込むブライアンの左の袖を、ふと、何かがかすめた気配がした。それは、風でも吹いたかというくらいの、ささやかなものだったが。
(何だ?)
何気なく顔を上げると、前髪が触れ合いそうなほどの近さからアンジェリカが彼を見つめていた。彼女はブライアンのすぐ隣に座って、身を捻るようにして彼を覗き込んでいる。
「!」
瞬時に、ブライアンの頭の中が菫色の眼差しでいっぱいになる。
間近でまともに目にしたその美しさに魅入られ固まっている彼に、アンジェリカが眉をひそめた。
「具合でも悪いのか?」
問われて、ブライアンは目をしばたたかせる。
「いや、別に、大丈夫だけど……」
「そうか」
そして、沈黙。
アンジェリカは彼の隣に座ったまま動く気配がない。
横目で窺うと、彼女は柔らかな表情で子どもたちが遊ぶさまを眺めていた。
大の男を軽々投げ飛ばすとは到底信じられないそのたおやかな風情に、ブライアンはいつものように目を奪われる。
本当に、どうしてこんなにも美しいものが存在しているのだろう。
ブライアンは、しみじみと思った。
ひとたび彼女を見てしまうと、なかなか目を離せなくなってしまう。
と。
(……あれ?)
ブライアンは、ふと眉根を寄せた。
アンジェリカの視線が子どもたちに集中しているのをいいことに彼女の横顔を堪能していたが、その菫色の瞳の中に微かな翳り――いや、翳りとは呼べないほどの何かが浮かんでいることに気が付いたのだ。
いつも強い彼女の眼差しが、ほんの少し、揺らいでいる。
多分、出会ったばかりのブライアンなら気付かない程度。けれど、今の彼には読み取れる。
だが、いったい何がそうさせているのだろう。
アンジェリカの表情はずいぶん読めるようになったけれども、ブライアンは、まだ、彼女のことをあまり知らない。だから、彼女にそんな目をさせる理由はさっぱり判らないのだ。
ブライアンは無意識のうちに胸元を握り締めた。
彼の中で膨らんできた衝動に、息が詰まって。
(あなたのことを、もっと知りたい)
アンジェリカについて判らないことがあることが、もどかしい。
彼女を悲しませること、憤らせること、微笑ませること、楽しませること。
何が彼女を動かすのか、ブライアンは知りたいと思った。心の底から。
(あなたに、もっと近づきたい)
離れたところから眺めているだけでなく、彼女の中に、自分の居場所を作って欲しかった。
それは身体の奥底から込み上げてくる欲求で、ブライアンは、自分がそんなにも強く何かを望むことができるのだということに、初めて気づかされた。
いや、『強く』ではない。
(そもそも、僕が何かを『望んだ』ことはあったのか?)
今まで、ブライアンが求めずとも彼の生活は常に満たされていた。彼の方から手を伸ばさずとも、勝手に与えられてきたのだ。
――欲しいと思うことがどういうことなのかも、知ることがなかったほどに。
そして、いざ、知ってみると。
(欲するというのは、こんなにも苦しいことなのか)
以前、ボールドウィンがエイミーへの想いに煩悶する様を笑って眺めていたことがある。
今になってようやく、彼があの時どれほど苦しんでいたのかを知った。
ブライアンはアンジェリカを見る。
やっぱり、どこか寂しげなその眼差し。
そして、何をどうしてあげたらいいのか、ブライアンには判らない。
もどかしい。
悔しい。
「……ブライアン?」
名前を呼ばれて、彼は我に返った。そうして、自分の手が今どこにあるのか知る。
「え、え――、」
ブライアンのその右手は、アンジェリカの頬を包みその柔らかく滑らかな肌にピタリと貼り付いていた。
いつの間にそんなことをしでかしていたのか、まるきりの無自覚だった。
「ぅわ!? 失礼!」
慌てて離した手を、自分の腿の下にしまい込む。
まったく、あれほど我が身を戒めても、いざとなったら全く自制が効かないなんて。
ブライアンは己を罵りながらも、アンジェリカに触れていた手を握り締めた。まだ手のひらに残るその感触を、惜しんで。
一瞬それに思いを馳せれば、彼女の頬は上質の絹も敵わない滑らかさだ――と脳は勝手に反芻しかけて、彼はまたそんな自分を叱咤する。
「どうしたんだ?」
これ以上はないというほどアヤしさいっぱいのブライアンに、アンジェリカが怪訝な顔を近づけた。
出会ったころは素っ気ないことこの上なかったアンジェリカだが、ひとたび懐に入れるとむしろその距離感は近くなるらしい。
嬉しい。
が、苦しい。
視界一杯にアンジェリカの顔しか入らなくて、ブライアンの頭の中が飽和状態になる。
気付けば、また、考えもせずにポロリと口から言葉が転げ出していた。
「あなたが寂しそうだから」
「……え?」
アンジェリカは、突然飛び出してきた仔鹿のように目を丸くしている。
(また、やった)
ブライアンは内心呻いて天を仰いだ。
どうして彼女の前だとこんなにみっともない真似ばかりしてしまうのか。
だが、多分、下手に取り繕おうとして何か言えば一層墓穴は深くなるに違いない。
硬直したまま、ブライアンはアンジェリカの反応を待った。
コニーと額を合わせて何か囁き合ったり。
ブライアンが鍛錬の成果を披露してみせたり。
新しい料理の感想をブライアンが答えたり。
そんな折に、彼女はあれからも幾度か笑っていたけれど、それはどれもブライアンの胸を温めてくれるものばかりだった。
いったい、何が違うというのか。
そんなふうにブライアンが首をかしげながら過ごしていた、秋も深まりつつある、ある日。
ブライアンはアンジェリカの孤児院訪問に相伴した。
アンジェリカから誘われたときには役に立つぞと意気込んでいたブライアンだったが、半刻後にはフラフラ心許ない足取りでベンチに行き、そこにどさりと腰を落としていた。背もたれに身を預け、彼女が子どもたちと一緒に駆け回る姿を目で追う。
この孤児院を訪れるのは、これで三回目だ。
もっとも、一回目はブライアンが勝手にアンジェリカを追いかけてきてしまっただけだった上に、ほんの一瞬門の内側に足を踏み入れただけだったから、数に入らないかもしれない。
二回目に来たときは、アンジェリカが門をくぐった途端に押し寄せた子どもたちに圧倒された。彼らは心の底から彼女のことを好いているようで、『不審人物』のブライアンなどそっちのけで興奮しきりだった。
そして三回目の今日。ようやく子どもたちに受け入れられたブライアンもアンジェリカと一緒になって彼らの相手をしていたが、もう無理だ。一歩たりとも立ち止まらないあの活力には、とてもじゃないがついていけない。
ボールドウィンに鍛えてもらってだいぶ体力もついたと思ったが、子どもたちを追いかけて走り回るのは半刻がせいぜいだった。
ブライアンと同じか、いや、彼以上に走り続けているにも拘らず、アンジェリカはと言えばまだまだ元気いっぱいで、庭中逃げ惑う子たちをきゃあきゃあ言わせている。
やれやれと息をつきつつ、ブライアンは動くものから庭全体へと目を変えた。
(うちの庭とは全然違うな)
それが第一印象だ。
この孤児院、確かに建物は古びているが、庭は良く手入れをされていて、子どもたちが遊べるようなブランコやら砂場やら小山やらが設えられていた。金は掛けられていないのかもしれないが、子どもたちが楽しめるように人の手で可能な限りの工夫が為されていることが見て取れる。
庭中を走り回る子どもたちを目で追いながら、ブライアンは自分が幼かったころを振り返ってみた。
こんなふうに庭で遊んだ記憶は、思い出せる限り、ない。
家庭教師から逃げ出して庭木の陰に隠れたことはあるが、そこで遊んだことはないと思う。
じゃあ何をしていたか――と彼は首を捻る。豪華な玩具はたくさんあったはずだが、何で遊んだか、何が一番気に入っていたかを思い出そうとしても、出てこなかった。
両親に連れられて領地に赴いたときにたまにやった乗馬は結構気に入っていたと思う。が、そもそも彼らが田舎生活を好まなかったので、あまり行く機会がなかった。今となっては作法としての乗馬はするが、それを愉しんでいるかと言われると、頷けない。
幼いころはそんなふうだったし、家庭教師の監視の目が外れてからは、酒や賭け事や女性との戯れや――そんなもので日々時間を潰していたのだ。
ブライアンは腿の上に肘をつき、その間に首を垂れる。
(何やってたんだろうな、僕は)
彼が自堕落に過ごしていた間、妹のセレスティアも友人のボールドウィンも、まだ彼よりもずいぶん年若いアンジェリカも、自分が為すべきことを見出していたというのに。
ブライアンよりもいくつか年下のブラッド・デッカーだって、そうだ。ボールドウィンが警官の友人がいると言っていたから彼のことを知っているかと試しに訊いてみたら、すんなりと頷かれた――「彼はいい男だよね」という称賛付きで。
ボールドウィンは適当に話を合わせたり、心にもないことを言ったりしない男だ。きっと、本心からそう思っているのだろう。
(彼がああ言うんだから、よほどできた男なんだよな)
うつむいたまま、ブライアンは地面に向かってため息を吐き出す。ボールドウィンの何気ないあの言葉は、彼の肩に未だにずっしり圧し掛かっていた。
そんなこんなで我が身のダメっぷりに果てしなく落ち込むブライアンの左の袖を、ふと、何かがかすめた気配がした。それは、風でも吹いたかというくらいの、ささやかなものだったが。
(何だ?)
何気なく顔を上げると、前髪が触れ合いそうなほどの近さからアンジェリカが彼を見つめていた。彼女はブライアンのすぐ隣に座って、身を捻るようにして彼を覗き込んでいる。
「!」
瞬時に、ブライアンの頭の中が菫色の眼差しでいっぱいになる。
間近でまともに目にしたその美しさに魅入られ固まっている彼に、アンジェリカが眉をひそめた。
「具合でも悪いのか?」
問われて、ブライアンは目をしばたたかせる。
「いや、別に、大丈夫だけど……」
「そうか」
そして、沈黙。
アンジェリカは彼の隣に座ったまま動く気配がない。
横目で窺うと、彼女は柔らかな表情で子どもたちが遊ぶさまを眺めていた。
大の男を軽々投げ飛ばすとは到底信じられないそのたおやかな風情に、ブライアンはいつものように目を奪われる。
本当に、どうしてこんなにも美しいものが存在しているのだろう。
ブライアンは、しみじみと思った。
ひとたび彼女を見てしまうと、なかなか目を離せなくなってしまう。
と。
(……あれ?)
ブライアンは、ふと眉根を寄せた。
アンジェリカの視線が子どもたちに集中しているのをいいことに彼女の横顔を堪能していたが、その菫色の瞳の中に微かな翳り――いや、翳りとは呼べないほどの何かが浮かんでいることに気が付いたのだ。
いつも強い彼女の眼差しが、ほんの少し、揺らいでいる。
多分、出会ったばかりのブライアンなら気付かない程度。けれど、今の彼には読み取れる。
だが、いったい何がそうさせているのだろう。
アンジェリカの表情はずいぶん読めるようになったけれども、ブライアンは、まだ、彼女のことをあまり知らない。だから、彼女にそんな目をさせる理由はさっぱり判らないのだ。
ブライアンは無意識のうちに胸元を握り締めた。
彼の中で膨らんできた衝動に、息が詰まって。
(あなたのことを、もっと知りたい)
アンジェリカについて判らないことがあることが、もどかしい。
彼女を悲しませること、憤らせること、微笑ませること、楽しませること。
何が彼女を動かすのか、ブライアンは知りたいと思った。心の底から。
(あなたに、もっと近づきたい)
離れたところから眺めているだけでなく、彼女の中に、自分の居場所を作って欲しかった。
それは身体の奥底から込み上げてくる欲求で、ブライアンは、自分がそんなにも強く何かを望むことができるのだということに、初めて気づかされた。
いや、『強く』ではない。
(そもそも、僕が何かを『望んだ』ことはあったのか?)
今まで、ブライアンが求めずとも彼の生活は常に満たされていた。彼の方から手を伸ばさずとも、勝手に与えられてきたのだ。
――欲しいと思うことがどういうことなのかも、知ることがなかったほどに。
そして、いざ、知ってみると。
(欲するというのは、こんなにも苦しいことなのか)
以前、ボールドウィンがエイミーへの想いに煩悶する様を笑って眺めていたことがある。
今になってようやく、彼があの時どれほど苦しんでいたのかを知った。
ブライアンはアンジェリカを見る。
やっぱり、どこか寂しげなその眼差し。
そして、何をどうしてあげたらいいのか、ブライアンには判らない。
もどかしい。
悔しい。
「……ブライアン?」
名前を呼ばれて、彼は我に返った。そうして、自分の手が今どこにあるのか知る。
「え、え――、」
ブライアンのその右手は、アンジェリカの頬を包みその柔らかく滑らかな肌にピタリと貼り付いていた。
いつの間にそんなことをしでかしていたのか、まるきりの無自覚だった。
「ぅわ!? 失礼!」
慌てて離した手を、自分の腿の下にしまい込む。
まったく、あれほど我が身を戒めても、いざとなったら全く自制が効かないなんて。
ブライアンは己を罵りながらも、アンジェリカに触れていた手を握り締めた。まだ手のひらに残るその感触を、惜しんで。
一瞬それに思いを馳せれば、彼女の頬は上質の絹も敵わない滑らかさだ――と脳は勝手に反芻しかけて、彼はまたそんな自分を叱咤する。
「どうしたんだ?」
これ以上はないというほどアヤしさいっぱいのブライアンに、アンジェリカが怪訝な顔を近づけた。
出会ったころは素っ気ないことこの上なかったアンジェリカだが、ひとたび懐に入れるとむしろその距離感は近くなるらしい。
嬉しい。
が、苦しい。
視界一杯にアンジェリカの顔しか入らなくて、ブライアンの頭の中が飽和状態になる。
気付けば、また、考えもせずにポロリと口から言葉が転げ出していた。
「あなたが寂しそうだから」
「……え?」
アンジェリカは、突然飛び出してきた仔鹿のように目を丸くしている。
(また、やった)
ブライアンは内心呻いて天を仰いだ。
どうして彼女の前だとこんなにみっともない真似ばかりしてしまうのか。
だが、多分、下手に取り繕おうとして何か言えば一層墓穴は深くなるに違いない。
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