友引×満月×エレベーター

久手堅悠作

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友引×満月×エレベーター

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男「友引に葬式やるなんておかしくない? 俺、上司に休みたいからって変な嘘付くなよってかなり詰められたんだけど」

女「仕方ないじゃん。最近は火葬場が混み合っててそんなこと言ってられないって颯太くんのお母さんが言ってたよ」

男「それにしても今日は月が綺麗だね」

女「満月だからね」

男「へー、そうなんだ。昨日も結構大きかったから昨日が満月かと思ってた」

女「……違うよ」




男「え? エレベーター乗らないの?」

女「乗らない。階段で行く」

男「11階なのに?」

女「今日はダメなの」

男「へ?」

女「ここの団地、なんで大島てるに口コミが1つもないのに事故物件呼ばわりされてるか知ってる?」

男「……知らない。なんで?」

女「ここの団地、ここ10年で13人行方不明者が出てるの。しかも全員エレベーターに乗ってる途中で消えちゃったんだ。で、私気になって関連性を調べたら行方不明者は全員、友引の満月の日にエレベーターに乗ってたの。だから今日は無理」

男「でも部屋11階でしょ?」

女「樹くん、前にエレベーターで異世界に行く方法試してたじゃん。そんなに異世界に行ってみたいなら試してみたら?」

男「え?え? ちょっと待ってよ~。やっぱり俺も階段で行く」

女「……わかった。それなら一つ忠告がある。7階と8階の間の踊り場に制服を着た中学生ぐらいの女の子が立ってるけど、絶対に目を合わせないで。あと、声を掛けられても返事はしちゃダメだからね」

男「……さ、さっき大島てるに口コミが1件もないって言ってたじゃん」

女「多分、情報が古すぎるから知ってる人がいないんだと思う」

男「なんで成仏してないの?」

女「死んだ場所が部屋じゃないから碌な供養もされてないし、8階まで階段で行く人なんかいないからね。きっと誰も気づいてないんだよ」

男「かわいそう」

女「そういう思考だとアレに付いてこられそうだからやめて。あと、私の部屋に着いてもすぐには入らないでね」

男「なんで?」

女「塩を撒くためだよ。樹くんが同情するもんだから颯太くんが憑いて来てる」
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