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破滅願望
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彼女は僕を自分の家に呼び出すと、自信満々の顔でこう言い放った。
「私は人を操る能力を身に付けたんだ!」
「漫画でも読みすぎたの?」と僕は呆れたようにそう返した。
「違う違う。本当に使えるようになったの。……じゃあ、行くね」
彼女はそう言うと、僕の目をじっと見つめた。そして、低い声で僕にこう命令した。
「今から私の命令に従いなさい」
その言葉を聞いた瞬間、僕の体に雷に打たれたような衝撃が走った。そして、体が金縛りに遭ったように動かなくなった。彼女は自分のコートのポケットから拳銃を取り出すと、僕の目の前に置きこう命令した。
「これで私を撃ちなさい」
自分の意思とは関係なく、僕は拳銃を手に取ると撃鉄を起こし、彼女の左肩を撃ち抜いた。彼女の白いコートが血で赤く染まっていく。けれど、彼女はまるで痛みなんか感じていないように僕に向かって笑顔でこう言った。
「すごいでしょ?」
「……」
僕は彼女の命令したことしか出来ないので喋ることが出来ない。このことに気づいた彼女は、パチンと両手を叩いた。その瞬間、僕は自分の体を自由に動かせるようになった。
「紅茶に何か盛ったの?」
「紅茶じゃなくて、これだよ。これ」
彼女はそう言うと、自分自身の目を指差した。
「このコンタクトレンズ、人を操ることが出来るんだ。2つで4億もしたの」
「4億!? 冗談でしょ?」
「本当だよ。私、宝くじ5億当たったんだ。それで、私の夢を叶えようと思ったの」
「夢?」
「銃で撃たれてみたかったんだ。でも自分でやったら、精神病院入れられそうだから、このコンタクトレンズ使って原田くんにやらせたの」
そう言い終わると、彼女は左肩を押さえた。よく見ると顔が青白いし、口元が若干痛みに歪んでいる。そして、大丈夫か?と思うほど血が床に滴っていた。
「大丈夫? 最初は撃たれても全然反応しないから、痛覚遮断する薬でも飲んでるのかと思ったんだけど……」
「たった1億でそんな薬買えるわけないじゃん。さっきのはただの私の演技だよ。だって自分で撃ってって命令しておきながら痛がったらクソダサいじゃん。……ねぇ原田くん、脱衣所からタオル取ってきてくれない?」
「わかった」
僕は彼女の代わりに脱衣所にタオルを取りに行った。そして3枚のバスタオルを持って、僕は彼女の元に戻った。彼女は目を瞑り、イスの背もたれに背中を預け、左肩を押さえながら痛みに耐えているようだった。しかし僕に気づくと、すぐに平静を装った。彼女はタオルを受け取ると、それをテーブルの上に置いた。それから、彼女は止血をするためにコートと服を脱ぎ始めた。
「目の前で脱がないでよ」
「見たくないなら目を瞑ってりゃいいんじゃん。てかただの下着姿に発情するならわかるけど、私怪我してるんだよ? これで発情するならさすがにイカれてる」
彼女は僕のことを馬鹿にするようにそう言い放ち、服を脱いだ。傷口が露わになる。その瞬間、僕は感情が抑えられなくなり、彼女に近づき、その傷口を強く噛んだ。
「……痛っ」
彼女は痛みに顔を歪めながら、呻き声を上げた。そして彼女は僕のことを振り払い、その場から逃げようとしたが、貧血のせいか足がもつれて床に倒れ込んでしまった。僕はその上に覆い被さった。彼女が僕の目をじっと見た。多分、またあのコンタクトの力を使おうとでもしているのだろう。僕は彼女が何かを言いかける前に、彼女に無理矢理キスをした。
「……もう…やめて」
4回ほどキスをした後にそう言った彼女の目はぼんやりとしており、焦点が合っていなかった。
「やめてほしいなら、さっきみたいに僕のことを操ればいい。それに、最初に誘って来たのはそっちだろ?」
僕はそう言うと、5回目のキスをし、彼女の傷口をもう一度強く噛んだ。
「私は人を操る能力を身に付けたんだ!」
「漫画でも読みすぎたの?」と僕は呆れたようにそう返した。
「違う違う。本当に使えるようになったの。……じゃあ、行くね」
彼女はそう言うと、僕の目をじっと見つめた。そして、低い声で僕にこう命令した。
「今から私の命令に従いなさい」
その言葉を聞いた瞬間、僕の体に雷に打たれたような衝撃が走った。そして、体が金縛りに遭ったように動かなくなった。彼女は自分のコートのポケットから拳銃を取り出すと、僕の目の前に置きこう命令した。
「これで私を撃ちなさい」
自分の意思とは関係なく、僕は拳銃を手に取ると撃鉄を起こし、彼女の左肩を撃ち抜いた。彼女の白いコートが血で赤く染まっていく。けれど、彼女はまるで痛みなんか感じていないように僕に向かって笑顔でこう言った。
「すごいでしょ?」
「……」
僕は彼女の命令したことしか出来ないので喋ることが出来ない。このことに気づいた彼女は、パチンと両手を叩いた。その瞬間、僕は自分の体を自由に動かせるようになった。
「紅茶に何か盛ったの?」
「紅茶じゃなくて、これだよ。これ」
彼女はそう言うと、自分自身の目を指差した。
「このコンタクトレンズ、人を操ることが出来るんだ。2つで4億もしたの」
「4億!? 冗談でしょ?」
「本当だよ。私、宝くじ5億当たったんだ。それで、私の夢を叶えようと思ったの」
「夢?」
「銃で撃たれてみたかったんだ。でも自分でやったら、精神病院入れられそうだから、このコンタクトレンズ使って原田くんにやらせたの」
そう言い終わると、彼女は左肩を押さえた。よく見ると顔が青白いし、口元が若干痛みに歪んでいる。そして、大丈夫か?と思うほど血が床に滴っていた。
「大丈夫? 最初は撃たれても全然反応しないから、痛覚遮断する薬でも飲んでるのかと思ったんだけど……」
「たった1億でそんな薬買えるわけないじゃん。さっきのはただの私の演技だよ。だって自分で撃ってって命令しておきながら痛がったらクソダサいじゃん。……ねぇ原田くん、脱衣所からタオル取ってきてくれない?」
「わかった」
僕は彼女の代わりに脱衣所にタオルを取りに行った。そして3枚のバスタオルを持って、僕は彼女の元に戻った。彼女は目を瞑り、イスの背もたれに背中を預け、左肩を押さえながら痛みに耐えているようだった。しかし僕に気づくと、すぐに平静を装った。彼女はタオルを受け取ると、それをテーブルの上に置いた。それから、彼女は止血をするためにコートと服を脱ぎ始めた。
「目の前で脱がないでよ」
「見たくないなら目を瞑ってりゃいいんじゃん。てかただの下着姿に発情するならわかるけど、私怪我してるんだよ? これで発情するならさすがにイカれてる」
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「……痛っ」
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「……もう…やめて」
4回ほどキスをした後にそう言った彼女の目はぼんやりとしており、焦点が合っていなかった。
「やめてほしいなら、さっきみたいに僕のことを操ればいい。それに、最初に誘って来たのはそっちだろ?」
僕はそう言うと、5回目のキスをし、彼女の傷口をもう一度強く噛んだ。
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