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勇者、幸福について考える
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首筋にハルの舌がきて、片目を細める。
まっ、いっか。どっちでも。
親友の背に腕を回そうとして、地響きに気がそがれた。
木々が揺れたかと思うとそのまま倒れ、大量の葉が散乱する。
褐色の肌と鍛え上げられた筋肉が立派な、人型の巨大な鬼がぬっと現れ、溜息をついた。
「おい、どけ。殺されるぞ」
「無理。おさまらない」
そこはおさめろよ。
腐っても、魔王だろ?
感情のコントロールができんくて、やっていける役職かよ。
鬼の牙から涎がぼたぼた垂れ、地面に粘着質な水溜まりができていく。
この場合、涎溜まりか?
なんて、考えている内に、光彩のない白い目が、重なり合う俺達を見下ろす。
「ハル」
宥めるように、背中を軽く叩いてやる。
「シオウ、ちょっと腰あげて。入れない」
なにが?
下半身で蠢く細長いものに、ギョッとしたのも束の間、キスを受け、不承不承、腰を浮かした。
「作らせて」
細長いものが、ズボンのウエスト部分から侵入し、肌を沿って奥へと進んでいく。
ハルの息が荒い。
やっ、だから、そこに鬼がいるって。
なに、この状況?
初っぱなから、変態プレイさせられんの?
細長いものが敏感な部分で二つに分かれる。
裂けたぞ、おい。
つくづく、魔界の住人の体ってのは人智が及ばねえなあ。
つうか、これはハルのどの部分なんだ?
鬼の涎が俺達のすぐ傍に落ちる。
くせえ。
異臭が降ってきても、ハルは「作る」行為をやめようとしない。
細長いものの一本は、俺の前をこすりあげ、もう一本は後方へ伸びていく。
自分の口から聞いたこともない種類の、言わば、女の音が出て、俺は舌打ちをした。
「ハル、いいかげんに」
「シオウ」
吐息のような声に、ドキリとする。
クソ……。
この色ボケ魔王が。
自分一人でなんとかするっきゃねえな、と鬼を観察する。
武器らしき物は持っていないが、巨体そのものが武器と言えよう。
会話は……できそうにない、と。
後方に細長い軟体がそろそろ入ってきて、ぞわっと鳥肌がたつ。
反射的に腹を蹴り上げようとし、匂いの薄い雫に邪魔される。
首にかかったそれがハルの汗だと脳が認識し、余裕のない親友の息遣いに歯を食いしばった。
ハルに一撃を食らわせるはずだった足の力を抜き、なんなら、ハルが動きやすいように足を開いてやる。
わずかに軟体が体積を増す。
股が痺れた。
「はっ……」
上がった熱を、息を吐き出し逃がす。
そして、見逃してくれない鬼を見つめた。
勇者にカテゴライズされる自分だが、魔術は低級な回復魔法くらいしか使えない。
あとは、あれだ。
命と引き替えに一定範囲の生命を天に滅するってやつ。
勇者が死んでも人様が守られりゃ、それでいいとの発想って、誰が持ったんだろうな、ホント。
鬼の唸り声に瞼を閉じる。
だから、今からするのは魔法じゃない。
俺は勝手に「対話」って呼んでる。
こいつは死んじゃいねえけど、マイナスな感情が育っているなら。
額があたたかくなる。
鬼のテリトリーに触れる。
ピリピリした痛みに眉根を寄せた。
やっぱ、生きてる奴には効かねえか?
「ひっ!」
突然、与えられたこともない刺激を下半身に受け、目を開けてハルの腕を掴んだ。
「やめ! ハル!」
鬼との「対話」に集中できねえ。
まっ、いっか。どっちでも。
親友の背に腕を回そうとして、地響きに気がそがれた。
木々が揺れたかと思うとそのまま倒れ、大量の葉が散乱する。
褐色の肌と鍛え上げられた筋肉が立派な、人型の巨大な鬼がぬっと現れ、溜息をついた。
「おい、どけ。殺されるぞ」
「無理。おさまらない」
そこはおさめろよ。
腐っても、魔王だろ?
感情のコントロールができんくて、やっていける役職かよ。
鬼の牙から涎がぼたぼた垂れ、地面に粘着質な水溜まりができていく。
この場合、涎溜まりか?
なんて、考えている内に、光彩のない白い目が、重なり合う俺達を見下ろす。
「ハル」
宥めるように、背中を軽く叩いてやる。
「シオウ、ちょっと腰あげて。入れない」
なにが?
下半身で蠢く細長いものに、ギョッとしたのも束の間、キスを受け、不承不承、腰を浮かした。
「作らせて」
細長いものが、ズボンのウエスト部分から侵入し、肌を沿って奥へと進んでいく。
ハルの息が荒い。
やっ、だから、そこに鬼がいるって。
なに、この状況?
初っぱなから、変態プレイさせられんの?
細長いものが敏感な部分で二つに分かれる。
裂けたぞ、おい。
つくづく、魔界の住人の体ってのは人智が及ばねえなあ。
つうか、これはハルのどの部分なんだ?
鬼の涎が俺達のすぐ傍に落ちる。
くせえ。
異臭が降ってきても、ハルは「作る」行為をやめようとしない。
細長いものの一本は、俺の前をこすりあげ、もう一本は後方へ伸びていく。
自分の口から聞いたこともない種類の、言わば、女の音が出て、俺は舌打ちをした。
「ハル、いいかげんに」
「シオウ」
吐息のような声に、ドキリとする。
クソ……。
この色ボケ魔王が。
自分一人でなんとかするっきゃねえな、と鬼を観察する。
武器らしき物は持っていないが、巨体そのものが武器と言えよう。
会話は……できそうにない、と。
後方に細長い軟体がそろそろ入ってきて、ぞわっと鳥肌がたつ。
反射的に腹を蹴り上げようとし、匂いの薄い雫に邪魔される。
首にかかったそれがハルの汗だと脳が認識し、余裕のない親友の息遣いに歯を食いしばった。
ハルに一撃を食らわせるはずだった足の力を抜き、なんなら、ハルが動きやすいように足を開いてやる。
わずかに軟体が体積を増す。
股が痺れた。
「はっ……」
上がった熱を、息を吐き出し逃がす。
そして、見逃してくれない鬼を見つめた。
勇者にカテゴライズされる自分だが、魔術は低級な回復魔法くらいしか使えない。
あとは、あれだ。
命と引き替えに一定範囲の生命を天に滅するってやつ。
勇者が死んでも人様が守られりゃ、それでいいとの発想って、誰が持ったんだろうな、ホント。
鬼の唸り声に瞼を閉じる。
だから、今からするのは魔法じゃない。
俺は勝手に「対話」って呼んでる。
こいつは死んじゃいねえけど、マイナスな感情が育っているなら。
額があたたかくなる。
鬼のテリトリーに触れる。
ピリピリした痛みに眉根を寄せた。
やっぱ、生きてる奴には効かねえか?
「ひっ!」
突然、与えられたこともない刺激を下半身に受け、目を開けてハルの腕を掴んだ。
「やめ! ハル!」
鬼との「対話」に集中できねえ。
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