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第七章 秘伝と任されたもの
440 最終チェック
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律音の所で最終チェックが終わり、これからファッションショーの本番だ。扉を繋いで優希を連れてきて、統二のクラスに俊哉も伴い向かう。
「賑やかだなあ。もう客も入ったんだ?」
「みたいだな」
「俺らん時って、保護者とか外部のを入れるのを一日目だけとかにしてたけど、ここは違うんだよな?」
「……そうだったか……」
「高耶……高校の時の記憶は?」
俊哉に呆れたような目を向けられ、高耶は必死で記憶を探る。しかし、目的のものは薄っすらあるような、ないようなという具合。
「……どうだったか……」
「まだ新しい方だろ……あ~、けどアレか。成人前で色々と本格的にって時期か」
「だな……いかに仕事の時間を捻出するかに頭を使っていた気がする」
「お兄ちゃん……しごと人間ダメだよ。わかいときのおもいではだいじだって、おじちゃんたちいってたよ」
「ユウキちゃん。それ、どこのおじちゃん?」
「レンじいとか、エルさまとか?」
普通に様付けが来たので驚く。
「エル様……エルラントさんか。優希? キルティスさんやイスティアさんはどう呼ぶんだ?」
「え? じいじとばあばでしょ? そうよぶとおこづかいくれる」
「……そうだな……」
じいじ、ばあばと呼ばれようと刷り込みするためではないが、会う度にそう呼べば、お小遣いを少しくれるらしい。五百円玉らしいが、二人にとってはお金など普段あまり使わないものなので、あげるのも気楽なものだ。
これが高耶相手になると札束になるのだから困ったものではある。
「けどねえ。エルさまは、あんまりあえないけど、おっきなバラの花とかくれるの。その時に花ことばをおしえてくれるんだよ! それで、お花もかれないようにしてくれるの!」
「洒落てるなあ」
「エルさんは……紳士だから……」
「わかる」
「このまえはねえっ。くろいバラだったの! お花やさんでもみたことないやつ! ほんとうにあるんだってカナちゃんたちもびっくりしたの!」
「あ、あの二人にもあげてるのか……さすがだな……」
「仲間外れはしないんだな。平等にするべきこと分かってる~」
気遣いも完璧な紳士としてエルラントは俊哉も尊敬している。
そんな話をしていれば、すれ違う人も多くなったが、統二達の部屋についた。ここで最終的な歩き方などをチェックして、講堂に移ることになるらしい。着替えは直前だ。
「優希ちゃんっ。さあ、ここが舞台と思って歩いてみて!」
「はぁぃ」
因みに、高耶をモデルとして引き当てたのがたまたま統二達のクラスの子達だったために高耶はここにいるが、同じモデルの相田優也は、一学年上のクラスの担当になっている。
キッズモデルは、子ども達に関係ある身内の居るクラスに強制的に割り振られるらしい。
「お兄さんもお願いします!」
「ああ」
幸いというか、高耶と優希は親が違う。よって、よく似た兄弟が並ぶということにはならず、他のクラスともバランスが取れるのはよかった。
親子コーデは点数に入らないらしいが、人気投票やウケは良いとのことで、時間的に余裕があるクラスは、キッズモデルの会の時に子ども達と合わせた服を担当モデルに着てもらい、最後に一緒に並んで見せるというのがあるらしい。ということで、高耶には二着用意されていた。
「えへへっ。このときは、ユウキ、お兄ちゃんをお父さんだとおもっていればいいんだよね!」
「ふわぁぁっ。ユウキちゃん! 女優っ! そうっ! その通りよ! あ、お兄さんは大丈夫! 保護者な顔出来てます! それにしても顔がイイっ!!」
「そ、そうか……」
どこかで見た事あるテンションだなと一瞬思ったが、高耶は深く考えないことにした。
チェックが済み、講堂への移動時刻になった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「賑やかだなあ。もう客も入ったんだ?」
「みたいだな」
「俺らん時って、保護者とか外部のを入れるのを一日目だけとかにしてたけど、ここは違うんだよな?」
「……そうだったか……」
「高耶……高校の時の記憶は?」
俊哉に呆れたような目を向けられ、高耶は必死で記憶を探る。しかし、目的のものは薄っすらあるような、ないようなという具合。
「……どうだったか……」
「まだ新しい方だろ……あ~、けどアレか。成人前で色々と本格的にって時期か」
「だな……いかに仕事の時間を捻出するかに頭を使っていた気がする」
「お兄ちゃん……しごと人間ダメだよ。わかいときのおもいではだいじだって、おじちゃんたちいってたよ」
「ユウキちゃん。それ、どこのおじちゃん?」
「レンじいとか、エルさまとか?」
普通に様付けが来たので驚く。
「エル様……エルラントさんか。優希? キルティスさんやイスティアさんはどう呼ぶんだ?」
「え? じいじとばあばでしょ? そうよぶとおこづかいくれる」
「……そうだな……」
じいじ、ばあばと呼ばれようと刷り込みするためではないが、会う度にそう呼べば、お小遣いを少しくれるらしい。五百円玉らしいが、二人にとってはお金など普段あまり使わないものなので、あげるのも気楽なものだ。
これが高耶相手になると札束になるのだから困ったものではある。
「けどねえ。エルさまは、あんまりあえないけど、おっきなバラの花とかくれるの。その時に花ことばをおしえてくれるんだよ! それで、お花もかれないようにしてくれるの!」
「洒落てるなあ」
「エルさんは……紳士だから……」
「わかる」
「このまえはねえっ。くろいバラだったの! お花やさんでもみたことないやつ! ほんとうにあるんだってカナちゃんたちもびっくりしたの!」
「あ、あの二人にもあげてるのか……さすがだな……」
「仲間外れはしないんだな。平等にするべきこと分かってる~」
気遣いも完璧な紳士としてエルラントは俊哉も尊敬している。
そんな話をしていれば、すれ違う人も多くなったが、統二達の部屋についた。ここで最終的な歩き方などをチェックして、講堂に移ることになるらしい。着替えは直前だ。
「優希ちゃんっ。さあ、ここが舞台と思って歩いてみて!」
「はぁぃ」
因みに、高耶をモデルとして引き当てたのがたまたま統二達のクラスの子達だったために高耶はここにいるが、同じモデルの相田優也は、一学年上のクラスの担当になっている。
キッズモデルは、子ども達に関係ある身内の居るクラスに強制的に割り振られるらしい。
「お兄さんもお願いします!」
「ああ」
幸いというか、高耶と優希は親が違う。よって、よく似た兄弟が並ぶということにはならず、他のクラスともバランスが取れるのはよかった。
親子コーデは点数に入らないらしいが、人気投票やウケは良いとのことで、時間的に余裕があるクラスは、キッズモデルの会の時に子ども達と合わせた服を担当モデルに着てもらい、最後に一緒に並んで見せるというのがあるらしい。ということで、高耶には二着用意されていた。
「えへへっ。このときは、ユウキ、お兄ちゃんをお父さんだとおもっていればいいんだよね!」
「ふわぁぁっ。ユウキちゃん! 女優っ! そうっ! その通りよ! あ、お兄さんは大丈夫! 保護者な顔出来てます! それにしても顔がイイっ!!」
「そ、そうか……」
どこかで見た事あるテンションだなと一瞬思ったが、高耶は深く考えないことにした。
チェックが済み、講堂への移動時刻になった。
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