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19th ステージ
210 武人の出か?
現在の竜王は長い黒髪に赤い瞳の美丈夫だった。お供は三人。
席をすすめ、各王達が名乗り、それぞれの国がどこにあるのかを中央のモニターで示しながら紹介し終えると、竜王も名乗った。
「現竜王国王、ガルディアだ。急な訪問での対応感謝しよう」
「いえ。この形式で賛同しただけたこと、こちらこそ感謝いたします」
今回、この人族側の一応の代表と決まったのは、大厄災において多大な功績のあるリンディエールのこともあり、ウィストラ国となった。よって、対応するのはブラムレース王だ。
「それで……大厄災が落ち着いたことで、認識のすり合わせをということでしたが……」
「ああ。聖皇国と言ったか」
「っ……」
「はい」
やはりと王達は身構える。そんな中、聖皇国の教皇ソルマルトが張りのある声で堂々と返事をする。
「うむ……そなたが教皇……なのだよな?」
「はい。聖皇国、教皇ソルマルトでございます」
「そ、そうか……教皇……武人の出か?」
体付きが変わったソルマルトは、今でこそ王達も見慣れたが、その見た目の変化に驚く者は少ない。どう見ても筋肉美も素晴らしいおじいさまだ。よって、教皇とはという定義はなくてもイメージで納得し難いものがある。
「本来の教皇は逃げたか……」
「いいえ。わたくしが、教皇になりまして、今年で十年となります」
「おおっ。記念の年ですなあ。ソルマルト殿。これは記念式典など行うべきです。大厄災の影響も下火となりましたのでな。おめでたい行事は大歓迎ですぞ」
「我が国も協力いたします!」
「誰よりも教皇様が今回の件、解決に動いてくださったのを知っておりますからな。是非大々的に」
「それでは、大陸全てを上げて何らかの行事にしてしまいましょう」
「良いですなあ」
「……」
竜王もその補佐達も、これには動揺していた。各王が、ソルマルトだけを矢面に立たせてはいけないと思った結果だ。団結力もかなりのものだった。これもリンディエールに鍛えられた成果だろう。
「……あなた方は、この教皇が今回の大厄災の原因を作ったと知らないのか?」
「知っておりますよ? いえ、正確には、猊下は関わっておられない。寧ろ止めようとされたことで、監禁されていたことは確認が取れております」
「……何だと?」
「お恥ずかしながら、あの頃は筋力もなく……大司教達に良いように使われておりました……まさか、本当に異世界からの聖女召喚を強行するとは……」
「……」
竜王は、原因となった聖皇国を責めに来たのだ。過去からの全ての原因がそこにあると分かっていたからだろう。この機会にと思ったようだ。
「……洗脳……隷属……そういったものが、聖皇国にはあるようだが? そなた達も……」
「有り得ませんな。我々に関して言えば、それは有り得ません。聖女が召喚されてしばらくして、召喚に関わった者達は全て捕縛され、処分を受けた。更には、洗脳や隷属といったことが可能となる特別な魔導具は、然るべき方の下、管理されております」
ブラムレースが決然と答えた。
「管理だと……? そんなものの管理を、強欲になれる人族が出来るとは思えん!」
「我々が管理しているとは言っておりません」
「なんだと?」
「神の愛し子様が現在も管理しておられます。ない物をあったと証明するのは難しいこと……そう申されまして、証人となる方を待っておりました」
「証人……」
「先ずは、件のものをこちらに」
そうして、メイド姿の女性がカートに乗せて持ってきたのはかつてリンディエールが聖皇国から盗み出した神の遺物だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
席をすすめ、各王達が名乗り、それぞれの国がどこにあるのかを中央のモニターで示しながら紹介し終えると、竜王も名乗った。
「現竜王国王、ガルディアだ。急な訪問での対応感謝しよう」
「いえ。この形式で賛同しただけたこと、こちらこそ感謝いたします」
今回、この人族側の一応の代表と決まったのは、大厄災において多大な功績のあるリンディエールのこともあり、ウィストラ国となった。よって、対応するのはブラムレース王だ。
「それで……大厄災が落ち着いたことで、認識のすり合わせをということでしたが……」
「ああ。聖皇国と言ったか」
「っ……」
「はい」
やはりと王達は身構える。そんな中、聖皇国の教皇ソルマルトが張りのある声で堂々と返事をする。
「うむ……そなたが教皇……なのだよな?」
「はい。聖皇国、教皇ソルマルトでございます」
「そ、そうか……教皇……武人の出か?」
体付きが変わったソルマルトは、今でこそ王達も見慣れたが、その見た目の変化に驚く者は少ない。どう見ても筋肉美も素晴らしいおじいさまだ。よって、教皇とはという定義はなくてもイメージで納得し難いものがある。
「本来の教皇は逃げたか……」
「いいえ。わたくしが、教皇になりまして、今年で十年となります」
「おおっ。記念の年ですなあ。ソルマルト殿。これは記念式典など行うべきです。大厄災の影響も下火となりましたのでな。おめでたい行事は大歓迎ですぞ」
「我が国も協力いたします!」
「誰よりも教皇様が今回の件、解決に動いてくださったのを知っておりますからな。是非大々的に」
「それでは、大陸全てを上げて何らかの行事にしてしまいましょう」
「良いですなあ」
「……」
竜王もその補佐達も、これには動揺していた。各王が、ソルマルトだけを矢面に立たせてはいけないと思った結果だ。団結力もかなりのものだった。これもリンディエールに鍛えられた成果だろう。
「……あなた方は、この教皇が今回の大厄災の原因を作ったと知らないのか?」
「知っておりますよ? いえ、正確には、猊下は関わっておられない。寧ろ止めようとされたことで、監禁されていたことは確認が取れております」
「……何だと?」
「お恥ずかしながら、あの頃は筋力もなく……大司教達に良いように使われておりました……まさか、本当に異世界からの聖女召喚を強行するとは……」
「……」
竜王は、原因となった聖皇国を責めに来たのだ。過去からの全ての原因がそこにあると分かっていたからだろう。この機会にと思ったようだ。
「……洗脳……隷属……そういったものが、聖皇国にはあるようだが? そなた達も……」
「有り得ませんな。我々に関して言えば、それは有り得ません。聖女が召喚されてしばらくして、召喚に関わった者達は全て捕縛され、処分を受けた。更には、洗脳や隷属といったことが可能となる特別な魔導具は、然るべき方の下、管理されております」
ブラムレースが決然と答えた。
「管理だと……? そんなものの管理を、強欲になれる人族が出来るとは思えん!」
「我々が管理しているとは言っておりません」
「なんだと?」
「神の愛し子様が現在も管理しておられます。ない物をあったと証明するのは難しいこと……そう申されまして、証人となる方を待っておりました」
「証人……」
「先ずは、件のものをこちらに」
そうして、メイド姿の女性がカートに乗せて持ってきたのはかつてリンディエールが聖皇国から盗み出した神の遺物だった。
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