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第八章 学校と研修
322 国の総意よっ
近付くと、第一王女が喚くようにタリスと現グランドマスターであるシーレスへと叫んでいる内容も耳に入ってきた。
「だから! この国で、冒険者が勝手なことをするのを許した覚えはないわ! 即刻出ていきなさい!」
彼女はどこに居たのだろうかと気になった。城に居た者は、エリスリリアが完全に掌握しているはずだ。
ビジェによって、抜け道も調査されていた。ならば、この王女ははじめから城の外に居たのかもしれない。それで、今頃になって文句を言うために出てきたというわけだ。ご苦労な事である。
「何よりこの国では、治める領主や王の許可なく、迷宮に入ることは許されないわ! それが、古来よりの掟よ! 余所者が首を突っ込んでくるんじゃないわよ!」
「……すごく口が悪いね……」
シンリームが歩みを緩め、顔を思わず顰めた。彼の母親であるカトレアは、昔はヒステリックだったが、それでも口は悪くなかったらしい。
そんなシンリームの歩調に合わせながら、古来と聞いたコウヤは、ふと昔の記憶を思い出した。未だに、コウルリーヤであった頃の記憶の全てを思い出したわけではない。
そもそも、神であっても、出来事全てを覚えていられるわけもなく、過去として純粋に忘れることだってある。
この土地は記憶にあった場所の地形からかなり変わってしまっていたのも、思い当たらなかった要因の一つだ。
歩みは止めず、コウヤは上へ目を向ける。上空にある、戦闘中の冒険者達の映像を確認した。
中に、金の細い腕輪を両腕に着けている、少々日焼けした肌の男達が居るのが確認できた。服装から、漁師だと分かる。
かつて、この地に古くから漁をしながら暮らす部族がいた。彼らは、迷宮の出来やすいこの土地で、強くなる訓練と共に、精霊達との関係を良い形で保つことを約束してくれた。
彼らとしても、漁が出来ない日や海では手に入らない物が迷宮で手に入れることができると、友好的に受け入れてくれたのだ。
何より、彼らは何となく精霊達が土地を良くしてくれていることに気付いていたし、彼らにとって精霊は神に等しかった。
「精霊達……約束を守って、本当に土地を切り離したんだ……」
そう。彼ら部族は、大陸から追い出された者たちだった。別に犯罪者ではない。権力争いによって追われたのだ。
争いのない、静かな土地を求めて彷徨い、大陸の端にコブのように飛び出したこの土地へやってきた。かつてはまだ、土地は繋がっていたのだ。
大地の精霊として崇められていた精霊達へ願い、土地を切り離してもらったというわけだ。
コウヤは、現在とこの島の内情を思い出してため息をついた。それが聞こえたらしいシンリームが振り返る。
「どうしたの?」
「あ~、いえ。その……大昔、ここは権力争いを嫌って逃げてきた部族の隠れ里だったんです。それなのに、今、権力争いが絶えない国になっているのがなんだか……」
なんとも言えない切ない気持ちになった。
シンリームも察したのだろう。
「それは……なんだか、気の毒というか……」
どうしてこうなってしまうのだろうと、目を伏せるコウヤを見て、シンリームが気付く。神としてのコウヤが何を思うのかを。
「……人って、愚かだね……」
「……」
続く言葉を、シンリームは口に出来なかった。だから、隣に並んで続けたのはコウヤだ。
「……それが人です……容易い方へ、欲望の赴くままに傾いていく……それらを制御し、他人のために、国のために、世界のためにと思考を、思いを広げていける人はごく少数です。でも、それを、王族と名乗る方には目指して欲しい……と思うのは、傲慢なのかもしれませんね」
カラリと笑って、コウヤは顔を上げた。こうして、人と神の気持ちを切り替えるのには慣れてきたのだ。
そんなコウヤを見て、シンリームは足を早めた。
「なら、そんなコウヤ君のためにも、王族としての姿を見せないとね」
「え?」
「ふふ。何よりも、コウヤくんが誇れる叔父でありたいから」
「シン様……」
ウインクを一つして、シンリームは背筋を伸ばし、王女に近付いた。
「失礼。騒がしいようだけど、どうかしましたか?」
「っ、な、なによ、あなた」
「私はトルヴァラン国第二王子。シンリーム・アクレート・トルヴァランと申します」
アクレートは『現王の子』という意味で名乗る国が大半だ。これでその人の王族としての立場も分かる。
「わ、わたくしはセンジュリン国第一王女、シュウラですわっ。他国の王子がなぜここに?」
負けないというように、必要以上に胸を張る王女の様子に、コウヤは内心苦笑した。見栄を張ろうとしているのが分かりやすかったのだ。
一方、シンリームは落ち着いていた。見栄っ張りな令嬢は、母親で慣れているのだろう。トルヴァランの国内の令嬢も、こんな感じで『なんだか最近は、小さな母上を見ているみたいで微笑ましいんだよ』といって相手をしているらしい。
最近は特に、昔の自分やカトレアを見直し、どれだけダメダメだったのかを思い知る日々だそうだ。
「こちらの国に、我が国への敵対行動の意思ありと確信を得て、抗議に参りました」
「こ、抗議ですって……っ」
この王女はどこまで知っているのだろう。今の様子からは確定できない。
「そうです。こちらには、聖女と名乗る者が居るとか?」
「え、ええ。居りますわっ。国を導いてくださる、偉大な方ですわっ。わたくしの叔母ですの」
これを聞き、へえとシンリームは目を細める。コウヤもこらはと思った。シンリームは間違えなかった。
「国を導くとは? 国の方針などもお決めになる?」
「そうですわ。もちろん、お父様も国王として選択されますけれど」
この王女、扱いやすそうだ。シーレスが笑い出しそうになっていた。頑張って堪えてくれているようだ。
「では、国の方針は、国王とその聖女により決めていると?」
「何が仰りたいの?」
「いえ……聖女の言葉は神の言葉だからと、国王が唯々諾々と従っているのではないかと思っていたもので……」
「まあっ! 失礼ですわ! 国王は、きちんと聖女様とご相談の上で、国の方針を決めていますのよ!」
「そうですか……」
シンリームがコウヤへ少し振り返る。こんな事もあろうかと、試作した録音の魔導具を起動していた。それをチラリと見せると、嬉しそうに微笑みを浮かべた。そして続ける。
「ですが、そうしますと、聖女と名乗っておられる方が勝手はできませんか……でもそうですね……聖女と名乗っておられますし、神教国の意思もあるでしょう」
「っ、バカにしないで! 叔母様は聖女ですけれど、あの国に全て従っているわけではないわ! お父様にそう仰っていたもの!」
これはもう少しだ。
「では、精霊を従えて、迷宮を制御しようと考えられたのは、どなたです? 失敗して、このようなことになっているようですが」
「っ、どこまでも失礼な方ねっ。迷宮の制御は国の総意よっ」
話が聞こえたらしいこの国の住民達が目を丸くしている。
「でも、どなたかが言い出したのでしょう?」
「叔母様よ。迷宮の多いこの国のことを憂えていらした。だから、そんな叔母様に、神が神託を下ろされたのよ」
得意げに言い切られた。これくらいで良いだろう。もう一度目を向けてきたシンリームに、コウヤは小さく頷く。それを受けて、シンリームは最後とばかりに告げた。
「よく分かりました」
「……何がお知りになりたかったのかしら」
どこまでも上から。顔を顰めて見せる王女。これに、シンリームは晴れやかな笑みを向けた。
「お陰で、このセンジュリン国と神教国に訴えるのは正しいと確認できました」
「は?」
タリスとシーレスも満足げに頷いている。理解出来ないのは王女一行だけだ。
民達も察したらしく、彼女達を睨みつけていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
二日空きます。
よろしくお願いします◎
「だから! この国で、冒険者が勝手なことをするのを許した覚えはないわ! 即刻出ていきなさい!」
彼女はどこに居たのだろうかと気になった。城に居た者は、エリスリリアが完全に掌握しているはずだ。
ビジェによって、抜け道も調査されていた。ならば、この王女ははじめから城の外に居たのかもしれない。それで、今頃になって文句を言うために出てきたというわけだ。ご苦労な事である。
「何よりこの国では、治める領主や王の許可なく、迷宮に入ることは許されないわ! それが、古来よりの掟よ! 余所者が首を突っ込んでくるんじゃないわよ!」
「……すごく口が悪いね……」
シンリームが歩みを緩め、顔を思わず顰めた。彼の母親であるカトレアは、昔はヒステリックだったが、それでも口は悪くなかったらしい。
そんなシンリームの歩調に合わせながら、古来と聞いたコウヤは、ふと昔の記憶を思い出した。未だに、コウルリーヤであった頃の記憶の全てを思い出したわけではない。
そもそも、神であっても、出来事全てを覚えていられるわけもなく、過去として純粋に忘れることだってある。
この土地は記憶にあった場所の地形からかなり変わってしまっていたのも、思い当たらなかった要因の一つだ。
歩みは止めず、コウヤは上へ目を向ける。上空にある、戦闘中の冒険者達の映像を確認した。
中に、金の細い腕輪を両腕に着けている、少々日焼けした肌の男達が居るのが確認できた。服装から、漁師だと分かる。
かつて、この地に古くから漁をしながら暮らす部族がいた。彼らは、迷宮の出来やすいこの土地で、強くなる訓練と共に、精霊達との関係を良い形で保つことを約束してくれた。
彼らとしても、漁が出来ない日や海では手に入らない物が迷宮で手に入れることができると、友好的に受け入れてくれたのだ。
何より、彼らは何となく精霊達が土地を良くしてくれていることに気付いていたし、彼らにとって精霊は神に等しかった。
「精霊達……約束を守って、本当に土地を切り離したんだ……」
そう。彼ら部族は、大陸から追い出された者たちだった。別に犯罪者ではない。権力争いによって追われたのだ。
争いのない、静かな土地を求めて彷徨い、大陸の端にコブのように飛び出したこの土地へやってきた。かつてはまだ、土地は繋がっていたのだ。
大地の精霊として崇められていた精霊達へ願い、土地を切り離してもらったというわけだ。
コウヤは、現在とこの島の内情を思い出してため息をついた。それが聞こえたらしいシンリームが振り返る。
「どうしたの?」
「あ~、いえ。その……大昔、ここは権力争いを嫌って逃げてきた部族の隠れ里だったんです。それなのに、今、権力争いが絶えない国になっているのがなんだか……」
なんとも言えない切ない気持ちになった。
シンリームも察したのだろう。
「それは……なんだか、気の毒というか……」
どうしてこうなってしまうのだろうと、目を伏せるコウヤを見て、シンリームが気付く。神としてのコウヤが何を思うのかを。
「……人って、愚かだね……」
「……」
続く言葉を、シンリームは口に出来なかった。だから、隣に並んで続けたのはコウヤだ。
「……それが人です……容易い方へ、欲望の赴くままに傾いていく……それらを制御し、他人のために、国のために、世界のためにと思考を、思いを広げていける人はごく少数です。でも、それを、王族と名乗る方には目指して欲しい……と思うのは、傲慢なのかもしれませんね」
カラリと笑って、コウヤは顔を上げた。こうして、人と神の気持ちを切り替えるのには慣れてきたのだ。
そんなコウヤを見て、シンリームは足を早めた。
「なら、そんなコウヤ君のためにも、王族としての姿を見せないとね」
「え?」
「ふふ。何よりも、コウヤくんが誇れる叔父でありたいから」
「シン様……」
ウインクを一つして、シンリームは背筋を伸ばし、王女に近付いた。
「失礼。騒がしいようだけど、どうかしましたか?」
「っ、な、なによ、あなた」
「私はトルヴァラン国第二王子。シンリーム・アクレート・トルヴァランと申します」
アクレートは『現王の子』という意味で名乗る国が大半だ。これでその人の王族としての立場も分かる。
「わ、わたくしはセンジュリン国第一王女、シュウラですわっ。他国の王子がなぜここに?」
負けないというように、必要以上に胸を張る王女の様子に、コウヤは内心苦笑した。見栄を張ろうとしているのが分かりやすかったのだ。
一方、シンリームは落ち着いていた。見栄っ張りな令嬢は、母親で慣れているのだろう。トルヴァランの国内の令嬢も、こんな感じで『なんだか最近は、小さな母上を見ているみたいで微笑ましいんだよ』といって相手をしているらしい。
最近は特に、昔の自分やカトレアを見直し、どれだけダメダメだったのかを思い知る日々だそうだ。
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「そうですわ。もちろん、お父様も国王として選択されますけれど」
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「何が仰りたいの?」
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「そうですか……」
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「ですが、そうしますと、聖女と名乗っておられる方が勝手はできませんか……でもそうですね……聖女と名乗っておられますし、神教国の意思もあるでしょう」
「っ、バカにしないで! 叔母様は聖女ですけれど、あの国に全て従っているわけではないわ! お父様にそう仰っていたもの!」
これはもう少しだ。
「では、精霊を従えて、迷宮を制御しようと考えられたのは、どなたです? 失敗して、このようなことになっているようですが」
「っ、どこまでも失礼な方ねっ。迷宮の制御は国の総意よっ」
話が聞こえたらしいこの国の住民達が目を丸くしている。
「でも、どなたかが言い出したのでしょう?」
「叔母様よ。迷宮の多いこの国のことを憂えていらした。だから、そんな叔母様に、神が神託を下ろされたのよ」
得意げに言い切られた。これくらいで良いだろう。もう一度目を向けてきたシンリームに、コウヤは小さく頷く。それを受けて、シンリームは最後とばかりに告げた。
「よく分かりました」
「……何がお知りになりたかったのかしら」
どこまでも上から。顔を顰めて見せる王女。これに、シンリームは晴れやかな笑みを向けた。
「お陰で、このセンジュリン国と神教国に訴えるのは正しいと確認できました」
「は?」
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