元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌

紫南

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第十三章

608 討伐判定?

十分にミニゴ◯ラを愛でた所で、コウルリーヤの姿のままのコウヤは、上機嫌で口を開いた。

「じゃあ、そろそろ行こうか」

冒険者達やベニ達は、のんびりピクニック状態で休憩しており、リストルスは瞑想中だった。そんな中でのコウヤの言葉だ。リストルスも目を開ける。

「行くって、繋げられたのですか? ボス……を、倒していませんが」
「うん。問題ないよ。扉出すね。あ、ヅィルちゃんも来る?」
「ジルちゃん?」
《くりゃ~》
「ヅィルちゃんだよ。この子の名前ね。JIじゃなくて、ZIね」
「……よくわかりませんけど……名前付けたんですね……」
「えへへ」
《くらぁぁぁ》
「……」

コウヤが照れたように後ろ頭を掻く隣りで、同じように短い手で後ろ頭を掻くようにして照れるミニゴ◯ラのヅィル。とても可愛いとエリスリリアも目を輝かせていた。

ボスを倒して、次に行く時と同様に、扉が現れる。

「この先は、さっきヅィルちゃんが居た場所ね。もう討伐判定出てるはずだから、次への扉も……ほら、あそこに」
「……討伐判定?」
「なあに? それ」

リストルスが顔を顰め、エリスリリアが首を傾げる。そして、冒険者達も不思議そうにコウルリーヤを見た。

「ん? ああ、これ、裏技なんだよ。あまりやっちゃダメだよ? 死にそうになった時ならいいけど」

内緒ねと指を立てるコウルリーヤに、可愛いとベニ達や冒険者の一部が頬を赤らめる。

「ボス部屋に、ボスがいなくなったイコール、ボスが討伐されたってことでしょ? だから、一定時間ボスを埋めちゃうとか、結界を重ねがけして完全にその気配を絶っちゃうとね? 討伐されたって判断されて、次の扉が開くんだよ」
「「「「「え?」」」」」
「「「「「マジ?」」」」」
「うん。それで逃げられることあるんだよ。ただし、ボスを倒したって討伐報酬も出ないし、階層登録が出来ないけどね」

本来ならば受け取れるボスの討伐報酬は一切出ない。アレは、ボスの体に仕込まれているため、撃破しなくては出現しないのだ。

そして、転移するための階層登録が出来ない。それは、精霊達が認めないからだ。次階層への扉が開くと共に、転移結晶が現れるのだが、それを出さないようになっていた。

「だから、これを奇跡的に経験したことがある人たちも口にしないんだ。証拠はないからね。それに、やっぱり、討伐できなかったって言いたくないもんね」
「カッコ悪いもんな……」
「「「「「うん」」」」」

倒してもいないのに、倒したというか、部屋を通れたなんて言いたくはないだろう。逃げられたということではあるが、逃げたことには変わりない。しかし、選択としてはアリだ。口にしなければ良い。

「……でも、逃げられるなら……」
「うん。それなら別に」
「いやいや、けど、埋めるとか、無理くない?」
「魔導具あったわよ? ちょっとお高かったけど」
「うっ、保険に持ってたらいいかも……」

そんな話をしながら、一同は扉の向こうを覗き込んだ。

「うげ……なんか空気が……」
「見た目悪いわね……なんか壁もドロドロしてる……」
「変な世界入るみたいだわ……」

ゆっくりと扉を通過して、進む。そこですぐ、エリスリリアがベニ達と共に浄化の力を使った。

「消毒よ!」
「瘴気臭いわ」
「嫌だねえ。鼻が曲がるわ」
「汚いね」

そうすると、幾分か空気も良くなる。そして、周りのドロドロが近場だけ消えた。

「え? これなんなの?」
「消えたな……普通に泥じゃないんだ……」
「お~、俺もやるか」

ジンクも参加し、まるで掃除しながらというか、足下にもあるドロドロを消しながら進んだ。

「コウヤくん……ここは……」

リストルスが周りに注意しながらもコウルリーヤに尋ねた。

「うん。異界っぽいね。繋がってるんだと思う」
「繋がって……邪神の世界とですか」
「そうじゃないかな。ゼストパパも、外の世界と繋がってるのが見えたって言ってたからね。ゼストパパも気配に気付かなかったってことは、多分、そういうことなんだよ」
「……こちらに居ないから……ですね」
「多分」

今までゼストラーク達に感知されなかったのは、その繋がっている世界の方に居たからだろう。

そして、その先は外だった。

「え?」

そう。唐突に視界が開けたのだ。神殿の一番上。そこに天井はなく、切り取られたようになっていた。

そして、神殿を囲むように、四方に魔法陣が出現した。

「っ、全員転移させるよ!!」
「コウヤくん!?」
「っ、ちょっ、コウヤちゃん!?」

コウルリーヤは嫌な予感がして、単独で転移できるリストルスやエリスリリア、ベニ達も構わず全員をまとめて転移した。その瞬間に、その四つの魔法陣から黒い力が放たれ、コウルリーヤ達が居た場所に放出されていた。







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読んでくださりありがとうございます◎


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