シルバーヒーローズ!〜異世界でも現世でもまだまだ現役で大暴れします!〜

紫南

文字の大きさ
180 / 221
mission 17

180 豪運でしょうか

赤いマニキュアと口紅がよく似合う、アイメイクもばっちりなルルベルという名の魔女。

魔女自体が、自分本位で厄介な存在だ。理不尽な事も平気で口にする。そんな魔女をちゃん付けで呼ぶ者は、このライトクエストにも居ないはずだ。

大体、そんな呼び方をされたら、挽き肉にされるというのが大抵の者の答えだろう。

この場に居る収集課の三人も、瑠偉もルルベルに不快な思いをさせないよう、その場で動きを止め、極力気配を薄めることで身を守ろうとしていた。それだけ魔女とは時に理不尽な存在なのだ。

しかし、宗徳と寿子は笑顔で手を振っていた。そして、ルルベル自身も笑顔で手を振る。

「やっほー。ノリちゃん、ヒサちゃん ♪ 相変わらずの仲良しっぷりねえ」
「そうかしら。そうだ。ルルちゃんっ。これ、レン君から預かってたの。新しい配合のバラの紅茶よ」
「あら~、覚えててくれたんだあっ。今度お礼するって、レンちゃんに言っておいて」
「分かったわ」
「「「「……」」」」

口にはしなかったが、瑠偉達は『魔女が普通の女の人に見える……』と目を合わせて頷き合っていた。

「それで? ルルちゃんはどうしたんだ?」

宗徳が尋ねると、ルルベルは楽しそうに答えた。

「ノリちゃんが行くなら、手に入るんじゃないかな~って ♪ 」

そう言いながら、ルルベルが追加の収集依頼の紙を差し出す。

これに、瑠偉達『収集稞』の者達は驚愕する。

「「「「い、依頼用紙!?」」」」
「ん? 瑠偉までどうした?」

紙を受け取りながら、珍しく瑠偉まで声をしっかり出したことに驚いて目を向ける宗徳と寿子。

「ルイ君のそんな大きな声、初めて聞いたわねえ」
「っ……出た……」
「おお、声は出した方がいいぞ」
「ん……それで……何が……」

何が書かれているのか気になったようだ。

宗徳は紙を確認する。ルルベルは後ろで手を組んで『ふふふ』と笑っていた。

それだけでも、瑠偉達には嫌な予感がしていたようだ。

「あ~、暗黒竜丸ごとと、虹色竜苔? どんな苔だ? あと、エルダートレントの果実だってさ」
「「「「……むり……」」」」
「無理? 見つかり難いのか?」
「どれも伝説ですよ!?」
「エルダートレントが実をつけるやつって、何百年に一体現れるかどうかの希少種です!」
「竜苔さえほぼ見つからないのに! 虹色!? あるわけ無いじゃん!」
「……」

瑠偉はもう放心していた。他の三人も錯乱中だ。

しかし、ルルベルと寿子は平然としている。

「まあ、この人が居たら見つかるかもしれませんねえ」
「よねっ。ノリちゃんって、ものすごいの引き当てる力あるもの~」

そうして二人は宗徳を意味ありげに見つめる。

「まあ、ダメ元で、チャレンジしてみて♪」
「分かったわっ」
「ダメ元? ダメでも許されるの?」
「そんな優しさある? 未だかつてないよね?」
「見つけるまで帰ってくるなって言う魔女様が? ダメ元? 夢かな?」
「……」

引き続き錯乱中の瑠偉達。そんな彼らを心配しながら、宗徳は時計を確認して彼らの背中を押した。

「ほれほれ、時間がもったいないだろ。ルルちゃん、それじゃあ、行ってくる」
「行ってきま~す」
「いってらっしゃ~い」

そうしてルルベルに見送られながら、宗徳達は瑠偉達を引き連れて指定された門を潜ったのだ。





**********
読んでくださりありがとうございます◎


感想 262

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』

富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。

婚約破棄されたので田舎の一軒家でカフェを開くことにしました。楽しく自由にしていたら居心地が良いとS級冒険者達が毎日通い詰めるようになりました

緋月らむね
ファンタジー
私はオルレアン侯爵令嬢のエルティア。十四歳の頃、家の階段を踏み外して頭を打った衝撃で前世を思い出した。    前世での名前は坂島碧衣(さかしまあおい)。祖父母の引退後、祖父母の経営していた大好きなカフェを継ぐつもりでいたのに就職先がブラック企業で過労の挙句、継ぐ前に死んでしまった。そして、自分が息抜きでやっていた乙女ゲーム「星屑のカンパニー」の悪役令嬢、オルレアン侯爵令嬢エルティアに転生してることに気がついた。  エルティアは18歳の舞踏会で婚約破棄を言い渡される。それだけならまだしも、婚約者から悪役令嬢として断罪され、婚約破棄され、父親から家を追い出され、よからぬ輩に襲われて殺される。  前世だってやりたかったことができずに死んでしまったのに、転生してもそんな悲惨な人生を送るなんて、たまったもんじゃない!!それなら私は前世継ごうと思っていた祖父母のやっていたようなカフェを開いて楽しく自由な人生を送りたい。  森が開けた自然豊かな場所で念願のカフェを侍女のシサとともに開いて楽しく自由にカフェをやっていたら、個性豊かなS級冒険者たちが常連として私のカフェにやってくるようになりました!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。