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第一幕 第一章 家にいる気はありません
014 ……その主張曲げないね……
2018. 9. 16
**********
木の影に潜み、襲撃現場を眺めている怪しい者はナワちゃんが確実に落としてくれるだろう。ならばどうするか。
「……メル君、セリ君。あそこにいる人達見える?」
「「う~ん」」
かなり距離はある。見えなくても仕方がないのだが、目を凝らす子ども達の目に少しだけ魔力で補助し、視力を上げてやる。
その際、魔力に気付いたナワちゃんが視線(?)を送ってくるが、見ないようにした。
「「あ!」」
二人が同時に声を上げ、こちらを嬉しそうに見上げた。
「マリにいちゃま」
「おおきいにいちゃま」
「大きい……長男かな? そうやっぱり……けど、このままだと負けそうだな……」
予想通り身内だったらしい。カトラは魔力波動によって血縁を判断できるのだ。かなり特殊で、ある意味勘としか説明のしようがないが、分かるものは分かる。
確認してしまったからには、助けないわけにはいかないだろう。
見ていれば盗賊の動きが良い。恐らく、彼らを支援し強化している壮年の魔術師の腕が良いのだろう。
ただでさえ、数で負けているのだ。その上に守らなくてはならない人がいるとなると、騎士達は圧倒的に不利だった。他にも場所に慣れていないということもあるだろう。
平坦な道でもなく、思いっきり剣を振ろうにも木立が邪魔になる所もある。このままでは間違いなく彼らは負けることになる。
「……お兄様のこと好き?」
「「すきっ」」
「……わかった……」
《ーダメですー》
すかさず忠告するナワちゃんに、カトラは苦笑する。
表示される文字がだんだんと大きくなっていく。器用なことをするものだと感心した。
「ちょっと助けるだけだよ。それに、二人を預けられそうじゃない?」
《ーダ メ で すー》
「……その主張曲げないね……」
しかし、今も次々と騎士達が着実に数を減らしていっている。まだ辛うじて死んではいないようではあるが、それも時間の問題だろう。
騎士はその命尽きるまで主人を守ろうとする生き物らしい。腕や足が辛うじて繋がっている状態であろうとも、出血で朦朧とする意識の中でも盾になろうとしているのを見れば本当なのだと思える。
カトラとしては、はっきりいって彼らがどうなろうと知ったことではない。しかし、それは完全に縁のない者達の場合だ。
今、カトラの後ろにいる双子達。庇護対象である彼らが顔を覚えている騎士も中にはいるかもしれない。そんな人達が死んだりすれば、きっと心に傷を負うだろう。幼い彼らがこんな殺伐とした状況で死というものを理解するのは望むところではない。
「……」
頑なにナワちゃんは同じ文字を表示し続けている。そろそろそれは数十センチの距離まで伸びてきており、カトラの視界いっぱいを埋めようとしているほどの大きさになっていた。
「……ナワちゃん、盗賊の捕獲をお願い」
《ーーーOKー》
分身するのは容易く便利とはいえ、これは思考を分散させることと同じだ。よって、本体として残っているナワちゃんは分身達の指示に集中するため、単一の思考が薄くなる。
「ナワちゃん、合流するよ」
《ーOKー》
のそりのそりと双子の乗るカゴの足となって動き出すナワちゃん。思考、感情が薄れている今、煩く言うことなく従ってくれる。
それでいい。これからすることを、黙って見ていてくれればいいのだから。
カトラは体力回復薬を取り出して飲み干す。魔力が少し減る感覚があるが、魔力枯渇の初期症状もない。それからすぐに、今度は魔力回復薬を飲む。本来、やってはならない飲み合わせだ。
これをすると、数時間後に酷い倦怠感が襲うことになる。酷い場合、数日昏睡状態になる。けれど、王都はもうほど近い上に、ここで子ども達を引き渡せそうなのだ。彼らの親を探すのに、時間を割く必要がなくなった。
魔力、体力共にかなり回復したのを自覚し、もう最後だからと子ども達に提案する。こんな無茶をする選択をしたのもこのためだ。
「メル君、セリ君。神聖魔術の使い方を教えてあげるね」
「は~い」
「わ~い」
二人が神聖魔術の適性を持つことは、最初から気付いていた。盗賊に捕まっていた理由も、それを思えば簡単に想像がつく。
この世界で神聖魔術は特別だ。特に聖王国では『神の聖なる魔術』を行使できることは神の使徒である証とまで言われており、その存在ごと神聖視されている。
本来ならば聖王国の者が、その力を持つ二人を聖王国へと連れて行こうとするだろう。しかし、貴族の子どもだ。それが上位の家のものであるほどそれを拒む理由を持つ。
彼らの家も断ったのだろう。そして、こうして誘拐された。あのまま放置されていれば、幼い子どもだ。きっと早晩命尽きていただろう。
だが、それならなおさら、自分たちの命を守るために神聖魔術を知っておくべきだ。そう判断したカトラは、魔力の操作の仕方など、少しずつ歩きながら教えていった。
心配性のナワちゃんがいたために、直接その技を見せてやることはできなかったが、今ならばそれも可能だろう。きっと、二人ならば見れば実践もすぐできるようになる。そんな気がした。
カトラ達がその場所にたどり着くと、既に盗賊達と裏切り者らしき二人の魔術師達がグルグル巻きにされて地面に転がっていた。
「ナワちゃん、ありがとう」
《ーはいー》
抜かりなく怪しいと言っていた二人の魔術師まで捕縛したところを見ると、ナワちゃんも思考が薄くなることを理解しながらも行動したのだろうことが分かる。カトラに少しでも手を出させる機会を作らないようにと考えたのだろう。
「ナワちゃん、メル君とセリ君を下ろしてやって」
事態についていけない様子の騎士や彼らの兄を目の端でちらりと確認する。当然だろう。やはりナワちゃんの存在は強烈だ。謎生物万歳。
そんなことを考えている間にも、腕を切られたりした重傷者の血を止めることは忘れていない。今は安心したのか、静かな呼吸で気絶してしまっている者も多い。
カトラがまず向かったのは、軽傷を負った騎士。軽傷といっても、酷い切り傷が肩に入っている。
「まず、どの状態に戻すのかをしっかり意識……世界にお願いする。体は大抵左右対称だから、わからなくなったら反対側を見ると良いよ」
そうして、魔力を手のひらに集める。
「治したいと強く思えたら、魔力をぐっと硬い石みたいに固めるみたいにする。そうしてゆっくり集まった魔力を傷に塗り込むように押し当てる」
するとどうだろう。肩の傷は、破れた服の隙間から普段と変わらない肌の色を見せていた。
「「お~」」
「ほら、二人でお兄様を治してあげて」
「「はいっ」」
「えっ」
二人の兄は、守られながらも戦い、小さな切り傷を少しずつ蓄積させていたらしい。
「にいさまじっけ~ん」
「にいさまおためし~」
「え!? ちょっ、メルエリ? セリエル? なんっ、で、できるのか!?」
物凄い勢いで動揺する青年だが、その間にも小さな傷が二人の力によって癒ていく。
「できた~」
「まだできる~」
「うん。ちゃんとできたね。なら、あっちのお兄さん達も治してあげて。ただし……止める時は分かってる?」
魔力操作を練習させたことで、二人の魔力消費は公使が複雑とされる神聖魔術でも極わずか。しかし、まだ小さな子どもだ。魔力量はそうめちゃくちゃ多いわけではない。
「はいっ。おててつめたくなったらっ」
「はいっ。このいしがつめたくなくなったらっ」
二人はそれぞれのポケットに平たい石を持っていた。それは冷温石。その名の通り冷たく冷えた石だ。
魔力切れの兆候として初めに現れるのが『体の冷え』末端から徐々に熱が奪われていく。だから、カトラは分かり易いように見た目よりも遥かに軽い石であるこの冷温石をそれぞれ渡していた。
冷えてきたという感覚は、覚えないと中々自覚できないものだ。そこで考えたのが、人の体温よりも遥かに冷たく、触れていても熱を奪うことなくある不思議なこの石ならば分かり易い。
何より、暑い日には重宝する。今が冬でなくてよかった。
「さぁ、じゃぁ、お願いね」
「「は~い」」
子ども達を横目で見ながら、カトラは足の付け根までを深く切られたらしい男の前に膝をつく。
「傷は治すから、これ飲んでおいて。血は戻らないんだ。これは増血薬。飲めばすぐに頭もはっきりするよ」
「…………、……っ!」
そうして、差し出した増血薬を受け取った騎士だが、その目にはカトラの腕にある犯罪者の証ともいえる腕輪を油断なく映していた。
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読んでくださりありがとうございます◎
次回、水曜19日0時です。
よろしくお願いします◎
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木の影に潜み、襲撃現場を眺めている怪しい者はナワちゃんが確実に落としてくれるだろう。ならばどうするか。
「……メル君、セリ君。あそこにいる人達見える?」
「「う~ん」」
かなり距離はある。見えなくても仕方がないのだが、目を凝らす子ども達の目に少しだけ魔力で補助し、視力を上げてやる。
その際、魔力に気付いたナワちゃんが視線(?)を送ってくるが、見ないようにした。
「「あ!」」
二人が同時に声を上げ、こちらを嬉しそうに見上げた。
「マリにいちゃま」
「おおきいにいちゃま」
「大きい……長男かな? そうやっぱり……けど、このままだと負けそうだな……」
予想通り身内だったらしい。カトラは魔力波動によって血縁を判断できるのだ。かなり特殊で、ある意味勘としか説明のしようがないが、分かるものは分かる。
確認してしまったからには、助けないわけにはいかないだろう。
見ていれば盗賊の動きが良い。恐らく、彼らを支援し強化している壮年の魔術師の腕が良いのだろう。
ただでさえ、数で負けているのだ。その上に守らなくてはならない人がいるとなると、騎士達は圧倒的に不利だった。他にも場所に慣れていないということもあるだろう。
平坦な道でもなく、思いっきり剣を振ろうにも木立が邪魔になる所もある。このままでは間違いなく彼らは負けることになる。
「……お兄様のこと好き?」
「「すきっ」」
「……わかった……」
《ーダメですー》
すかさず忠告するナワちゃんに、カトラは苦笑する。
表示される文字がだんだんと大きくなっていく。器用なことをするものだと感心した。
「ちょっと助けるだけだよ。それに、二人を預けられそうじゃない?」
《ーダ メ で すー》
「……その主張曲げないね……」
しかし、今も次々と騎士達が着実に数を減らしていっている。まだ辛うじて死んではいないようではあるが、それも時間の問題だろう。
騎士はその命尽きるまで主人を守ろうとする生き物らしい。腕や足が辛うじて繋がっている状態であろうとも、出血で朦朧とする意識の中でも盾になろうとしているのを見れば本当なのだと思える。
カトラとしては、はっきりいって彼らがどうなろうと知ったことではない。しかし、それは完全に縁のない者達の場合だ。
今、カトラの後ろにいる双子達。庇護対象である彼らが顔を覚えている騎士も中にはいるかもしれない。そんな人達が死んだりすれば、きっと心に傷を負うだろう。幼い彼らがこんな殺伐とした状況で死というものを理解するのは望むところではない。
「……」
頑なにナワちゃんは同じ文字を表示し続けている。そろそろそれは数十センチの距離まで伸びてきており、カトラの視界いっぱいを埋めようとしているほどの大きさになっていた。
「……ナワちゃん、盗賊の捕獲をお願い」
《ーーーOKー》
分身するのは容易く便利とはいえ、これは思考を分散させることと同じだ。よって、本体として残っているナワちゃんは分身達の指示に集中するため、単一の思考が薄くなる。
「ナワちゃん、合流するよ」
《ーOKー》
のそりのそりと双子の乗るカゴの足となって動き出すナワちゃん。思考、感情が薄れている今、煩く言うことなく従ってくれる。
それでいい。これからすることを、黙って見ていてくれればいいのだから。
カトラは体力回復薬を取り出して飲み干す。魔力が少し減る感覚があるが、魔力枯渇の初期症状もない。それからすぐに、今度は魔力回復薬を飲む。本来、やってはならない飲み合わせだ。
これをすると、数時間後に酷い倦怠感が襲うことになる。酷い場合、数日昏睡状態になる。けれど、王都はもうほど近い上に、ここで子ども達を引き渡せそうなのだ。彼らの親を探すのに、時間を割く必要がなくなった。
魔力、体力共にかなり回復したのを自覚し、もう最後だからと子ども達に提案する。こんな無茶をする選択をしたのもこのためだ。
「メル君、セリ君。神聖魔術の使い方を教えてあげるね」
「は~い」
「わ~い」
二人が神聖魔術の適性を持つことは、最初から気付いていた。盗賊に捕まっていた理由も、それを思えば簡単に想像がつく。
この世界で神聖魔術は特別だ。特に聖王国では『神の聖なる魔術』を行使できることは神の使徒である証とまで言われており、その存在ごと神聖視されている。
本来ならば聖王国の者が、その力を持つ二人を聖王国へと連れて行こうとするだろう。しかし、貴族の子どもだ。それが上位の家のものであるほどそれを拒む理由を持つ。
彼らの家も断ったのだろう。そして、こうして誘拐された。あのまま放置されていれば、幼い子どもだ。きっと早晩命尽きていただろう。
だが、それならなおさら、自分たちの命を守るために神聖魔術を知っておくべきだ。そう判断したカトラは、魔力の操作の仕方など、少しずつ歩きながら教えていった。
心配性のナワちゃんがいたために、直接その技を見せてやることはできなかったが、今ならばそれも可能だろう。きっと、二人ならば見れば実践もすぐできるようになる。そんな気がした。
カトラ達がその場所にたどり着くと、既に盗賊達と裏切り者らしき二人の魔術師達がグルグル巻きにされて地面に転がっていた。
「ナワちゃん、ありがとう」
《ーはいー》
抜かりなく怪しいと言っていた二人の魔術師まで捕縛したところを見ると、ナワちゃんも思考が薄くなることを理解しながらも行動したのだろうことが分かる。カトラに少しでも手を出させる機会を作らないようにと考えたのだろう。
「ナワちゃん、メル君とセリ君を下ろしてやって」
事態についていけない様子の騎士や彼らの兄を目の端でちらりと確認する。当然だろう。やはりナワちゃんの存在は強烈だ。謎生物万歳。
そんなことを考えている間にも、腕を切られたりした重傷者の血を止めることは忘れていない。今は安心したのか、静かな呼吸で気絶してしまっている者も多い。
カトラがまず向かったのは、軽傷を負った騎士。軽傷といっても、酷い切り傷が肩に入っている。
「まず、どの状態に戻すのかをしっかり意識……世界にお願いする。体は大抵左右対称だから、わからなくなったら反対側を見ると良いよ」
そうして、魔力を手のひらに集める。
「治したいと強く思えたら、魔力をぐっと硬い石みたいに固めるみたいにする。そうしてゆっくり集まった魔力を傷に塗り込むように押し当てる」
するとどうだろう。肩の傷は、破れた服の隙間から普段と変わらない肌の色を見せていた。
「「お~」」
「ほら、二人でお兄様を治してあげて」
「「はいっ」」
「えっ」
二人の兄は、守られながらも戦い、小さな切り傷を少しずつ蓄積させていたらしい。
「にいさまじっけ~ん」
「にいさまおためし~」
「え!? ちょっ、メルエリ? セリエル? なんっ、で、できるのか!?」
物凄い勢いで動揺する青年だが、その間にも小さな傷が二人の力によって癒ていく。
「できた~」
「まだできる~」
「うん。ちゃんとできたね。なら、あっちのお兄さん達も治してあげて。ただし……止める時は分かってる?」
魔力操作を練習させたことで、二人の魔力消費は公使が複雑とされる神聖魔術でも極わずか。しかし、まだ小さな子どもだ。魔力量はそうめちゃくちゃ多いわけではない。
「はいっ。おててつめたくなったらっ」
「はいっ。このいしがつめたくなくなったらっ」
二人はそれぞれのポケットに平たい石を持っていた。それは冷温石。その名の通り冷たく冷えた石だ。
魔力切れの兆候として初めに現れるのが『体の冷え』末端から徐々に熱が奪われていく。だから、カトラは分かり易いように見た目よりも遥かに軽い石であるこの冷温石をそれぞれ渡していた。
冷えてきたという感覚は、覚えないと中々自覚できないものだ。そこで考えたのが、人の体温よりも遥かに冷たく、触れていても熱を奪うことなくある不思議なこの石ならば分かり易い。
何より、暑い日には重宝する。今が冬でなくてよかった。
「さぁ、じゃぁ、お願いね」
「「は~い」」
子ども達を横目で見ながら、カトラは足の付け根までを深く切られたらしい男の前に膝をつく。
「傷は治すから、これ飲んでおいて。血は戻らないんだ。これは増血薬。飲めばすぐに頭もはっきりするよ」
「…………、……っ!」
そうして、差し出した増血薬を受け取った騎士だが、その目にはカトラの腕にある犯罪者の証ともいえる腕輪を油断なく映していた。
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