クルマを愉しむ

Q.W

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クルマはマストアイテムだった!

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   私が幼い頃から一番望んでいたこと
「早く18歳になりたい」なぜなら その先に「早くクルマを運転したい!」が あったから。
  とにかく 早くクルマに乗りたかった。
ウチの父はオートバイ派でクルマの免許を持っていなかった。
 世の中マイカーブームも一山超えて友人の家には憧れの自動車が鎮座ましましているのに。そんなこともありクルマに対しては、ある種の愛情を感じるまでになっていた。幼少期バスに乗れば一番前の席(助手席側)か運転士さんの後ろが指定席
すれ違うクルマの名前を全て言い当て運転士さんを辟易とさせていた。
ん?アメリカでは16歳からクルマの免許を取得することができるところがある⁈ じゃ、アメリカ行って免許とって国際免許にすれば国内でも乗れるんじゃ…妄想は止まらず膨らむばかり
悶々としながら原付免許とって、初めて自分で運転なるものを経験すると
「スッゲー俺、今 自分が全速力で走るより速いスピードで走ってる!」
そう、右手のアクセルを開くだけで 楽に速く走ることができるのだ。
これが四輪自動車なら、もっと快適に 雨の日も濡れることなく 寒い思いもしなくて しかも、もっと速く走ることができるのだ!
待つこと2年 十数年来夢に見続けた「自動車運転免許」を取得することに成功。
だが、クルマは…無い…
中古車でもいい、軽自動車でもいい とにかくクルマが欲しい。
  学生時代(生徒時代も)からコツコツとアルバイトをして貯めたお金をはたいても買えない…
ところが、直ぐ近くのおよそ中古車を売ってるとは思えないところに「2万円」のプライスボードがフロントガラスにちょこんと置かれたクルマが…
  迷わず「ごめんください」
聴けば一度水没してしまったクルマであった。
だが、当時の私に選択の余地も考える知能もない。
「これ 下さい。」
よくみると、いや 一目でわかるほど ドア内装に泥の線が クッキリ。それでも構やしない!とにかく「ジブンノ クルマヲ カウノダ」これは命令であり、抗うことなど出来ない誘惑なのだ。
  諸費用が幾らだったかノークレーム・保証無しでかなりお安く済んだと思う、一週間後引き取りに行くと 気持ちキレイになっていた(気がした)。
  スペアキーも無いけど、自分の自動車に乗り込んで、キーをひねる…プルルンッ!初めまして我が愛車よ。細~いハンドル、フニャフニャの脚回り…
いいのいいの…俺のクルマだぜっ!アドレナリンは止まることなく出っ放し、鼻血も出るかも そこまで興奮していた。自宅までわずか3分ほど走ってエンジンを切る…「おぉ、ちゃんと動いてウィンカーも付いたしブレーキで止まったし、窓も開いたし…」当たり前のことが、できて当たり前のことが できただけで「このクルマはいいクルマだ!」紛う事なき我が愛車なのだ!
  一度水没したとのことだったが、その時エンジンをかけたりせず、乾かしたのが良かったのだろう(想像)心配無用で エンジンも動き電装系も不具合無く作動してくれた。当然その夜は愛車の中で過ごした、お約束だ。
  3日ほど経つと、さて どこから弄ろうか?
まずは車内を快適な空間にしたい、ペラッペラだけど合成皮革調のドア内張りを外しガシガシ洗ってプラカラーでペイント。その上から薄手のビニールを張り付け元の位置に設置すれば 水没時の水位表示も消え新しくなった居住空間の出来上がり。そのうちステアリングも交換して、もっと快適な空間に…うん、音楽も必要だな!ヨシッ カーコンポはクルマより前から決めていた「ロンサムカーボーイ」で決まり。
  そうこうしているうちに「んん…やっぱ見た目も大事だよな…全塗装しかないな」色も前から決めていた、フェアレディZ(S30)のマルーン!このクルマに似合うか似合わないか?
そんな事も考えず知り合いの板金屋さんにお願いして、自分でも手伝うから…と無茶なお願いして格安で塗ってもらうことに成功する。
「これは純正色として採用するべきだ。」と、勝手な脳内変換はまだまだ続く、アルミホイルは スピードスタートFLⅡ(これも前から決めていた)。
おっとタイヤがはみ出してる…ヨシッ オーバーフェンダーだなっ!世間も怖いものも知らない ワカモノの妄想暴走。
ちなみに当時はまだドアミラーが認可されておらず、フェンダーミラーだったのだが、板金屋さんで塗装したとき 既にフェンダーミラーをとり去りパテ埋めしていた。ドアに遠慮なくヴィタローニミラーを取り付けてスッキリ!
あとは友達の実家の鉄工所でバネをふた巻き半カット。リアリーフスプリングはひっくり返しと、とんでもない荒技だけど 深く考えるほどの知能もないわけで…
  というわけで、仕上がったクルマ、我が愛車のなんとカッチョイイこと!
  その数ヶ月後にドアミラー解禁になった。解禁になる前に左折時に危なく原付バイクを巻きこみそうになり、直ぐそばにお巡りさんがいて、一部始終を見ていたらしく駆けつけてきて バイクのお兄さんと一緒に「自分たちの仕事が増えるところだったぞっ。」みたいな怒られ方をしたが、クルマの整備不良については何も言われなかった。自分ではカッチョイイと思っていたが、はたから見たら「可愛らしい」かったらしい…

  何はともあれ、クルマはなくてはならないものだった。たとえどんなにオンボロだろうと「愛車」は必需品であり、先ずは「ジブンノ クルマ」がないと何もできない前へ進むことすらおぼつかない…そんな18歳

  愛車:ホンダライフ(初代SL)360cc
車両価格は2万円だったが、コンポ一式約18万円
全塗装 5万円 その他ステアリングやホタルランプ、アルミホイルにタイヤに…
結局は中古のハコスカくらいの費用と愛情を注ぎ半年くらい乗っていたが、ある日街中で いきなり「このクルマ 譲ってください!」と、可愛いお嬢さんに声かけられて 鼻の下を伸ばしながら気持ちよくお譲りし、次のクルマを購入するのであった。
後日談 お嬢さんが乗り始めて一週間で2回整備不良で切符切られたのきられなかったの…伸びた鼻の下はすごすごと引き締まっていた。
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